アジと、山盛りのニバラの葉。
小さい海の中を覗いてみると、深さは到底解らないけれど、底が見えない時点でずいぶんな深さがあるのは理解出来た。横幅は元の大きさのルビーがすっぽりと入りそうな感じ。さて、どうやって泳ぎ回る食材を捕るか……。
『小さいのならぼく捕れるよ!』
エンリルが水面のアジのような魚を器用に咥えて獲っている。アジだけじゃ味気ないよねぇ。アジだけに……。
『(……。我が潜ろう。あまり得意ではないのだが)』
火属性なのに大丈夫なの? 濡れたら力が出ないとかそういうのは……。
『(濡れても力が出ないことはない。ただ身体が重くなるのが好きではないし、水の中の戦闘が苦手なだけだ)』
お魚を捕まえるだけならお手の物って事かな。
【ルビー様、私も海の中へ行ってみたいです】
スミちゃんが目をきらきらさせて、ルビーの傍へ寄る。
【水浴びくらいでしかお水に触れた事がなく、こんなたっぷりのお水の中に入ってみたいのです】
『(そうだろうな。一人では沈んで終わってしまうからな。いいだろう、共に行こう)』
沈んで終わってしまうって……そんなダイレクトに……。
スミちゃんがルビーの首元に短い手足でがっちりとしがみついて、準備オッケー。
『(では行ってくる)』
よろしくお願いします! 美味しいお魚待ってるからねー!
………………………………
さぁて、エンリル! 二人がお魚を捕りに行ってくれている間に食べられる葉っぱがないか探すよっ。
『はーい!』
小海の周りには葉っぱがいっぱい生えていて、エンリルが匂いを嗅いで歩きまわっているのを後ろからついていく。
「皆が食べられる葉っぱを探すんだよー」
『これ! いい匂いする!』
どれどれ。あ、本当だ。ニラみたいな匂いがするね。見た目は芝生の芝みたいなんだけれど。
「鑑定してみよっか」
“種類︙ニバラの葉。そのままでも食べる事が出来る。花には甘い蜜がたまる”
生でも食べられるんだ。味見してみよう……。ん? しゃりしゃりしていて美味しいな! ニラの匂いはしていたけれど、味はキャベツに似てる。これはサラダにしよう!
『美味しいねー!』
私が葉っぱを摘んでいる横でもしゃもしゃと食べ進むエンリル。ちょ、エンリルも摘んでよ!
二人で黙々と手持ちのボウルに山盛り摘んだ。これだけあれば皆で食べるくらいあるでしょう。
ルビー達が帰ってくるまでに、更にエンリルにアジを獲ってもらって下拵えを済ませておいた。




