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考えてみれば、おとぎ話の定番とよく似ている

「お前さんたちが俺の言葉を理解しているのかは知らぬが、言うだけは言っておく。仔蛇共、お嬢ちゃんのお守りは任せたぞ」


 腹時計が告げるのは、飯時の少し前。気持ちよさそうに寝息を立てるお嬢ちゃんを置いて宿併設の食堂に向かう。


「おや、もう腹が空いたのかい?夕食はもう少し待っておくれよ」

「腹が減ったのは事実だが、少しばかり聞きたいことがあってな」


 女将がかき回している大鍋。そこから流れてくる匂いは空腹に響くが、今用があるのはそちらではない。


「話したいことがあるのだが、いいか?」


 返事を待たず、適当な椅子に腰を下ろす。少しくらいなら待つつもりだ。


「あいよ、少し待っとくれよ」


 そう言って鍋を火から降ろす。覗き見た様子だと……根菜のスープか。俺としては、野菜は多少固めの方が好みだが。


「それで、何が聞きたいんだい?あたしは未亡人だけど、旦那に操を立てるつもりでいるからね。惚れたんなら、早いところ諦めなよ」

「……そいつは残念。俺があと10年若ければな」

「20年の間違いじゃないのかい?」

「はは、違いない」


 向こうも手慣れた様子の、そんなやり取りは案外と軽快だ。多分だが、他の客相手にも散々言っているのだろう。まあ、そういうのは俺も嫌いではない。だから、心にも無い適当な定型句を返してやる。


「真面目な話だ。お嬢ちゃん絡みの」

「その娘さんはどうしたんだい?」

「今は部屋で寝ている。こちらの用が済んだら起こしてくるさ」


 雑談はここまで。本題に入る。


「あのお嬢ちゃん、言葉が通じないというのは知っているな」

「そうさね……さっきも聞いたのも知らない言葉だったみたいだし」


 “クゥレ”のことだろう。さすがは客商売を営む者。よく見ている。


「それで、俺がお嬢ちゃんに言葉を教えようと思っているのだがな」

「たしかに、言葉が通じないんじゃ何もできやしない」

「ああ。そこでひとつ、困ったことがあってな」

「なんだい?」

「言葉を覚えるという経験。俺はガキの頃にやっているはずなのだが、どうやって覚えたのか、まるで記憶に無い」


 お嬢ちゃんに言葉を教えるにあたって、俺の経験を参考にしようと考えた、まではよかったのだが。俺の場合は物心が付いた頃には、普通に話せていた。まあ、俺に限った話ではないような気はしなくもないが。


「お前さんはそこらへん、覚えているか?もしそうなら、教えてほしい」

「…………いや、物心付いた頃には話せるようになってたからねぇ……。というか、誰だって同じなんじゃないのかい?」

「だろうな……」


 駄目で元々。そんなつもりで聞いては見たが、結果は案の定。ま、世の中なぞこんなものだ。


「それじゃあ、どうやって教えるのさ?まさかとは思うが、何も考えてないのかい?」

「無策というわけじゃない。こうするのさ。椅子、テーブル、ドア、鍋」


 目に付いたものを適当に指差し、その名前を口に出す。効率がいいとは世辞にも言えないやり方とは承知している。


「安直だねぇ……」

「奇遇だな。俺もそう思っている。さりとて、他にいい手が思いつくわけでも無し、だ」

「そうさね……。よし!村の連中にも聞いてみるよ。ひとりくらいは言葉の覚え方を知ってるかもしれないからね」

「いいのか?」


 正直、そこまでしてくれるとは思っていなかったが。


「あの娘さん見てたら思い出してね」

「……謎言語使いの知り合いでもいるのか?」


 だとしたら、お嬢ちゃんの帰る場所を探す上で大きな手掛かりになるやもしれぬが。


「そういうわけじゃないさ。ただ……」

「ただ?」

「可愛い娘だっただろ?」

「ああ」


 それは否定しない。アネイカやコーニスの人間とは微妙に顔立ちの毛色が違う。ただ、それを差し置いても整った容貌(ようぼう)だとは思う。今はまだ幼さの方が際立つが。


「あれはあと3年もしたら美人になるね。絶対」

「そうかもしれぬな」


 そこも同意はしておく。少なくとも、俺の勘も同じことを言っている。


「だから思い出すのさ。昔のあたしをね」

「っ……そうかもな」


 そこも表向きでだけは同意しておく。動機はともかく、協力自体はありがたい。“ほんとかよ!”と反射的に叫びかけはしたが、飲み込むことはできた……はず。まあ、時の流れというやつは優しくもあり残酷でもある。やけに恰幅の良い……もとい、貫禄のある女将の過去を俺は知らぬのだから。知りたいとも思わぬが。


 ともあれ、用件はこれで片付いた。


「とりあえず、お嬢ちゃんを起こしてくる。腹を空かせている頃だろう。ああ、それと」


 せっかくだ、頼めることは頼んでおくか。


「言葉が通じないということがどれほどに厄介なのか、俺は想像するしかできぬ。それでも、お嬢ちゃんが相当に不便をするとは容易に予想出来る。男の俺じゃあ、気付けもしないこともあるだろう。だから、女のお前さんからも気にかけてやってもらえまいか?」

「言われなくてもそのつもりさ。それにしても……」


 ニンマリと笑う。


「鏡追いさんも随分とあの娘に優しいじゃないのさ。さては惚れたね?」

「やれやれ……」


 的外れもいいところだ。俺が惚れた女とよく似た名前で声もそっくり。だから肩入れしているだけだというのに……


 そうでなかったなら、ここまで世話を焼くわけもない。繋ぎ屋に依頼して信用できる孤児院あたりを探させてそこに預けるくらいだった。まあ、食うに困らぬように定期的な寄付くらいはするだろうし、ロクでもない連中に妙な因縁でも付けられてないか月イチ程度に様子を見に行くだろうが。あとは、言葉を教えられそうな奴を探して手配する、くらいが関の山だ。ついでに、あと何年かしたら真っ当で安定した仕事を探すくらいはしてやるかもしれんが。


 馬鹿が付く程にお人好しな正義の味方サマを演じているのは、事情あってのこと。身勝手極まるロクデナシというのが俺の本性だとは自覚している。今回の件にせよ、感傷のためにケイコお嬢ちゃんを特別扱いしているだけのことでしかない。


「今の美人も将来の美人も世界の宝、なんてのはたまに聞く話だろう?ま、過去の美人がどうなのかは知らぬがな」


 そんな話をマトモに答えてやるつもりは全くない。適当な答えを残して俺は食堂を後にした。




「おーい。お嬢ちゃん。起きてくれ。晩飯を食いに行くぞ」


 部屋に戻っても、お嬢ちゃんは変わらずに寝息を立てていた。


 ……将来の美人の頬を伝うヨダレは……見なかったことにしておこう。


「おーい。さっさと起きてくれ」

「くぅ……すぅ……」


 再度呼びかけるも、返事は寝息。


 やれやれ……


 胸中でため息を吐きつつ、手を伸ばす。警戒を怠らずに、ゆっくりと。


「……おっと」


 案の定、近づいたところで6匹の仔蛇共が顔を現わす。こいつらを刺激したくないから声も抑えていたのだが、揺さぶり起こすのも見過ごせないらしい。


「晩飯を食いに行くから起こさねばならぬのだがな。お嬢ちゃんが晩飯抜きとなるのは、お前さんたちとて望んではいないだろう?」

「……んぅ……んん……ふぁ……」


 結果良ければ、とでも言うべきか。仔蛇共の説得は無理だったが、話し声でお嬢ちゃんが目を覚ます。


「お目覚めか?」

「……クゥレフィト。イクス、クレスンフェト」

「腹も減っているだろう?晩飯を食いに行くぞ」


 手招きしてドアの方に向かうと、お嬢ちゃんも付いてくる。人前で顔を出したらまずいとは理解しているのだろう。仔蛇共も早々と服の中に隠れていった。




 お嬢ちゃんを連れてとんぼ返りした食堂は、貸し切り状態だった。そもそもが、ユグ村の住人は宿にも飯屋にも用は無く、客は外からやって来る人間のみ。酒場の方はそうでもないらしいが、たまたま今日は閑古鳥が鳴いていたらしい。


 そんなわけで、この女将も普段は小さな畑を耕して暮らしているとのこと。


「はい、お待たせ。お酒はどうするんだい?」

「止めておこう」


 適当なテーブルに付くと、すぐに女将が料理を運んでくる。


 内容はというと――大ぶりの野菜がゴロゴロと浮かんだスープに川魚の塩焼き。それと、丸パンが2つ。スープからも焼き魚からも香ばしい匂いが立ち上っている。


「さて、食うか」

「クゥレ……ドウラ トーナフィト」


 フィトで終わっているから疑問。この状況なら“食っていいか”だろうな。


 頷いてやれば伝わるだろうが……


 少し試してみるか。多分だが――


「……ラペット」


 これで通じるはずだ。


「……クゥレ」


 お嬢ちゃんは大きく目を見開く。わかりやすい驚きの表情。俺が謎言語を話したのが意外だった、ということだろう。


 もうひと押しを掛けてみるか。“ドウラ トーナフィト”が“食っていいか”なら――


「ドウラ トーナ」


 お嬢ちゃんの前に並んだ皿を指差してそう言ってやる。


「……ラペット!」


 伝わったのだろう。わずかの間を置くと嬉しそうにうなずき――


「レーシェ」


 パン、と手を合わせるとスプーンを手に取る。


 さて、俺も食うか。


 軽い達成感を(さかな)に、スープに手を付ける。最初に食うのは浮かんでいる人参。俺の好みである固茹でだったのもうれしい話だ。ボリボリという歯ごたえが心地いい。それに、スープ自体の味付けもなかなかのものだった。田舎村の宿と思っていたが、なかなかどうして。


 ハーブだか香辛料だかは知らぬが、複雑な風味が野菜の香りと混じって、一段も二段も昇華させている、とでも言えばいいのか。


 前を見れば、お嬢ちゃんは焼き魚に手を伸ばし、かぶりついていた。その表情を見れば、そちらも美味いとは容易に予想出来る。


 そして――


「ふぅ……美味かったぞ」


 ここに旨い酒でも付けば最高だったのだろうが、そこは諦める。酒が入ったままで言葉が通じない相手に言葉を教えられるだけの度胸は無い。


「ミウルフェク……。サリュー」


 だいぶ遅れて完食したお嬢ちゃんも満足そうだった。言葉に関係なく、美味いものは共通ということなのだろうかな。




 部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。


 これからお嬢ちゃんにはアネイカ言語を覚えてもらおうと思っているのだが――


 その前に、気になることが出来た。


 ゆっくりとお嬢ちゃんに手を伸ばせば、予想通り。仔蛇共が顔を出す。


「ティーク サブートゥ!」


 慌てたようにお嬢ちゃんが声を上げるが、今用があるのは仔蛇共の方だ。


「ほら」


 背負い袋に入れてある塩漬け豚の燻製を取り出す。俺とお嬢ちゃんは晩飯を食ったわけだが、仔蛇共は昼間からずっと何も食ってないのだろう。腹を空かせた挙句に俺を襲う、などというのは勘弁願いたいところ。


「アンヘルイ……イアル マクス カゥフィト」


 そっと燻製をベッドに置いてみるものの、仔蛇共は動こうとしない。だが、目線は正直だ。目の前の食い物に釘付けになっていた。


 こういう場合はお嬢ちゃんに伝える方が早い。


「ドウラ トーナ」


 燻製と仔蛇共の間で指先を往復させつつそう言えば、すぐに理解したお嬢ちゃんはうなずく。


「ピジュティ!」


 意図は伝わったらしい。


「ドウラ トーナ」


 お嬢ちゃんが燻製を手でちぎって並べると、服の中から這い出してきた仔蛇共が飲み込んでいく。


 ああ、蛇は食い物を丸呑みするのだったか。山に残っている連中は……まあ自分たちでなんとかするだろう。野生の蛇くらいはいるのだろうし、あの蛇共の食い物くらいはあるだろう。そこいらの蛇より知能は高いらしいのだし。


「さて、これからお嬢ちゃんには言葉を覚えてもらう」


 仔蛇共の晩飯も済んだところで、あらためて今夜の本題に入る。


 まず真っ先に教えるべきは……これだろうな。


 お嬢ちゃんに手を伸ばせば、さっきと同じ。仔蛇共が顔を出す。


「蛇」


 俺はその内の1匹を指差す。


「蛇」

「クゥレフィト」


 お嬢ちゃんが不思議そうに首をかしげる。


「蛇」


 俺はさらに繰り返す。


「蛇」


 そして――


「クゥレ!」


 お嬢ちゃんが何かに気付き、1匹の蛇を指差して――


「へび」


 と、言った。


「ラペット。蛇」


 俺も答える。


「蛇、蛇、蛇、蛇、蛇、蛇」


 お嬢ちゃんが順番に1匹ずつ指差す。理解してくれたらしい。これで一歩前進だ。あとは――


 手近にあるモノを片っ端から指差し、同じことを繰り返していく。“蛇”で要領を掴んだ後は速かった。一度で全部を完全に覚えるのは難しいかもしれぬが、それなら明日以降にも繰り返せばいいだけのことだろう。


「よし、次は……」


 物の名前以外の言葉にも手を付けることにする。


「ピジュティ。ありがとう」


 やること自体は先とさして変わらない。俺が把握している言葉を謎言語とアネイカ言語で繰り返すだけ。


「ピジュティ。ありがとう」

「クゥレ!」


 今度は2度目で反応が変わり――


「ピジュティ。アりがとウ」


 そう返してくれた。昼間も感じたことだが、やはり頭の悪いお嬢ちゃんではないらしい。


「ティーク」


 不意に、名を呼ばれた。


「うん?」

「ティーク、アりがとウ」


 涼やかで透き通った声が耳朶を震わせる。


『ティーク、ありがとう』


「やれやれ……」


 その言葉が浮き上がらせたのは、40年以上も昔の記憶。俺がお嬢ちゃんを重ねている女。また、古傷が疼く。


「ティークフィト」

「いや、何でもない」


 お嬢ちゃんの言葉を借りるなら“サブートゥ”とでも返すところなのだろうが……


 いつまで縋り付いているのだと自身の女々しさに呆れ果てる。


 今は忘れろ。差し当たりの優先順位が高いのはお嬢ちゃんに言葉を教えることだ。


 必死で自分に言い聞かせて、それでも疼きは収まってくれそうもなかった。




「ったく……何をやっているのやら」


 結局、俺が個人的な感傷に囚われている内に夜も更けたのでお嬢ちゃんへのアネイカ言語指導を切り上げる羽目になり、見張り番をする場所――ユグ山方面の出口に向かう途中、空に浮かぶ月を仰ぎながらに口から漏れ出たのは、そんな嘆息(たんそく)だった。


 あの日――死は不可避だと確信できるほどの怪我を負ったアイツを送った瞬間からは、とうに40年の歳月が流れていた。


 それでもなお、俺の感情はあの瞬間から一歩も進めていないのだと、そう思い知らされた。普段は目を逸らすことができていても、些細なきっかけのひとつで古傷からは血が噴き出しやがる。


 アりがとウと、ただ一言。


 アイツと同じ声で、アイツとは似ても似つかわぬたどたどしい口調で告げられただけで俺の平静は容易く失われてしまう。


 惚れた女ひとり守れないような情けない男だとはとうに自覚していた。それでもなお、自分自身の情けなさに呆れ果てる。


「やれやれ……」


 村のはずれに着き、柵に背を預けて座る。


 背負い袋から引っ張り出した薄布で身体を包み、あとは眠るだけ、なのだが……身体的には多少の疲労もあることを差し引いても、今の精神状態ではそういうわけもいかないだろう。それなら――


 今日はいろいろあった。整理でもしておくとしよう。


 頭を働かせていれば、余計なことは考えずに済む。そうこうする内に睡魔が仕事をしてくれるだろう。


 まずは……野盗共の駆除。これに関しては問題も無い。予想よりも上手く行ったと言える。想定外もあるにはあったが、明日にでもひと手間かければそれで完了だ。


 その帰り道だった。揺れと光――ユグ村からは光の柱が見えていたそうだが――が起きて、足を運んでみればそこにいたのがケイコお嬢ちゃん。それに蛇の大群。


 蛇共の方は――


 俺が知る蛇という生き物よりも明らかに高い知能があった。


 お嬢ちゃんとは意思の疎通が出来ていたと見て間違いない。


 お嬢ちゃんの方は――


 アネイカ言語を理解していない様子。


 使うのは謎言語のみで、その謎言語は俺には理解不能。


 首肯やらの身振りに関してはある程度共通しているようで、その辺を利用した意思の疎通は可能。


 蛇共とは普通に言葉が通じているらしい。


 そこまで体力がある方ではないらしい。


 必要以上に他人を怖がる傾向はあるが、気を許すということへの基準はそこまで高くはない、らしい。


 田舎の村を珍しく感じている。


 共通しているのは――


 どこから、どんな手段で、あの場所にやって来たのか。そして何者なのか。その一切が不明だということ。


 全くもってわけがわからぬ。


 結局、行き着くのはそんな結論。


 理解出来る――使うことの出来るアネイカ言語を増やしていく、というくらいしか手は思いつかぬ。


 2、3日して、野盗共の件が完全に片付いたと確信出来た後の話にはなるが、一度繋ぎ屋にも聞いてみるか。何かしらの情報は掴んでいるやもしれぬ。あの光の柱は、ターロからも見えていたのかもしれぬのだし。


 そういえば……


 ふと思う。光の柱に近い現象は、記憶には無くとも、知識の中にまで無かったわけではない。


 不思議な能力を持った――どこから来たかもわからぬお嬢ちゃん。


 考えてみれば、おとぎ話の定番とよく似ている。


 光の柱と共に現れたらしい、未知の言語を話すケイコの存在は――別世界からの来訪者か。あるいは――よくある筋書きなら“魔王”なのか。


 1日……いや、半日前の俺だったら鼻で笑うような発想。だが、今は――まるで笑えない。


 アイツと被るから。きっと理由はそれだけでしかない。それでも、俺は可能な限りお嬢ちゃんを守るつもりでいる。


 だが、ロクでもない何かが起きた時――仮に、ケイコが世界を滅ぼすなんて話になったとして、その時俺は……って、さすがに飛躍しすぎか。


 浮かんだ発想を苦笑混じりで振り払う。


 これ以上は止めておくか。無駄に気分を沈ませてもしかたあるまい。


 やれやれ……


 余計なことで悩まずに済むようにと頭を回して、結局は別の悩みに捕まってしまったらしい。


 ま、いいけどよ……


 ただ目を閉じて、身体を休ませておくとするか。それだけでもマシなはずだ。できることならば、さっさと眠りに落ちたいところだが。


 そんなことを思いつつ、いろいろあった1日は終わろうとしていた。


今日の投稿はここまで。明日以降は毎日20時を予定しています

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