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至極当然。





 ひとしきり話をして、疲れたのかミュゼさんはうとうとし始めてしまった。だいぶ日も暮れて来たから、枝の陰に葉っぱを集めて敷き詰め、野営出来るように皆で支度した。



 エンリルとスミちゃんは隅っこの方で楽しそうにじゃれあっている。ルビーは何となく、難しい顔をして、私達を眺めている。



「さて、晩メシは何にするかな」



 マシュさんが辺りを見渡してぽつりと呟く。



「食事の担当はマシュなんですよ。こう見えてとっても料理が上手なんです」



 料理上手な男の人ってポイント高いぞ。一体どんな料理を作るんだろう。



「何か狩って来るとしようか」



「マシュさんは魔物をさばいたり出来るんですか?」



「ん、出来ないとモーリーとミュゼにうまいものを食わせてやれないからな。覚えた」



 美味しいものを食べさせてあげたいがために覚えるって、凄い大切に思っているんだなぁ。

 ……うわっ、ルビー、なにそのよだれ。



『(イオリ、マシュとやらにサースコッコをさばいてもらってくれ。喰いたい!)』



 ええぇぇ……本気で言ってるの? アイテムインベントリ持ってる事ばれちゃうじゃない。



『(ならば我が今すぐ狩ってこよう。それならば問題ないだろう?)』



 問題ないのかな。レオパルがサースコッコ狩っちゃうのって問題ないの?



『(エンリルも連れて行く。よし決めた。今夜はサースコッコを喰うぞ!)』



 制止を振り切ってエンリルを呼んで、一緒に飛んで行ってしまった。スミちゃんを私の腕の中にすっぽりと収めて。よ、よっぽど食べたかったんだね……。



「どうかしたのですか? 従伴が飛び去って行きましたが……」



 モーリーさんが少し焦った様子で声をかけてきた。



「お腹が空いたみたいで……サースコッコを狩って来るのでさばいてもらえますか?」



「それは構わないが、レオパル達がサースコッコを狩るのか?」



 問題ありな感じ! やっぱりレオパルはサースコッコなんか狩ったりしないっぽいー!



「とっ、とっても強いので! うちの従伴達っ!」



 声が引っくり返っちゃった。解せない様子のマシュさんだけれど、それ以上の追求はされなかった。サースコッコなんて狩って来られないだろうと思っているのかな?



 でも多分、ルビーの事だから間違いなく獲ってくるんだろうなぁ。







―――――――――――――――――







『(狩ってきたぞ。先のものよりも少し小ぶりだが)』



 外さないね、ルビーさん。私のアイテムインベントリに入っているものよりは小さいけれど、エンリルが重そうにぶら下げているのには変わりないよ。



 ドスッ、と音を立てて私達の前に置かれるサースコッコ。その音でミュゼさんが飛び起きた。



「本当に狩って来たのか」



「凄いですね……! サースコッコを狩るのはなかなか難しいのですよ!」



 モーリーさんとマシュさんはドヤ顔しているルビーとエンリルを撫でながら、獲ってきたサースコッコを眺めている。ミュゼさんは寝起きでボーッとしたまま固まっているようです。



「ミュゼさん? 大丈夫ですか?」



 声を掛けるとこちらを向いて、にんまりと笑った。す、すごい良い笑顔。



「アタシ、サースコッコ大好物なんだ! 晩ご飯、楽しみだな!」



 クリンとした目をこすりながら、ミュゼさんはマシュさんに駆け寄り、何を作ってくれるんだ? と楽しそうに声をかけている。



 マシュさんにサースコッコの解体をお願いすると、快く承諾してくれた。








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