↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/113

成長、進化、変化。





「ね〜エンリル〜、もういいんだよー?」



 朝ご飯の後もずーっと難しい顔したまま、ルビーの背に乗っている私の肩の上でモニャモニャ言っている。モニャモニャは聞き取れなくて、何を言っているのかは解らないけれど。



『(強制しているわけではないのだからエンリルの好きにやらせておいたらどうだ?)』



 私のために、ってばかりでかわいそうなんだもん。



『(何がかわいそうなのだ? 力を分けてくれた親に報いたい心は少しもかわいそうなものではないぞ。それに風の魔導はエンリルの属性に合っているが、水は難しいからな。うまくいくとは限らん)』



 ルビーも水の魔導は苦手だしね。



『(火の魔導は本能のようなもので理解出来るのだが、水は魔気を練るのが難しいのだ。ただ水を出すだけならば簡単なのだが……)』



 大丈夫。私、魔気を練るっていうのも難しくて解らないから!



『(イオリは得意な属性は解らないのか。魔力は高いのにな)』



 ……。ルビー? どうして私の魔力が高いの知ってるの?



『(……)』



 起きてたな!! ゆうべ起きてたなー!



『(外で熟睡するほど衰えてはおらぬからな)』



 くっ……。守られている身だから、偉そうに言えない自分がはがゆいっ……!



 ルビーと言い合いしていると、肩に止まっていたエンリルがポロリと落ちた。急ブレーキをかけてルビーが振り返り、エンリルをキャッチした。



「どうしたの?! エンリル!」



 私の腕の中で抱かれるエンリルが、とっても熱くなっている。意識もないようで、ぴくりともしない。呼吸はしているけれど、とても荒い。



『(イオリ、そこの木陰に行こう)』





…………………………





「どうしたらいいんだろう……」



 木陰に横たえたエンリルはますます熱くなって、もう素手で触る事が出来なくなってきた。



『(ふむ)』



 ルビーはエンリルに触れて、何かを呟いている。紅竜だから熱いのは平気なんだっけ……。



『(イオリ、エンリルのコートを解いてくれ)』



「わかった。コートエンド!」



 ポフンと音をたててエンリルの姿がライグルへと戻った。



『(見ろ、エンリルの身体が変化している)』



 額の角が平べったく銀色に光る魔石みたいになっていて、尻尾は6本に分かれて身体はほんのり紅に染まってきている。



「どうしちゃったの……」



『(進化だな。我ら紅竜や地竜なども元々はただの竜から進化する。ライグルの進化は初めて聞くが、イオリの力を分け与えているから例外はありえるだろう)』



「私が何かしてあげられる事はある!?」



『(進化とは成長だ。魔力を分け与え、成長を手伝ってやれば苦しさは多少紛れる。我の魔力もさっき少し分けたがな。だが、分け与えるためには触れなければならぬ)』



「わかった!」



 ルビーの制止もきかずにエンリルに触れる。じゅうっ、と肌が焼ける。熱いけれど、エンリルが私のためにしてくれたことを考えたら、これくらい……簡単なこと!!



およそ、魔力の8割を注いだ所で私は意識を失った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。