第26話 魔導高校
―――――――都立魔導教育高校。
そこは文字通り未来の魔導士を育て、自国の兵士として育てる場所。
高等学校ではあるが他の普通科高校とはカリキュラムが大きく異なる。魔導士の才能を持つ人間は希少なため、能力を保有しているだけで入学が認められるのだ。
飛びぬけた高い才を有する魔導士は将来、《殲滅級魔導兵器》として軍事力の切り札として管理されることになる。故に、一人たりとも候補生を見逃せない。
しかし、入学すると能力の格で所属するクラスが決められる。
兵器候補生が所属するSクラス、その下にA、B、C、Ⅾと分けられそれぞれが見合ったカリキュラムを受けることになる。
俺は真ん中のBクラス所属で、魔法の腕も才能もそこそこ。
最強と呼ぶには弱すぎるし、最弱とも言えないという中途半端な魔導士だ。
「優也、お前は進路決めたのか?」
「ううん全然。一応Sクラス所属にはなってるけど、僕は大学進学を目指してるから。
今の授業も楽しいんだけど、もっと専門的なことが学びたいんだ。兄さんは?」
「そっか……俺もあんま見えてねぇよ。
ただ、誰かを守れるようになりたいとは思ってる。もちろん兵士になるんじゃなくて、誰かを助ける魔導士になりたい」
「特殊警察とか医療魔導士とかあるしね。まあ僕たちは二年生なんだからそろそろ決めないとね」
「あー、そうだな」
屋上にて兄弟水入らずで昼食をとっている。
会話にも出てきたが、優也はSクラスの生徒だ。ホント、どうして兄弟でここまで違うかな。
魔法の才能も勉強の結果も、全部弟に負けている。
勝っているのは……腕っぷしとか実戦くらいかな。
「兄さんは実戦最強なんだから、もう少し自信持ってよ」
「つっても俺の魔法は戦い以外に使えないからな。それに《コレ》以外の魔法を使うのは苦手だしさぁ」
魔法にも色々ある。
人を攻撃する魔法、人を癒す魔法、生活を便利にする魔法……その中でも俺は人を攻撃する魔法が得意だ。というかそれしか出来ない。
普通、魔法は学んで習得するものだ。
だが俺はいくら学習してもいくら教えられても他の魔法を使用することは出来なかった。
兵器として優秀な魔法だから、それだけでBクラスにいるだけ。ただそれだけの一般生徒だ。
俺の魔法は対軍魔法。つまり一対多数の状況を引っくり返すことができるものだ。
軍事魔法としては優秀なのだが、如何せん普段日常的に使えるものではないため俺はあまり好きではない。
「父さんも言ってたよ。『お前の人生は、お前が決めろ』って」
「親父はそう言うだろうな。……そろそろ昼休み終わるぞ」
「そうだね。じゃ、僕次実技だから」
「おー、またな」
次の授業は実戦授業。
魔法の性能を見る試験である実技とは異なり、実戦形式の真剣勝負。
俺が一番得意な授業だ。




