表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たたかう聖女さま  作者: 桜花オルガ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/116

第36話 マリアの採掘?

 辿り着いた鉱山の坑道入口周辺には、掘り起こされた土があらゆる場所に山積みになっている。



 その様子を眺めながらマリアは『ライト』の魔法で周囲を照らしつつ、坑道奥へと歩みを進めた。



 坑道はかなり広くなっていて、坑道内にも至る所に掘削された土がこんもりと置かれている。


 暫く歩き続け行き止まりへと到達する。


 マリアがさて魔法で掘り進めてみますかと思った瞬間、頼れる相棒が脳内で話しかけてきた。



《マスター、掘らずとも目的の鉱物の入手が可能であると具申します》


(え?『叡智』さんそれはどういうこと?)


《マスターのスキル『聖なる錬金術』を使用すれば、坑道内外に放置されている土の山から鉱物の分離・精製が可能です》


(あら……また採掘できないのか私は。でもまぁその方が早いし良いか!魔鉄は錬成できそうなのかな?)


《魔鉄以外にも鉄・銀・金・ミスリル・オリハルコンが含まれていると推測》



 え?オリハルコン!?それってファンタジー世界で最高峰の金属なのでは?合金かと思っていたけど、この世界では一つの金属なんだね。



 マリアは『叡智』さんの助言を受け、てくてくと近くに積まれている土の山へと近づく。


 土の山へ両手を翳しながらイメージする。


 鉄・魔鉄・銀・金・ミスリル・オリハルコン、これらの金属を……



「錬成!」



 マリアがそう呟くと土の山は淡く発光し、目の前に様々な金属が現れた。


 左からイメージした通りの金属が並んでる感じだね。


 量はほんの少しだけどオリハルコンもしっかりある!



 マリアは錬成された金属を『次元収納』に仕舞いつつ、次々と山になった土から金属を錬成していく。


 最終的に集まった金属をそれぞれインゴットへと錬成する。


 分かりやすくインゴット一つのサイズはキロバー(1kg)にした。



 錬成した各金属の内訳はこうだ。


------------------ー

鉄:インゴット×238本


魔鉄:インゴット×121本


銀:インゴット×147本


金:インゴット×35本


ミスリル:インゴット×13本


オリハルコン:インゴット×5本

------------------ー



 キロバーに満たない残りの分も、まとめて『次元収納』に仕舞った。



 それにしてもただの土だと思って放置していたんだろうけど、ここまで大量に色んな金属が残ってるなんて、錬金術ってすごいんだなぁ。



《ここまでの錬成能力はマスターしか持ちえないと認識》



 あ、やっぱりそうなのね。


 材料集めとしてとっても便利な能力だしラッキーだな。



 その後は特に魔獣に遭遇する訳でもなく、無事に伯爵邸へと帰宅した。


 出迎えてくれたクロエの頭を撫でつつ、クロードのいる部屋へと向かうマリア。



「ただいま帰りました。クロードさんこれお土産です」



 クロードの前に一つのインゴットがゴトリと置かれる。



「こ……マリア殿……これは……?」


「オリハルコンです」



 クロードは白目を剥いて泡を噴きながら倒れるのであった。




      ───◇─◆─◇───




 サンジュに介抱されながらクロードは目覚めていた。



「オリハルコン……マリア殿……これは受け取れないよ」


「え?でもクロードさんの鉱山から採れた物ですよ?」


「仮にそうだとしても、これまでオリハルコンなど採れた事は無かったんだ。それに神の金属と言われる物……私の手には余るよ」



 神の金属かぁ……オリハルコンはやっぱりめちゃくちゃ価値があるんだね。


 受け取って貰えないなら何か代わりになるような……



「そうだ!国王陛下に会いに行く際に、クロードさんと私からの献上品とするのは如何ですか?」



 神の金属なんて呼ばれるくらいなんだし、クロードさんの手柄でもあるとすれば、国王からの覚えもめでたいものとなるだろうしね。



「なんと……私は何もしていないのに本当に良いのかね?」


「勿論ですよ。オリハルコンだけじゃなく、肥料や街灯、これから製作する洗濯機なども全て、クロードさんと私からの献上品として幾つか持っていくつもりですよ。ドドガさんの名前も出しますけどね」



 私の発言を受けクロードさんだけじゃなく、サンジュさんにクロエちゃんまでもが泣き出してしまった。


 拠点として住まわせてもらい、何不自由ない生活を送らせてもらってるんだから、少しでも伯爵家の皆やドドガさんのイメージを高めたいからね。



 一応、他にもこんな金属が採れましたけどと様々なインゴットを出したが、クロードはフルフルと顔を横に振り、受け取りを拒否した。



 ならば洗濯機の製作を急ごうと、マリアはドドガの工房へ行き魔鉄のインゴットを50本ほど『次元収納』から出す。


 ドドガは驚きこそしたが、すぐに小躍りしながら「これで洗濯機の製作ができるぞい」と大はしゃぎ。



「そういえば魔道具に使用する魔石って、全部ドドガさんの手持ちですよね?私がお金をお支払いしますよ?」


「なぁ~に儂の持つ魔石は死蔵しとったようなもんじゃ。新たな魔道具のために使えるなら金などいらぬよ!」



 とは言われたものの、マリアは取り急ぎ金貨10枚をドドガに渡すことにした。


 魔石に限らず急に何か必要になった場合、そのお金で購入してもらうためだ。




 さて!いよいよ洗濯機製作の開始だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ