57 ぷるんぷるん
ぷるるんっとした魅惑のボディを持った、あの子の話。
僕の名前はソラ、森の掃除屋って呼ばれてるスライムなんだ。
僕の主様はとっても優しくて強い気を持った人。近くに居ると安心するんだけど……
朝起きたら主様がいない…………一大事だ
主様を探して出会ったのは毛皮が綺麗な黒い彼
「お、ソラじゃねぇか。こんなとこで何してんだ?
ほれ、これやるよ。嬢ちゃんの新作スウィーツだ」
彼の名前はガッツさん、いつも僕に甘いものをくれるんだ。
主様のお菓子が大好きみたいで主様のスウィーツを食べると号泣したりポーズ決めたり忙しそう。
僕も主様が作ってくれるお菓子も料理も大好き、とっても美味しいんだよ
「ガッツ様! 私の作ったお菓子も食べてくださいませ!」
ガッツさんにお菓子を差し出した彼女はアイリーンさん、ガッツさんが大好きなんっだって。
主様がお似合いだって言ってた、指輪がいずれ必要になるとかどうとか言ってたよ
アイリーンさんと出会ったのは人間国、ゴムパンがすっっごく不味かった記憶が一番強い。
「あらソラさん、五十鈴様をお探しなのですか?
たしか、訓練所に行きましたわよ」
「○」
主様の居場所を知れた、ありがとうアイリーンさん
次に向かうのは訓練所、なんか熱気を感じる。
体がちょっと溶けた……
「片手で大根握り潰せるまでやれよ」
「女性騎士団の方々は全員出来て合格でしたからね」
「「「はい! 銀月さん、黒桜さん!」」」
主様の弟子になった人達、何人か着いてきたんだけど大根握りをさせれられてる。
僕も大根握り潰せるよ、主様みたいにはまだ潰せないけど
「ん? ソラじゃないか」
「そうですソラ、人間国でゴブリンの動きを止めたと聞きましたよ。
主がとても嬉しそうにお話しなさっていました。頑張りましたね」
ぽむぽむ僕の頭を撫でる黒桜さん
あのゴブリン素早かったなって、思い出しちゃう。
主様の助けになりたくて頑張ったら出来たんだよ、もっと色々出来るようにならないと!
銀月さんと黒桜さんは主様大好きだから負けてられない
「もしかして、主様を探してるのか?」
「○」
「主ならば厨に行くと言っていましたよ」
また何か作ってるのかな?
うーんっと思いながら厨に近づくとなんか独特の香り……
僕この香り知ってる
「あら、ソラさん。厨に何か御用ですか?」
「主様と一緒じゃないなんて珍しいですね」
火花さんと雪音さん何を作って……ブルルルルルッ
わわ、体が勝手に震えるっ
「ソラさん、これを知ってるんですね……」
アリスさんが顔を青ざめながらコソコソって話しかけてきた。
知ってるも何も食べたことがある物だよ、これ
「練習してるみたいなんですけど、なぜか上手に作れないみたいで……」
なんでだろうね? 主様も頭を抱えてたよ。
アリスは上手に作れるのかな?
「あ、ソラさん。私が作った玉子焼き食べてみますか? けっこう自信作なんですよ」
差し出された玉子焼きは綺麗な黄色! 綺麗に巻かれてて美味しそう。
いただきまーす!
ん! 美味しい、ほんのり甘くてふわふわしてる。主様の玉子焼きに似た味だ!
「◎」
「よかった、先程五十鈴様に教えてもらったんです。」
だから主様の玉子焼きに似た味なんだ。
「もしかして五十鈴様を探してるんですか?
確か経理課に行くと言ってましたから、コンさん達の所に居ると思いますよ?」
本当? ありがとうアリス。あの玉子焼きの試食をさせられたら困るからもう行くね
主様はコンさん達のこと大好きだからなぁ、いっつもふわふわモフモフって言ってる。
僕もモフモフほしいなぁ、そしたらもっと撫でてくれるのかな?
そろぉっと経理課を覗いてみるけど、主様はいない。残念
「ソラはんやないの」
「兄さん、五十鈴様を探しに来たんじゃないかな」
当たりだよスナさん。
この二人は計算がすっごく得意なんだって、二人とも主様を信頼してて仲が良いんだ。
コンさんは特に主様が大事って感じる、僕も大好きで大事だから同じだね
「五十鈴はんならドルガドはんに用があるって言ってたで」
主様になかなか会えない、ちょっと寂しくなってきた。
次は会えるかなぁ
トンカントンカン音がする、ドワーフ国に行くときはまだ主様に出会ってなかったんだよね……。
ゴーレム無双武勇伝って言われてる出来事、見てみたかったなぁ。
「あぶねぇぞ、ソラ。怪我するから離れてろ」
桜国では刀を作ってる。主様が鬼神族には刀の方が使いやすいだろうってドルガドさん達と色々相談してたみたい。
ドルガドさん達は主様の事を恩人だって言ってる。主様は違うって否定してたけど、皆主様と一緒に居ると楽しそうだからやっぱり主様は凄い
「よし、出来たな。ソラ、嬢ちゃんならロロ坊の所に行くって言ってたぞ。
温泉の方に向かってたから、そっちに行ってみな」
「○」
ロロの所かぁ、ロロはエルフだけど苦手じゃない。
他のエルフって、僕達スライムを獲物みたいに見るんだもん。
怖いよ、息づかいあらいしね。身の危険を感じるんだ
あ、ロロ発見!
「……ソラ?」
頭の上に乗ってみたけど、驚いてない。
ロロとの出会いは印象的、主様とロロが家族になったんだ。
ロロはダークエルフになってから、たどたどしい喋り方だけど。
主様は、そこが可愛くて良いって言ってた。
「ソラ、どうした、の?」
頭にのせたままなのに聞いてくるんだねロロ。
ロロの髪の毛を軽く引っ張ってみる
「うん? 五十鈴、探してる、の?」
「○」
髪の毛を引っ張っただけなのに通じた。不思議
「五十鈴、なら。部屋に、戻ったよ?」
え……部屋から主様を探すために出たのに。
「このまま、行く?」
「○」
僕を頭に乗せたまま歩きだしたロロ。
主様のフードに早く入りたいなぁ。
あそこが一番落ち着く……
ロロはてくてくと主様の部屋まで行ってくれた。
「あれ? 五十鈴、いない。」
ベチョリ
あまりのショックに床に落ちちゃった……。
目が覚めてから主様の会えてない、主様に名前を呼ばれてない
目の前がぼやけ出したら、ふわっと体が浮いた
「ソラ」
この声……
「お昼寝にお散歩、疲れちゃいましたか?」
僕に優しくて笑いかける主様の姿!
「うぶっ」
お顔に抱き付いた僕は悪くないもん
「五十鈴の事、ずっと、探してた、みたい」
「ソラが?」
「うん」
「気持ちよく寝てたみたいだから部屋に一人にしちゃったんですけど……。
今度からお昼寝はフードの中にしますか? トイレの時は脱ぎますし、動くから寝にくいかと思いますけど」
それがいい! ずっと主様と一緒!
そうだよ、お昼寝も主様のフードにいればよかったんだ
「おっと、決まりみたいですね」
「すっぽり、だね」
やっぱり主様の側が一番落ち着く
「そうだロロ、そろそろおやつにチョコフォンデュが出ますよチョコフォンデュ」
「ちょこ、ふぉん?」
「皆で楽しく食べようと思いまして
ドルガドとガッツにチョコフォンデュ用のファウンテンつくってもらってるんです。
山から滝です、とてつもなく楽しみでしかたありません。
出来上がるまでもう少しかかるみたいですから、氷宝国から帰ってきたら食べられると思います
今度チーズを手に入れたら、チーズフォンデュもしましょう」
「おい、しい?」
「もちろんです」
主様の声を聞いてたら眠くなってきちゃった……
美味しそうなお話しも聞いてたいけど、主様の背中って暖かいから……
「ソラもきっと楽しめま……あれ?」
「寝てる、ね」
「やっぱりそうですね、背中が静かだと思いました。
でもやっぱり、ソラがフードにいないと違和感があって仕方ないです」
「重み?」
「当たりです。それにしてもぐっすりですね」
「ずっと、歩き回ってた、みたい、だから」
ぐっすり眠るソラに二人は、ふっと小さく笑う。
「「おやすみ、ソラ」」




