表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いは理系です  作者: 山石竜史
間章 アヤトは新入生です……?
114/141

111 一日ぶりの学校です

連続投稿しました。

最新話から飛んでいる方ご注意ください。


「ルーシェちゃん、ミリアちゃん、また明日。」


「はい、またね。」


「……うん。」


日も沈む頃になり、みんなが帰っていく。


「またな。ディー。」


「おう。あっ、そういえば言い忘れてたがオスカー。またエスティア王国が変な動きを見せてるらしいぞ。気をつけろよ。ここは思っているより国境が近いんだから。」


「そうか。わかった、覚えておく。」


「俺も明日からまた公都に行く予定があるから同業とかに伝えておくよ。それじゃあな。」


「頼む、フリッツ。じゃあな。」


こうして皆が帰っていったのだった。




「はあ、静かだな。」


皆が帰った後のリビングは熱気が残っているのに物静かでどこが寂しい。片付けをする母を手伝ったあとソファーに体を預けていると妹が寄ってきた。


「おっ、どうしたんだフーシア?」


「よんで。」


そう言う妹は本を手渡してきた。

絵本かな?と思い表紙に目を落とすと、そのタイトルは

『効率的な魔法部隊運用方法』

だった。


「いやいやいや、別の本を持ってきなさい。」


なんでこんな本持ってきてるんだよ。というかどこから持ってきたんだ。


「えー。これ。」


妹が梃子でも動かないという姿勢を見せたので仕方なく読み聞かせを始める。

こんな内容の本聞いてても面白くないだろうにと思いながらも聞かせていると、案の定妹は途中で寝てしまった。母に似たその射干玉(ぬばたま)の髪を撫でてから、その体を抱える。そしてベッドまで運んでやった。そのあどけない寝顔に「おやすみ。」と声をかけたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぁああー」


「おはよう、アヤト。眠たそうだな。」


「ん。アレフ達か。おはよう。」


「おはよう。アヤト、ギームがうつってるんじゃないのか。」


「ビート、それはない。僕の予防策は完璧だ。」


「……zzz。んー、こらーみんな僕を菌みたいに扱ってーー……むにゃむにゃ。」


「それで結局なんでそんななんだ?」


「昨日妹に渡された本に夢中になっちゃってて。」


「へぇ、どんな本?」


「これ。」


そう言って、僕はカバンから魔法部隊についての本を取り出す。


「おいおい、持ってきたのかよ。なになに……?なんて読むんだ?この題名。」


「『こうりつてきなまほうぶたいうんようほうほう』だな。って魔法部隊運用?アヤト、将来騎士団に入るつもりなのか?それも、魔法部隊の第二師団に。」


「うーん、そこまでは考えてないけどっていうか魔力がないっていう僕が入れるかはわかんないけど、内容が面白いから読んでただけ――」


ガラッ。

そのタイミングで扉を開けて教室に入ってきたのはアデクだった。

彼はこちらをしばらく見たが、そのあと何も言わずに顔を背けて自分の席に向かった。

どうしたんだろう?嫌味の一つでも言ってくると思ったのだが。


「アヤト、アデクのこと何か知ってるか?」


「何のこと?アレフ。」


「アデクが昨日から不気味なほどおとなしいんだよ。」


「あ……うん。それ……ごめん、分からない。」


多分一昨日の事件のせいだろうけど、でもどういう心境でそうなっているのかは分からないからな。

ごめん、本当のことを言うわけにはいかないから、嘘とは言えないことで誤魔化します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ