元々人間の半妖は元に戻るのが難しい
「渉は、大きくなったら、神社の跡を継ぐんだよ」
「跡を継ぐ?」
「この神社を守っていくんだよ、核様と一緒に」
「核様??」
「核様は、この神社の守り森にいる、精霊さんだ」
「それって強いの?」
「渉、強い弱いにすぐ反応するな。人間の強さはな、“生き抜く力”だ。強いかどうかじゃない。自分の人生を、どれだけ切り開けるかだ。」
「ん???うん??」
「はは、まだ分からないか、渉には」
じいちゃんは、よく、膝の上に俺を乗せて、色んな話をしていた、話し終わったら、頭を撫でる、これがじいちゃんの、密かな楽しみだったみたいだ
神社の仕事で一息つくと、俺がおやつとお茶を持って
「お疲れ様」と言いに行く。
3歳の頃からの習慣だった。
その時の記憶が、何故か今ふと、脳裏に来る。
「森か!!」
「は?森!?」
「神社の奥の森だよ!」
「だからそこに何があるんだよ、俺は神社に行くことしか、聞かされてねぇ!」
「核様に会いに行けってじいちゃんが!」
朱雀は、渉の焦った顔を見た
朱雀は、天狗の羽をつけて、背中の羽を広げた
渉を担ぐと空を飛んで森の方を目指す
「こっちの方が早えーだろ!」
朱雀が、真正面を見ながら言う
「サンキュー朱雀」
「ワックのセット奢れよな!」
「気が向いたらな!」
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朱雀宅、キッチンのテーブルで
お茶を飲んでいた。
燈は不機嫌そうだったが
みんな一旦冷静になれたみたいだー。
燈「で、何で椿を殺したの?」
冷静を撤回しよう、燈はド直球に、問題をぶち込む
燈「自分の育ての親なのよね?」
白花「逆に聞くけど、燈の母親ってどんな人?」
燈「え?家は普通だと思う、少しコミュ力が高い、おばさんって感じの」
黒輝「俺らの親はさ、その普通、を味わえなかったんだよ、葵陽の両親はどうだ?」
朝顔「うちの親も普通ではないかな、私の力を気味悪がって、朱雀の家に丸投げだし」
烈「お前らの言う、その普通って何だ?そんなに、普通が大事なのか?」
白花「そういう意味じゃないの」
黒輝「ただ、俺たちは人間に戻りたいだけなんだよ、親が妖怪ってありえないだろ……」
烈「母親を殺せば戻れると思ったのか?」
烈は、湯呑みを両手で飲むと、湯呑みに入ってるお茶を見るー。
白花「思ったけど?」
烈「それは、考え方が悪かったな。」
紅月「ビャッカちゃん、ブラキくん、半妖になった人間はね、もう、元には戻れない可能性が高いの。」
黒輝と白花は、互いを見て、下を向く
紅月「でも安心して、神社に精霊がいるって噂があるから、その精霊なら、あなたたちを人間にしてくれるかもしれない。」
白花「精霊??」
黒輝「狐の里に戻れば何かわかると思ったけど、ここで分かるとはな…」
紅月「その精霊を探す前に、あなたたち、里に行きなさい、自分の里が崩壊したのよ?元に戻しなさい」
紅月の目が急に、叱る目に変わる。
双子は、紅月の顔を見た。
黒輝「悲しいわけじゃないのにか?」
白花「そうよ、私達は、母親に【憎しみ】しか抱いてない」
紅月「それでも!よ、いい?人間でも亡くなったらお葬式をする、だから、あなたたちも、同じ事をしなさい、憎くても、手を合わせなさい、母親なんだから、母親の気持ちを理解しなさい」
ブラキとビャッカは真面目な顔をして
一息つくと、一気にお茶を飲み干した。
黒輝「……分かったよ…」
納得して無さそうな顔をして立ち上がるブラキ。
ビヤッカもブラキの後について行く
燈「私も狐の里に行って手伝うよ」
朝顔「!燈はダメ、」
燈「??何で?」
朝顔「ちょっと、ね?」
燈「はぁ??」
朝顔に訳もわからず止められた燈は、ハテナがいっぱい浮かぶ
燈は、スマホで花束を描くと
神気でその花を画面から取り出した
燈「これ、持ってって、椿にお供えしてきて」
燈は、黒輝に花束を渡して
双子を見送った。




