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18話 形状など確認して貰うといいわ

「今日はこの位にしておくわ。貴女も満身創痍っぽいし」


 リリファさんのベッドで寝転がりながら私はしばらくのんびりしていた。

 指を色々されただけなのに足腰が立たない位にカクカクしてる。

 

「少し飛ばしすぎたかしら。一週間前、奴隷になったばかりの貴女に、突然に心得を教えても混乱するばかりかしら?」


 ……もうちょっと始めのほうで気遣ってほしかった。

 いくら体毛に覆われているとはいえ、やっぱりこんな格好じゃ。

 クシュン。

 

「寒いの?」


 少し身体が冷えてきたよう。そりゃまあ、フンドシしか着てないし。

 季節は冬だよ。部屋でストーブ焚いてるとはいえ、やっぱり寒い。なんでリリファさんは平気なんだろう。私みたいに毛皮を纏ってないのに。もしかして冷水耐性がすごく高いのかな。

 

【冷水耐性スキルがLVUPしました!】


 とか考えてたら私のが強化されちゃった、今までろくに戦闘とかしてないのに耐性スキルがやたら強化されちゃう。私の毛皮って寒冷地仕様?

 

「紅茶でも飲んで、温まって」


 廊下の向こうから紅茶とクッキーを乗せたお盆がフワフワやってくる。

 魔法なのかな。音を立てずフワリとテーブルに着地した。

 

 とっても上品な動作だけどリリファさんはまだ下着姿。床に跪いてカップに紅茶を注ぐ姿はとても優雅なんだけど、同時に男性を誘うような艶めかしさも帯びてる。

 

「ランキス様の許可は頂いているから遠慮なく飲みなさい」


 もう性的トレーニングの時間は終了したってことでいいのかな。なんだか服を着るタイミングを逃してしまったんだけど。

 あっでもこの紅茶美味しい。

 

 落ち着いてからポツリポツリとリリファさんの家に訪れた訳を喋ってみた。

 喧嘩したのはお兄様が人を殺したから。襲われてたんだから正当防衛。解かってる、解かってるんだけど。

 

「貴女も、貴女の御主人様も、優しい性格をされている。けどそれは奴隷である貴女には必要のない要素」


 リリファさんからはそう告げられた。

 

 ……。

 

 どう返事をしていいか解からないまま数秒が経つ。そして10秒。もうすぐ1分近くになる。私の悪癖。会話の途中なのに黙ってしまう。

 

「貴女達は、腹違いの兄妹なのね」


 話題を変えたかったのかリリファさんはそんな疑問を投げかけてくる。

 どう答えればいいんだろう、見た目は種族そのものが違うだろうし。異世界や転生がどうこうって言っても解からないだろうな。

 

「気を悪くしたなら御免なさい」


 私がボーっとしてたら謝られちゃった。

 何気ない会話って久しぶりだから、場の空気ってイマイチ不明だ。

 

 私もずっと不登校だったから。同年代の友達なんかいないし、ましてや会話なんてハードル高過ぎる。

 そうだな。私は世間を知らないから、リリファさんが知ってる色々な事を教えて欲しい。

 

「もちろん私の知ってることならなんでも。ただ私の知識は、性的なのに偏っているけど、それでもいいなら」


 デスヨネー。まあ想像はついてたけど。

 ちょっと色々と質問ぶつけてみた。例えばお金とか常識とか色々。

 

 通貨の単位はティル。1ティルは1円、銅貨1枚で100ティル、銀貨1枚で10000ティル、金貨1枚で1000000ティル。

 今日のお昼に服でも買っておいでって、ポンと渡してくれたのが金貨20枚。買い物のときにお兄様は二千万円もの大金を持たせてくれた計算になる。

 

 それから大陸には他にどんな国があるかだとかも色々聞いてみた。

 

「ところで貴女はどれだけ食べれば気が済むの」


 口の中にはクッキーが入ってる。

 クッキーの皿はもうすでに空っぽ。いつの間に平らげちゃったんだろ。もうちょっと遠慮しないと。

 

 って誓ってるにも係わらず手が皿に伸びてしまう、意地汚く何度も。

 失礼だったかな、気をつけないと。なんて思った傍からまた手が無意識に伸びてしまった。

 

 自分でも恥ずかしいと思ってるけど止められない。それどころか指摘までされてしまった。

 獣人になってからどうも燃費が悪くなった気がする。食べても食べてもお腹一杯にならない。

 

 リリファさんはさっきまでの痴態が信じられないほど、優雅に紅茶を飲んでる。私とは正反対。

 

「欲しいなら貴女の御主人様から貰えば、……いえ、訂正するわ。貴女の御主人様の、白くて苦い栄養剤で慰めて貰いなさい」


 訂正して悪化しちゃった。リリファさんはぶれないなあ。きっとこれが奴隷として当然の考え方なんだろうな。

 折角だしお兄様には聞きづらい質問とかしよう。

 

 この世界に来てからずっとお通じが来ない。これも獣人の特徴なのかな。

 

「それは単に便秘」


 ……獣人にも便秘とかあるんだ。

 

「便秘が気になるの。じゃあ抱くわね」


 いちいち言葉が艶めかしいなあ。

 後ろからギュッと抱きしめてきた。背中にリリファさんの小さな2つの膨らみを感じる。

 

 まさか性的な意味で第2ラウンドが始まるの、ちょっと勘弁してほしいんだけど。

 リリファさんの温かい小さな手が、私のお腹を軽く押す。

 

「硬い便があるわ。御主人様にお願いして、乳やヨーグルトなど便が柔らかくなる食事を出して貰いなさい」


 ついでにトイレに付き添って、形状など確認して貰うといいわ、なんて言われたけど。

 お兄様に、排泄する姿を見られるのは恥ずかしいのレベルを超えてる気がする。

 

「そうね。御主人様の手を煩わせるなんて本来なら言語道断」


 そういう意味じゃなくてね。ふつう排泄物を見せるとかありえないから。

 

「でも便秘だと肌が荒れる。貴女の自慢の毛並みも悪くなるわ。奴隷としての本分を果たさないのは大問題よ」


 毛並みが悪くなるのかな。

 まだ自分が獣人だって自覚はちゃんとないけど、とりあえず体調管理はしっかりしないと駄目だろうな。

 

「貴女の体調不良は間違いなくストレスが原因でしょうね。あなたがいた奴隷商はとにかく劣悪な環境で有名なの。でも大丈夫、ラズウェル様の下にいれば安全よ」


 安全、かなあ。

 お兄様との入浴で毎日いろいろまさぐられたり、その他色々されたりしたのが原因なんだけど。

 

 ぜったい言わぬが花だろうな。第2ラウンドが始まりかねない。奴隷はハードなお仕事なのは身をもって体験したから。

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