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詩全集4

原点回帰

作者: 那須茄子
掲載日:2026/03/29

いつからだろう

胸の奥にあったはずの灯りが

雪の粉みたいに

静かに散っていったのは


拾い集めようとしても

指先からこぼれ落ちて

名前も形も思い出せないまま

ただ白い息だけが残った




それでも歩いてきた

削れた紙粉の道を

何度も沈みながら

何度も立ち上がりながら


あの日の海も

あの日の君の声も

もう輪郭は曖昧で

触れようとすると遠ざかるけれど


それでも

僕はまだここにいる


壊れたリズムに飲まれた夜も

無になりたくて眠れなかった朝も

従順なふりで誤魔化した日々も

全部ぜんぶ

僕の中に積もっている


だからこそ

一度戻ってみようと思ったんだ

始まりの場所へ

まだ何者でもなかった頃の

震えるような鼓動のそばへ


あのときの僕は

確かに言っていた

「何にでもなれる」と

「なりたい自分でいたい」と

小さな声で

でも確かに


その声を

もう一度拾い上げる


雪の下でまだ温かい

かすかな光を

そっと手のひらに乗せて


ここからまた歩き出す

季節がひっくり返っても

記憶が霞んでも

何度でも

僕は僕へと帰っていく


これが

僕の原点回帰だ

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