第11話「美女と大群」
伸びをしながら辺りを見渡す。よし異常無しだな。
「ネクロ今何時だ?」
「6時半であります」
「そうか、んじゃ行きますかね」
棺の館も目指し歩いていると、霧の向こうから1メートルぐらいか?白い蛾が飛んできた。
「モスラルであります。ランクはGランクであります。鱗粉に気をつけるであります」
「はいよ」
さて、やりますかね。外套を広げ影から黒剣を抜刀、斧も出し空中に浮かべる。
「ギュエーー」
モスラルが羽を広げこちらに向かって飛んで来る、自動操縦で頭を狙う。だが、上手く躱される。剣を両手で構え、モスラルがこちらに突っ込んで来る、それに合せ上段斬りをかますがモスラルが急停止し黒い斬撃が空を切る。
「やばっ、がはっ!」
モスラルに隙を突かれ頭突きをされる。背中を地面に叩き付けられる、その反動で肺の空気が抜ける。身体強化しておくべきだったか、調子に乗ったな俺。反省、反省。そのまま地面を転がり距離を取りながら立ち上がる。空気を肺に送り込み剣を構え直す。
「ギュエ!」
悲鳴を上げるモスラル。後ろからさっきの斧が羽を斬りつける。よし成功だ。駆け出し、羽が斬れバランスを崩したモスラルに剣を横薙ぎに払う、手に命を刈り取る感触が伝わる。ドシャと上下に分かれたモスラルがまだピクピク動いている、眉間に黒剣を突き刺し絶命をさせる。剣の血を払い影の鞘にしまい込む。忘れず魔石を剥ぎ取り道を進む。
あれ、何か気持ちが悪い、なんだこれ足がゆうことをきかねぇ。
「ご主人様、毒状態であります!お急ぎ解毒薬をお飲みください!」
ど、毒!やべぇ~早くしねぇと。クソッ手が上手く動かねぇ!吐き気がしてきやがやった。何とかホルスターから解毒薬を取り出し口に突っ込む。チョーーにげ~~おえ。少し落ち着いてきたな。体を上げ立ち上がり屈伸をする。大丈夫だな。
「大丈夫でありますか?」
心配そうに声をかけてくるネクロ。
「あぁ、大丈夫、大丈夫」
手を上げながら言う。しかし、あれが毒状態か、かなりきついなモスラルとやるときは気を付けねぇと。外套に着いた土を落とし。先を進む。しかし本当に霧が深いな、霧の中から攻撃が来たらよけられるか分からん。足を進めたまに休憩を入れながら2時間歩き続けた。5回魔物とエンカウントが無理なく倒せた。
「見えてきた」
霧が深くてよく見えんが何となく家っぽいシルエットがボヤ~と見える。カーブがいくつもありうんざりしていたとこだが少し足のスピードが速くなる。いよいよかぁ、どんな感じかなぁ。やっぱりボロいのがポピュラーだよな、蔦とかが壁に巻きついたりとか。と色々考えていたら最後のカーブを通り終わり門の前まで来ていた。そこは、良くホラー映画等で使われる洋館に似ていて、所々霧が掛かってよく見えないとこもある。館の周りは3メートルぐらいの石の壁で囲われてヒビが入っているとこも少なくない。俺は鉄格子の門の中を覗き込もうとすると門がギギーと嫌な音をさせながら独りでに開いた。入れってことか。敷地の中に入り館に向かうっていると、大きな公園において有りそうな噴水があるが作動はしてない。
「お主、この館に何か用かのぅ?」
その噴水の前に立っている女がババア口調で聞いてきた。腰まで伸ばした銀髪、血の抜けた様に白い肌、つり上がった目の中に紅い瞳がこちらを捉えている。吸い込まそうだ。凛とした声音には冷酷さが滲んでいて耳先がが鋭く尖っている。黒いドレスに身を包み胸の部分を大きく開いているため、見事な白い双丘の谷間が丸見えだ。つまり露出狂か?そして優雅なカーブをウエストから引き締まり過ぎていないお尻。安産型だな。すげー美人だけど冷たい目してるな、二十歳位か。
「あぁ、用っちゃ用だけど」
「どんな用じゃ?」
「冒険しに来た」
「は?なんじゃと?」
何を言ってんだこいつはという感じだな。まぁ確かにそう思われて仕方ないか。
「俺は、冒険者で迷宮に冒険しに来たんだ。後ついでに最近ネルゴンの冒険者がこの死者の森の棺の館に来て行方不明でその原因を知りに来た」
「それでこれからお主が何をするのじゃ?」
「屋敷の中にでも入ろうかと」
「それはダメじゃ」
声のトーンが低くなり睨みがきつくなる。
「何でだ?」
「ここは儂の家じゃ。荒らす事は許さん」
「別に荒らさねぇよ」
「そう言って入った来た奴らは屋敷を荒らしたのじゃ。それがお主のいう冒険者じゃった。おいそれと入らせる訳にいかんのぅ」
なるほど、その荒らした冒険者を懲らしめて他にここに来た奴らも全員やられちまったと。でもこいつどう見ても魔物じゃねぇよな。
「何でこんなとこに住んでんだ?」
「人の里は嫌いじゃ。ここならば静かに暮らせるかのぅ」
「人が嫌いなのか?」
「嫌いじゃ、強欲で卑屈で卑劣で意地汚いのじゃあ奴らは」
「確かに、そうゆう奴らもいるが全員が全員そうとは限らねぇんじゃねぇか?ましてお前も人間だろ?」
「儂は人間では無い。魔物と一部地域ではそう扱われて来たのじゃ」
「俺には人間にしか見えないけど……!もしかしてその姿は仮の姿で本当の姿はものすげー化物だったり?」
「ま、まさか!そんなことはないのじゃ。儂はれっきとした亜人じゃ」
「なんだよ、つまんねぇ~」
期待しちったよ。でも何で亜人を魔物扱いするんだ訳が分かんねぇ。
「つ、つまらんじゃと!お主は儂が化物の方が良かったと言うのか?」
少し悲しい顔をしながら聞いて来る美女。
「んな事言ってないだろ。でも化物だったら喧嘩してたかもな」
「ケンカ?」
「ん?あぁ喧嘩だよ喧嘩。最近暇でよぉ~退屈してたんだよ。それでギルドでこの話を聞いてここまで来たみたいな」
「ほう?では一つ喧嘩をしてみようかのぅ」
ん?殺気が少し出てる?何か俺悪いこと言ったか?
「儂も暇だった所じゃ。退屈しのぎになるかもしれぬ。どうじゃ?」
あれ?俺今喧嘩売られてる?まじか。人に喧嘩売られるの久しぶりだ。
「お主顔に出やすいのぅ。じゃがただ喧嘩するのではつまらん、じゃから賭けをするというのはどうじゃ?」
顔に喧嘩したいと出てたらしい。相当凶悪な笑みだろうな。
「賭け?別にいいけど、何賭けるんだ?」
まぁ喧嘩出来れば何でもいい。
「そうじゃのぅ、負けた方は一生奴隷などどうじゃ?」
「あぁ、それでいいよ」
「即答とは思慮が浅いのか自信家なのか大馬鹿なのか分からんのぅ」
俺は屈伸しながら聞く。
「喧嘩のルールは?」
「そうじゃのぅ、魔法ありの武器あり。勝敗はどちらが先に相手を気絶をさせるかでどうじゃ?」
「おーけ。それでいい」
「またもや即答とは」
「死ぬまでとか言われたら反論しようかと思ったけどまぁ気絶させるならいいか」
「では、始めるかのぅ」
「あ、勝敗のジャッジは自分の宣告でよろしく」
「気絶したら宣告などできるとは思えんがのぅ。まぁ良かろう。戦闘の範囲はこの屋敷の中じゃ」
「了解」
「では参るぞ。よーい始め」
言った刹那、アイツは消えた。
「へ?」
そしてその後直ぐにスケルトンの大群が地面から出てきた。
「ご主人様、これは召喚魔法であります。しかもアンデット種を呼び出すとなるとそれはネクロマンサーと呼ばれる力であります」
「ネクロマンサー、死者を操って従えるって奴だな」
いいじゃねぇか、最高に。敵はざっと百体か。
「来い、雅狼」
呼び声に反応するように影から出てくる黒剣。手に取り構える。見たわす限りに骸骨。棺の館いい名前じゃねぇか。俺の棺になるか、てめぇらの棺になるか勝負だな。「黒血」に身体強化を発動、地面を駆け外套をはためかせながら1体目のスケルトンに剣を凪ぐ手に伝わる骨を砕き斬る感触、そのまま反転し回転の勢いを付け後ろに迫ったスケルトンに横薙ぎ一閃3体を倒す、片手を剣から離し突き出す掌に魔力を集め魔法を繰り出す。
「黒樹木」
黒い枝が無尽蔵に生え10体程巻き込む。手を引き剥がしそのまま前にいる敵の顔面に拳を放つ。
「黒鉄ぇぇぇ」
骨を砕く腕を支点にもう片方にある黒剣を裏拳の要呂で斬る。骨が飛び散り黒い刀身が刃を走らせ敵を両断する、切れ味は衰えず、逆に上がって行くように歓喜を上げる。もっと斬れ、もっと斬れと語りかけてくる、応える様に俺は無心で斬っていく。斬れ思うがままに体の思うがままに止まるな動け、斬れ斬れ斬れ斬れ斬れ斬れ斬れ斬れ。顔に打撃、痛みが走るその痛みに笑みがでる。戦っていると感じられるあの黒い竜とは違い数の重圧、斬っても斬っても終わらない。その時間が俺に取ってのご褒美だ。斬れ斬れ、この時間が続く限り斬り続けろ。
✵
幾度、剣を振っただろうか。。
「はぁ、はぁ、はぁ」
目の前には迫り来る白い拳、半身で躱しそのまま横薙ぎして「黒鉄」で頭蓋を砕く。口の中がカラカラだ飲み物が欲しい。
「久しぶりじゃ、この大群を1人で倒すなど無茶苦茶もいいところじゃ」
終わり?終わっちまったのか俺のご褒美の時間がまだ足りない、足りないねぇんだ。
「かかかか、お主は本当に分かり易いのうあれだけ戦って、至る所に傷を作る度に笑みを浮かべる。狂気の沙汰だな」
「次はお前が相手してくれるのか?」
「かかかか、良かろうてでわ参るぞ」
その刹那俺の顔に衝撃が走る。
「ごばぉ」
わずかな時間の浮遊そして背中に激しい痛みと衝撃、肺の空気が無くなり息が出来ない。体が壁から剥がれ地面に倒れる。まだだ、終わってねぇ。気絶はしてねぇ。呼吸が戻る前に脇腹に打撃が放たれる。
「………っぁ」
息を戻され地面を転がる。
「まだ終わりじゃないだろのぅ」
アイツの声が聞こえる、かなり飛ばされたのだろうかカツカツとハイヒールの音が聞こえる。四肢に力を入れ立ち上がる。
「はぁ、はぁ当たり前だろ。こんな効かねぇよ」
「ほうぅ、ゆうのぉ。いつまでそうやって強がっていられるかのう?」
姿が消える、俺は腕をクロスさせ打撃に備える。だがさっきと同じとこを蹴られ吹っ飛ぶ。動きが見えねぇ。力がもう、ダメだ諦めんな勝ってやるぜってぇだ!立て、立て、立て、立つんだ!
「まだ、立つかしぶといのぉ」
「まぁ、俺の長所だ。ゲフッ」
口から血が噴き出す、舌に鉄の味が広がる。
「もう、楽になった方が利口じゃろうに」
「はっ、楽になる方が頭が良いってんなら俺は馬鹿で良い、てめぇをぶっ飛ばすまで俺はやめねぇ」
「かかかか、お主は馬鹿を通り越して大馬鹿じゃな」
「それでいい」
「死んでもか?」
紅の瞳が冷酷で冷徹な目に変わる。
「俺は、軽く命を賭ける何て言わねぇ、だけどな命の賭けられねぇ喧嘩はつまらねぇ。このギリギリがたまんねぇんだ」
「そうか」
小さく呟き俺に手を突き出す紅い瞳が憂いを持ち俺を見据える。その手の先に水色の光が集まり始める。アイツの周りに空気が冷気に変わって行く。ヤバイあれは魔法じゃねぇか、逃げろ。逃げる?俺が?何の為に?生きる為か?アイツの攻撃がから逃げてどうなるそんなの負けじゃねぇか。逃げねぇ俺は逃げねぇ!
足に力を込めそして俺は手を広げ前に構える。魔力を集め練り発動する。
「黒盾」
目の前に大盾がで作り出される。チャンスは一瞬。アイツの魔力の収集が終わる。来る!
「大馬鹿ものめ。「氷狼の牙」
冷気が氷の狼を顔を形創る人を軽く飲み込める大きさの顔が襲ってくる。俺は影かボードを出し後ろに急スピードで下がる霧が深くもう盾は見えない。そして、急発進した。盾と牙がぶつかり砕け散る。そのん中を走りアイツの顔を見つける。アイツの顔は驚愕に変わり隙が出来る。俺はその顔に拳を突き放つ。
「黒鉄ぇぇぇぇぇ!!」
だが、その驚愕の顔は笑みに変わる。俺の拳を避け腕を掴み遠心力を使い投げ飛ばす。どの位飛んでいただろうか体に衝撃が伝わり激痛が走る。意識が離れかけるボードはさっきの衝撃に耐え切れずにぶっ壊れる。くそっ失敗した。読まれていた。どうすれば良かった何が足りなかった。どうすれば勝てるっ!
『情けないな、我が主にであるにも関わらず弱音を吐くなど』
誰だお前、俺の頭の中で声が聞こえやがる。でもこれは一度経験している。そうあの時だ黒い竜の時声がした気がしたがやっぱりあれは声がしてたのか。
『あの時は情けで助けた。あのまま死なれてもつまらんのでな。それで今回もこの体たらく。またあの力に頼るか?俺は構わないが次はお前の体が壊れるまで破壊をやめんぞ』
どうすればいい俺はどうすれば勝てる。
『力が欲しいなら対価を払え』
対価だと!?
『今のお前ではまだ俺の力を使いこなす事は出来ない。それでもと言うなら対価をよこせ』
俺の右腕をやる。
『分かった。いいだろうだがお前がこれを使える時間は10秒だ。それ以上は精神がもたん体もな。それでいいな?』
あぁ分かった。
『では、行こうか。主よ』
力が溢れる。俺の体に力が戻ったいやもっと満ち溢れて来る。体を黒い靄が覆う。
『10』
俺は駆ける今までにない速度で、変化に驚いているアイツの顔が見える。俺にそんな暇は無い。拳を固め放つがよけられる。
『9』
「なんじゃ、その姿は!」
知るか今の俺はお前にぶん殴る為にあるんだ。俺はアイツの腕を掴み投げ飛ばす。アイツは壁に激突する。それを追いかける。
『8』
拳を固め肘を引き溜める。拳には魔力が集約しエネルギーが充填する。
『7』
「黒鉄ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
アイツの顔面に拳を放とうとするが足がふらつくき狙いが外れ壁に激突、刹那壁が破壊され無くなった。
『6』
クソ外した。アイツはその隙に距離を取り魔力を溜める。
『5』
勝つんだ絶対に勝つんだ!拳を固め魔力を溜めるアイツに近づき拳を突き出そうとするがその前に魔法が炸裂。
「氷玉」
氷の塊が鳩尾に当たり後ろに下げられながらそれを止め砕く。
『4』
時間がねぇ。足に力を溜め一気に解放する。また拳を固め魔力を充填。
『3』
「氷壁『アイスウォール』」
前に氷の壁が出現する。肘を曲げ腕を突き出す。魔力の爆発と繰り出す力が相まって壁は大破、そのままアイツを襲うとするが。アイツがいない!
『2』
周りを見渡す上に跳んでいた。俺はすかざず跳躍、アイツもここまで来たら腹を決めたのだろう。肘を曲げる。俺もそれに倣って肘を曲げる。
『1』
黒い拳と白い拳がぶつかり会う
「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
『0』
二つの力は反発しあい双方に墜落する。やべぇ立たねぇと負けちまう。
『これで契約は終わった。あとはお前次第だ、俺に恥を掛せるなよ』
分かってるつーの。地面から体をお越す。あれほど深かった霧が晴れている。アイツも立ち上があった。それも見て口角があがる。
「はぁはぁはぁ」
一歩ずつ距離を詰める。さっきのダメージはアイツの方が高い。俺はそれよりやばいけどなラスト一発だ。俺はそれに賭ける。
「先程の一撃効いたのぅ。お主が後拳を打てるのは一発だけじゃ。じゃが儂はまだ数発打てるのじゃがどうじゃ、ここで引き際ではだめかのうぅ?さも無いと本当に死ぬぞ?」
「だったらそれまでの奴だっただけってことだ」
「言うのぉ」
ニヤリと笑う目の前にいる敵。お互いが最高の一撃を放つ準備をする。
「お主の名前を聞いておらんかったのぅ?何と言うのじゃ?」
「クロウ・シルバード。お前は?」
「儂は、ルーナ・ブラッドじゃ」
「ルーナか。じゃぁルーナ終結と行こうか」
「かかかか、そうじゃなクロウ」
楽しかった、一番の喧嘩をした。己の力を出し切り戦ったのは初めてかもしれない。これが本当の喧嘩、死合、決闘か。黒の魔力と冷気が至近距離で充填されていく。
「かかかか、中々の眼付の悪さじゃのクロウ?」
「生まれつきだ、気にすんな」
俺とルーナは笑った。そして、拳を突き放った。黒と水色の輝きが空間を埋め尽くす。そして黒のが水色を押し始める。
「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
「くっ、かかかかお主強いのぉ」
「らぁっ」
水色の輝きを黒の闇が飲み込み。俺はルーナの拳を弾き顔面へとぶちかました。黒い拳に殴られたルーナはそのまま壁まで勢いの止まることなく進み壁に激突、土煙が引いた所には顔に笑みを作っていたルーナが意識を絶っていた。
「勝った、俺の、俺の勝ちだ~~~~~~~~~~~~~~」
雄叫びとともに俺の意識はそこで途絶えた。
✵
ここはどこだ?真っ暗じゃねぇか。確かルーナと喧嘩して……。
『無事に勝てたようだな』
『お前は何なんだ?』
『俺か?俺は化物さ、そして封印された。それでお前の中に入れられた、あの小僧にな』
ふっ、と小さく自嘲気味に笑う声。小僧?封印?化物?よくわからん。
『何で俺の中に入ったんだ?』
『知るか。ただ、俺がいるにも関わらず負ける何て許せなかった、それだけだ』
『さっきのは何の力だ』
『お前が何時も使っている魔法の力さ。まぁ、その魔法が普通ではないんだがな。狂化武装と言う』
『狂気武装?』
『そうだ。だがお前のは狂化武装とは言えんな、お粗末すぎる。狂化魔法もだ』
『そうかよ、狂化魔法て言うのか俺の魔法は。その狂化武装は10秒しか使えないのか?』
『あれはお前の限界だ。力も使いこなせておらんしな。戦い方も単調すぎる』
『悪かったな、殴るしか脳が無くて』
『仕方が無い。不甲斐ない主には修行が必要だな』
『分かってるよ。まぁしっかりと修行しますよ』
『甘いな、俺が修行をつけてやる』
は?何を仰ってるのですか?
『どうやって修行を付けるんだ?』
『まぁ、待っていろ。は!』
暗闇が晴れ白い空間が現れる。
『なんじゃこりゃ?』
『ここは意識の中に作った仮想空間だ。ここならどれだけ暴れても構わん』
『ここにはどうやって来れば良いんだよ』
『簡単だ、寝ろ』
『ね、寝ればいいの……?』
『そうだ、まぁ意識をこちらに向ければすぐ来れるようになる。暫くは俺と修行だな』
さいですか。すると俺の前に黒い靄が出始める。そしてそこから人が出てくる。俺と同じくらいの背丈で黒いスーツを身に付けながら切り目のダンディなイケメンが出てきた。
『化物じゃなかったのかよ』
『まぁこの方が何かといいだろ』
確かにその方がいいが。本当のこいつの姿見たかったな。
『では、また会おう主よ』
え?ちょっと待って意識が戻るのえ?俺はこちらでの意識を失った。




