36.閉話 神様と小さな魂
神様は、まんまるで完璧。
完璧だから孤独なんて感じない。
なんでも出来るよね。
ひとつの「個」として、それだけで完成しているから。
みんなそう言ったし、私もそう思っていた。
でも。
昔々、君はこんなに小さいのに、私に言ってくれたんだ。
神様はひとのお願いを聞いてばかりだね。
神様のお願いは誰が聞くの?
神様には、誰が優しくするの?
神様は一人でいなきゃいけないの?
ここにいる間くらい、一緒にお話ししよう?
そんなこと、言われたことはなかった。
この小さな魂は、優しい。
とても優しい。
でも、こんなに小さな魂だから、ちゃんと見ていないと、いつか見失ってしまうかもしれない。
それは、嫌だと思った。
私は神様なのに。
公平でいなければならないのに。
……それでも、不公平でもいいかな。
だって、この魂はもう、とっくに不公平な目に遭っているのだから。
だから、決めた。
こんなに優しい魂を、私はちゃんと見守っていよう。
ずっと、見失わないように。
そして、気をつけなさいと伝えて、記憶を残したまま君を送り出した。
ふたりを知ってしまうと、ひとりは寂しいものだね。
君が教えてくれたもののひとつだ。
だから、たまには、君のところへ話しに行ってもいいかな。
今世の君は、しあわせそうだ。
私は、それがとってもうれしいよ。




