表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 夏目洋介
4/6

第四話 金と愛とのつながりの間

 その後もユウタは私を一週間に2、3回は指名してくれて私たちは度々会った。最初以来ホテルにはいかず、二人で映画を見たり、ゲームセンターに行ったり、普通のカップルみたいに過ごすことが多くなった。違うといえば別れる最後に必ず、ユウタがお金をくれることだった。 何回か会ったある別れ際に、ユウタは、

 「ねぇ、いくら払えば他の男の人とは援助をやめてくれる?」

唐突に聞かれ、私は冗談のつもりで、

 「う〜ん・・・100万かな?ほらっ私、売れっ子だし。」

軽く答えるとユウタは一言わかったと言って去っていった。

 なんかまずい事言ったかなと思いつつも特に気にせずに家に帰った。

 

 驚いたのは次に合う時だった。白いテープでくくられた札束が一つ、ユウタの手から渡されたのだった。

 「はい、これで手を切った。」

 飛び切りの笑顔で私を見つめる彼に、私は何も言えず、ただうなずくしかなかった。あぁ、本当の王子様がここに現れたんだ。その時は本気で私はそう思ったのだった。



 大金をもらった翌日、王子様に会った嬉しさのあまり、サチにこの話をした。普段からユウタとここに行った、この映画を見たなどたわいもない私の話を聞いてくれたサチに、ぜひ王子様に会った幸せを伝えようと話をすると、サチは私の思っていた顔をしてくれなかった。

 「本当に・・・そんな大金もらったの?」

珍しくまじめな顔をするサチに戸惑いながら、

 「えっ?だって王子様だよ?私、王子様に出会ったんだよ。」

手を振りながら嬉々と話をする私に対して、サチは、

 「ばかっ」

と大声で叫んだと同時に私の左頬に痛みが走った。サチがぶったのだ。思わぬことに驚きと戸惑いを隠せず私はジンジンとする左頬を押さえながらサチを見ると、サチは・・・泣いていた。そして真実を語り始めた。

 「・・・ユウタはねぇ、お金持ちなんかじゃないんだよ。」

 「えっ」

目を丸くしてサチを見る。

 それから、サチとユウタの出会った時の話を始めた。



 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ