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所長と副所長でひと狩いこうぜ

あれから副所長・刹那は、所長・天津を連れて自宅でモン○○をすることになった。


(ああ、どうしてこうなったんだろう……)


隣を見ると、天津の長い黒髪が、まるで意思を持つかのように触手めいてうねっている。


「私を家にいれることを後悔してるのーん?」


またしても心を見透かされ、刹那の背にじわりと汗がにじんだ。


「……いえ、そんなことはありませんよ」


「なら、手をつないでもいいの?」


「ええ、どうぞ」


反射的に頷いてしまい、言った直後に後悔する。


(いきよいあまって……はい、て返事しちゃった)


天津の左手が、そっと右手に重なる。じんわりとした温もりが伝わった、その瞬間――エレベーターの扉が開いた。


「セツセツ、エレベーター開いたーんゆ。早く家に誘拐するのーね」


「分かりました。天津所長!それでは……家に案内しますね」


寝室へと案内した刹那は、ふと足を止める。


「天津所長、実は家にあるVR装置は一つだけなんです」


「問題ないねん、髪の毛の中にしまっているねーん」


「……はい?」


次の瞬間、天津の黒髪がぬるりとうねり――


するりと、VR装置が現れた。


「…………」


あまりにも異様な光景に、刹那は口をぽかんと開けたまま固まる。


(今、何が起きたの……?)


「さ、さすがです、天津所長」


「私は天才なーん。そうゆうこともそうていずみぬーん」


(“想定済み”の範囲が広すぎる……)


次の瞬間、視界は切り替わる。



岩肌に包まれた部屋。粗く削られた石壁に穿たれた丸窓から、やわらかな光と緑が差し込む。洞窟のようでありながら、どこか温かみのある空間だった。


木と自然素材の家具。整然と並ぶ道具。中央には円卓。


そこに、二人の狩人が座っている。


「天津所長、どうしますか?」


「昨日の話を聞いたかぎりでは武器屋で装備を購入するのがいいねん」


大和からの攻略情報だ。


「ライトボウガンと言う遠距離武器で、段差の上から攻撃するのが一つの回答なう」


「さすが、天津所長、天才ですね!」


「その通りねーん。えっへんタコふにゃぐにゃ」


机に顎をのせる天津。その姿に、刹那は思わず目を細める。


(この小動物、ペットにできないかしら)


――危険な思考を振り払う。


「それでは、工房に向かいましょう」


工房。布の屋根の下、洞窟のような空間に黄緑の衣装のおばちゃんがいる。

そのおばちゃんの背は低い。


「みない顔だね、新入りか?」


「あ、そうです。二人とも新入りです」


「そうか、なら武器を買っていきな」


刹那の背に隠れる天津。


「ふ、ライトボウガン二つ買うよーん」


購入後、クエストを受注し、密林へと転送される。


滝の轟音。湿った空気。水の粒子が肌にまとわりつく。


(あいかわらず、空気がおいしいわね)


「今からこれで猪を狩るなー……タコピッピ」


しゃがみ込み、武器を眺めてニヤつく天津。


「それでは、行きますか?」


「うーぬ」


合図と同時に発砲。


「パシャ、パシャ」


ブルファンゴが一匹、崩れ落ちる。


誘導作戦へ移行。


「私が群れを誘導します。天津所長は高台へ」


「うーむ」


エリア4。そこには十匹ほどの群れ。


(何発か撃てば来るよね……)


発砲。


「ブご!」


一斉にこちらを向く猪たち。


「ドドドド……!」


(来た……!)


刹那は走る。エリア3へ。


高台、配置完了。


「刹那、もう撃ってもいいなう?」


「はい。中央の個体から狙いましょう」


「了解なーお」


「パシャリ、パシャリ」


(棒立ち……狙いやすい)


だが――


(硬い……!)


「まだ〇にませんね」


「この武器よわすぎなのーね」


それでも撃ち続ける。


やがて――


「やっと討伐できたのー」


「お疲れ様でした」


クエストクリア。

その後、採掘やら、ケルビ狩りをして、素材を集めをした。


二人は、赤々と燃える火窯のある工房へと足を運んでいた。炉から立ちのぼる熱気が空気を揺らし、金属を打つ甲高い音が絶え間なく響いている。ここは、狩人たちの命を預ける武器が生まれる場所だった。


銀色のプレートアーマーを基調に、胸部には赤茶の革防具。毛皮付きの腰当てと分割装甲により、防御と機動性を両立したハンターメイル防具。


刹那は剣士用の兜。天津はガンナー用で、寒冷地仕様の帽子と巨大な左腕アーム。


「セツセツ、、ふふふ、新しい装備はどうなうか?」


「とても似合ってます。かっこいいと思います」


「そうかそうか、ありがとなう」


天津はうつむき、にこにこと笑う。


「それそろ、天津じゃなくて、あまちゃんて呼んで欲しいな」


(……かわいい)


「分かりました。天ちゃん」


「そうよばれてうれしなーん」


再び手を握られる。


(なんだかよくない感情が……ダメよ私!絶対にダメ!)


理性と本能のせめぎ合いの中――


刹那は静かに、自分を律するのだった。



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