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ダラダラ高校生のVRMMOプレイ録  作者: 乙川せつ
前章

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第9話 現実

本日は20時にもう一話投稿します。

「……行ってくる」


 父の時計を腕に付け、想いに耽る。


「兄さん、行こうか」


「あー、今行く」


 その日、俺たちはいつも通り登校する。俺は普通科の普通コースだが、優也は国立大進学コースに所属しており、テストでもみんなの憧れなのだ。


「あーあ、そろそろ期末テストかぁ」


「兄さんそう思うならゲーム封印したら?」


「それとこれは別なのだよ優也君」


「はいはい」


 他愛のない会話をしていると校舎が見えてきた。すると。


「緒方君」


「うん?」


「あぁ?」


 双子なので無論同じ苗字なため、俺たちは同時に反応する。声の当人は栗色の長髪と同色の瞳を持つ女子生徒。俺にこんな知り合いはいない、つまり――――――。


「椎名さん……どうしたの?」


「ちょっと気になって。緒方君、その人とどういう付き合い?」


「え、付き合い?」


「付き合いつってもな」


「ねー」


 別に隠しているワケでもないのだが、片方が有名だとこういうことになる。

彼女から見ればヤンキーと一緒に登校させられている優等生にでも見えたのか?


「優也と俺は兄弟だよ、双子」


「ふ、双子⁉ に……似て」


「似てないでしょ? よく言われるよ」


「……そう……ごめんなさい。変に早とちりしちゃって」


「いいんだよ椎名さん。兄さんの顔が厳ついのはホントのことだし」


「おいっ……あー。そろそろ行こうぜ、チャイム鳴っちまうよ」


「そうだね」


 朝からそんなことが起きつつ、俺はいつもの日常を過ごす。


「なぁ慎司、俺ってそんな顔厳ついか?」


「大分怖いだろ。何つーの? 眼力というか髪型というか……全部?」


 同じクラスの友人、政岡慎司。バスケ部所属の爽やか野郎だ。優也程ではないにしろ、コイツも相当モテる。本人がそれに気付く感性をしていないのが問題なのだが。


「はぁあ。ったく、なんで兄弟でこうも似てないものかねぇ」


 俺は父寄り、優也は母寄りの顔つきをしていて、二卵性双生児特有のあんまり似てない双子という奴になっている。


「優也くんは確かにイケメンだよな。……そうだ玲真、お前NFの抽選当たってたよな? どうだった? 初プレイは」


「凄かった。まるで現実みたいな臨場感……というか本当の異世界って感じ」


「へー……いいなぁ、俺……はずれちったからなぁ」


「まあまあ、次のチャンスを待てって」


「ちぇー……お、なあアレ見てみろよ」


「あ? ……なんだ、あの人だかり」


 校門前の広場に群がる集団……というより観客。その中心には男子と女子が二人ずつ。


しかもその女子生徒はつい先刻話した、女神様こと椎名さんであった。


「おいおい……公開告白かよ」


「ハッ、どうせ爆死だろ。なんたって――――――あやべっ」


「? どうした?」


「いや、何でもない」


危ない危ない。昨日の晩あれだけ危険性を確認したのにすぐバレたらシャレにならない。親衛隊の害意が優也に向いたりしたら俺が我慢できなくなってしまうからな。


たとえブラコンだと言われようとも、俺は弟を守る。


「でも見ろよ、相手サッカー部のキャプテンだぜ? ワンチャンあるだろ」


「ねーよバーカ」


「バカ言うな!」


「…………あっ、振られたな」


 告った男子生徒は膝をつき、無惨にも放置されていた。打ちひしがれている。


「残酷だな、現実ってやつは」


「ああ。あんなイケメン部長でも振られるんじゃどんな男でも無理……いや優也君ならいけるかもしれないな。文武両道、品行方正のイケメンって死角ないだろ!」


「…………」


 コイツ、妙に勘が良いな。バカは野生本能でものを考えるというのは本当なのか?


ニューワールド・ファンタズムのシステム①

【レベルアップとステータス】。

モンスターを倒すことで得られる経験値はステータスポイントに振り分けられる。基本的にステータス上昇は増えていく一方だが、稀に発生するユニークスキルで減少することがある。


レベルアップは行動によって上昇。そのレベルに相応しいとシステムが判断することで変化し、基本的に時間と努力で変動する。(スランプ等でレベル低下の可能性有り)


プレイヤーが所謂「ゾーン」に入った時、平均的に1~6のレベル上昇が理論上可能。

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