鑑定するにも、レベリング。
“対象︙紅竜 に対する【鑑定】は行えません”
「えっ……何で!?」
“術者の【鑑定】スキルのレベル不足により無効化されます”
えー! なにそれ! 楽しみにしてたのに!
『(強い魔物の鑑定を行うにはスキル自体のレベルアップが必要なのだな)』
今しれっと自分のこと強いって言ったな。
『ぼくはー? ぼくも【かんてい】してー!』
エンリルなら鑑定できるかな?
“スキル︙鑑定を使用します”
名前︙エンリル 種族︙ライグル(レア種)
Lv︙29 年齢︙8歳
体力︙1048 魔力︙1500
At︙893 Df︙963
固有スキル︙癒やしの頭突き
蘇生の頭突き
エアシールド
“以上になります”
……。
ごっちんは本当にごっちん(頭突き)なんだね。
『(イオリが鑑定すると我にも情報が巡ってくるのだな、便利なものだ)』
エンリルのステータス、見る事が出来たの?
『(うむ。なかなかに強い個体だ。さすがはイオリの魔力を分け与えただけあるな)』
『ぼく強いー? えへへ』
あれっ、私……エンリルにレベルも抜かれてる……?
『(先のダンジョンではエンリルが頑張っていたからな。だが、我の倒した分の経験値も多少イオリに入るようになっているのだろう?さほど差は無いと思うが)』
後でこっそりステータス確認してみよっと……。
『(……)』
ルビー、にやにやしない!
「もう。さ、ご飯作ろっと」
『わーい! ごはんー!』
買ってきたものを広げる。今日のメインは生姜焼き〜!副菜はブロッコリーのゴマ和え。
うーん、カセットコンロが一口だけだと料理に時間がかかりすぎちゃうから大きいキッチンが欲しいなぁ。
ぼやいてもどうしようもないから、調理をすすめよう。まずは生姜をすりおろす。おろしがねも買っておいたからね、ひたすらおろす!おろしたらギュッと絞って、絞り汁を別皿にとっておく。
玉ねぎをスライスして、たっぷり買った豚ロース肉と玉ねぎをボウルに入れて、お酒をふって、生姜の絞り汁と薄口しょうゆを適量入れて、軽く揉み込んで放置。
その間に沸かしたお湯で、一口大に切ったブロッコリーを茹でる。あんまり柔らかいのは好きじゃないから、鮮やかな緑色になったらザルに取って、もったいないけれどミネラルウォーターで冷やす。
冷えたブロッコリーの水気を切って、すり胡麻と顆粒だし、少量のめんつゆで味付けして副菜は完成。え? 手抜き? そんなことないよ!
キャベツも一玉ぜーんぶ千切りしておく。時々百切りくらいの大きさがあるのはご愛嬌。
千切りキャベツをルビーとエンリルのお皿にそれぞれ山盛り盛っておく。
メインの生姜焼きを焼いていきます!
フライパンにごま油をひいて、煙が出る寸前まで熱してお肉と玉ねぎをドーン! ジュワーッといい音! 焦がさないように、でも弱火にしすぎないようにしっかり火を通す。
焼き上がったら山盛りキャベツの上にこんもりお肉と玉ねぎをよそって出来上がり!
ふぁぁぁ、いい匂い〜生姜焼きの匂いって空腹には暴力的だよね。
「ご飯できたよ〜! ……ッ」
振り向くと、よだれの泉を生成しているふたりがすでにスタンバっていた。どうぞ、とお皿を渡すとすごい勢いで食べはじめた。
「私もいただきまーす」
ブロッコリーがコリコリで美味しいなぁ。この茎の所が好きなんだよね、私。
生姜焼きも柔らかくって美味しい! 玉ねぎのシャキシャキしたのがアクセントになっていい感じ。うん、いつでも嫁に行けるな!
『(……)』
ひとの独り言聞いて笑わないでくれないかな?
『(……すまぬ。だが確かにイオリの作るものはどれもこれも美味いぞ)』
『ぼくも主のごはんだいすきー! お肉の下の葉っぱもとってもおいしい!』
ふたりがそうやって美味しそうに食べてくれるから、作りがいがあるんだよ。
あー、やっぱり大きなキッチン欲しいな。オーブンがあったらローストなんかも作れるし、ピザも食べられるし。
素敵なキッチンを夢に見ながら、夜は更けていったのでした。




