閑話六 綺麗な雪ですよ! 雪!
「うーん……これって21を超えたら飛ぶんですよね」
「そうですね」
「そうですよねー」
カードを手に持って少し頭を使っていた。
手元のカードの合計は16だ。
5が来たら勝てるのだが……。
「スタンドでお願いします」
バーストの恐怖に負けてしまった。
いや、しかしまだ勝てる可能性は十分にあるのだ。
……勝ってくれー。
カードが公開される。
……負けた。
うーん、やっぱりヒットするべきだったか。
「いやあ、難しいですね、これは」
どうにもやることがなくカードゲームを小隊員と興じていた。
今のところは殆ど勝てていない。
……何かいかさまでもやられていないだろうか。
いや、まああり得ないだろう。
酔っぱらった彼らがそんな高度なことができると思えない。
……するとこれが実力なのか。
「皆さん強すぎですよ。どうやってるんです?」
「酒ですよ、酒。考えちゃダメなんすよ」
「お酒ですか……。ええー、それは嫌ですよ。皆さん強いお酒が好きじゃないですか」
以前、この小隊に配属されたときに一緒にお酒を飲む機会はあった。
あったのだが彼らは強い酒をペースを考えずに飲むのだ。
ただでさえ苦手な私はげーっと吐いてしまった。
「ああー、もうこんな時間ですか。失礼しますね」
「お疲れ様でーす」
「はい、皆さんお疲れさまでした」
少しばかり歩いた。
冬のバトルはとても寒い。
ただ降る雪はヤウザで見るものと変わらず、やっぱり綺麗なものだ。
ふう、と息を吐けば白い靄が出てきた。
ふふ、と笑ったのは私である。
快い気分だった。
……笑わないでほしいよ。
ほら、気持ちの良い夜ですもの。
記憶の彼はあたふたした。
可愛らしいものである。
……生活を想像したことがある。
拙いながら生活だ。
もっと普通な……。こういうと分からないが、もっと遠いところにいる想像だ。
それは何か良いことなのかもしれない。
所謂平凡な、普通な生活なのだろう。
しかし、想像は出来ないものだ。
お母さんというのはあの人だ。春を売ることしか知らないあの人しか知らない。
お父さんは知らない。そもそもどんな人なのだろうか?
今を変えたいとは思わない。
これは多くを望んでない質素さではない。
十分幸せだと思うからだ。
……昔から言っているだろうに。
憐れまないでほしいな。
君の幸せはきっと、君だけの幸せだ。
私の幸せが君に理解が出来ないようにね。
だから、君は君で私は私なんだ。
そんな悲しい声をかけないでほしいな。
結局は運と視点だ。
それらによって不確定なままに、確定するんだよ。
もし確実、絶対的なものがあるとしたら知らないことだけですよ、きっとね。
「あっ、川が凍ってる。今朝はどうだったかな……」
ほら記憶も薄らいでしまうものだからね。
閑話を含めこれで三章は終了です。
ありがとうございました!
第四章をお待ちください。




