三人組の冒険者。
スミちゃんに造ってもらった包丁の話題で、しばしワイワイと話をしていると、私が(意図せず!)放った斬撃で切り裂かれた枝の先の茂みから、ガサガサと人が歩いて来る気配がした。
『(人間だな。三人、パーティを組んでいるようだ)』
ルビーが大して気にせずに居るということは、危なくはないのかな?
念のために木陰に移動して、スミちゃんをエンリルの背中に乗せ、私はルビーの陰に隠れた。
息を潜めて待っていると、これまたワイワイと賑やかな三人組が現れた。まだこちらには気づいていない様子で、楽しそうに話をしながら歩いてくる。
腰に大剣を下げ、どこかの防具屋で見たような鎧を着込んでいる、私と同い年くらいの男の人を先頭に続いて、腰に双剣を携えた、見た目は十代と思われる軽装のツインテールの女の子、そしてフードを深く被っていてよく見えないけれど、三つ編みが見え隠れしている子が並んでいる。
「さっきの攻撃はやっぱりサースコッコじゃないのか?」
鎧を着ている割には身軽そうな男の人が、ツインテールの子達の方へ振り返りながら言った。
「でもさー、サースコッコの影も形も見当たらないんだけど?」
ツインテールの子が返す。クリっとした目がとても可愛らしい。
「……は…………だ………………」
フードの子は声が小さくて聞き取れなかったけれど、声音から判別するに多分、女の子。
三人組をやり過ごすために、通り過ぎるのを待っていると、丁度私達の隠れている茂みを少し通り過ぎた所で、ツインテールの子がぴたりと足を止めて振り返った。
向こうからは私達は見えないはずなのに、大きな目を更に大きくして、ジッと茂みを見つめている。
『(何かが居るのは気づいているようだが、確信を得ているわけではないようだ。気配を消せ)』
気配を消すってそんな簡単に言わないでよ。野生の獣じゃあるまいし……。それでも言われた通りに呼吸を静めてみた。
「何やってんだミュゼ、早く行かないと日が暮れちまう」
大剣を下げた男の人にミュゼ、と呼ばれたツインテールの女の子は私達の居る茂みから目を離さない。
「何か居る。でも、何だか解らない。敵意は……無いみたい」
気配消えてなかった! 人間だもの。ルビー達みたいに上手に消せないよ。
『(仕方ないな。出て行かねば剣を投げつけられそうだ)』
フスッと鼻を鳴らしながら、ルビーはゆっくりと茂みを出て、三人組の前に姿を現せた。
私、背中に乗ったままなんだけれど……。




