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内務局員アンナはお掃除をがんばります!  作者: 朝日 橋立
三章め 西方方面軍ですよ!
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二十三話め 憲兵隊です!

 書類に名前を書いて上に送ったり、下に送ったり……そんな繰り返しの生活にも飽き飽きとしてきた。

 慣れ過ぎた。忙しさも一段落して、今や平和も平和である。


 部下との交友を深める時間でさえ十分すぎる。

 時折カードゲームなんかをやっているが、少し私の権威というものが失われてきたようにさえ思う。

 これはいかん、と何か教育をしようものにも、その指導内容すら思いつかない。


 さて、次の書類に手をのばして内容を読み込む。

 ……これは以前に駐屯地に侵入した少年についてだ。


「あっ」


 これが成功するとは思わなかった。

 小エビでマグロを釣り上げたようなものだ。

 もう別のことを考えようかと悩んでいたところであるが、これは全く幸いである。


「えーと、憲兵隊の内線は……」


 メモを開きつつも内務局への報告も考える。

 これは掃討できたとは言えないが、それなりに潰せるだろう。

 また昇進するかもしれない。いえい。


 うーん、何人か捕まえて拷問かな……。

 あんまり得意じゃないのだけどね。

 頑張っちゃいますかね。




 *




「なるほどです」


 報告書をパラパラとめくった。

 尋問の計画書を出したら、ぱっと却下されて憲兵隊側に仕事が移ってしまった。

 これは果たして私の成果になるのだろうか……。


 内務局の方からも怒られるかもしれないが、もとはと言えばこれは業務の越権だ。

 あれは国内で、こっちはまだ領土の確定していない紛争地域。

 怒られたら甘んじて受け入れるしかないが、私も文句だって言いたい。


「幸か不幸か……。結局のところあの子は罪を犯してしまいましたか……」


 彼に対して愛着もなければ、そして残念がる必要もない。

 けれど命を無駄にするのは全く分からないし、逃がしてやった恩がこう帰ってくるのも不思議な気持ちだ。

 煽ったことも要因としてあろうが……。


「はあ、とりあえず色々と練り直さないと。えーと、これは早急に対応しないとな。駐屯地に襲撃をしたところで現状は変わらないのにな」


 色々と考えつつも読み進める。

 興味深いことがあるとすれば、度々出てくる部隊だろうか。

 第十一義勇機甲旅団。どうやら外国勢力と繋がっていたらしい。

 なるほど、これが補給を潰していたのか。


 ……にしても不思議だ。

 一体旅団規模で何ができるというのだろうか……。

 それに、どうしてこっちはこれを撃滅しきれていないのか。

 そもそもなぜ前線は抜かれているのか……。


 全く前線には不満ばかり浮かぶが、しかしいくら文句を言っても後方勤務の身分だ。

 下手なことを言うのは失礼というものだろう。


 ……だとしても、抜かれた機甲部隊の対策はしてほしいものだ。

 前線から離れているとはいえここも大集積地。


 いや、まあ嫌な妄想はやめよう。

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