第五十四鈴 ダイレクトブレイクモード
暗黒のダンジョンのボス「ダンジョンマスター」と戦う響は罠にハマり一人部屋の中に閉じ込められる。響がいない状態でのボス戦に勇者ハリオ、モサ子、のなかは苦戦するのであった。
響はダンジョンマスターの仕掛けた部屋に閉じ込められてしまった。
ハリオから教えてもらった番号を入力しても扉の鍵は開かなかった。
「ハリオ!どうしよう!出られないよ!」
「くっ!どうにか作戦を考える!響もう少し待っててくれ」
ハリオはそう言ってダンジョンマスターのゴーレムの頭部の下に潜り込んで再び部屋の暗証番号を確認しに行こうとする。
ゴゴゴゴゴ!
しかしそれを遮るように石の拳が前を塞ぐ。
「くっ、そう簡単には進めないか!」
「ハリオ!ハリオ!私の空間スキルを使って!」
モサ子がハリオに提案する。
「そうだな!モサ子!頼む!」
モサ子はハリオの近くとゴーレムの顔の下に空間を出す。
ハリオはモサ子の出した空間に入りゴーレムの顔の下に出る。
ガゴン…
しかしゴーレムの顔はそのまま空間のできた穴を塞ぐように落下する。
「は?」
空間を抜けたハリオはそのまま落下してくるゴーレムの頭部に押しつぶされてしまう。
「ぐはっ!」
ハリオは入った空間から押し出される。
「ハリオ大丈夫!?」
「くっ、ああなると…番号を確認するのは難しいな…」
ハリオは他に方法がないか考える。
「おい!ハリオ!それよりもこの石の拳がもう少しで壊れそうだぜ!」
ハリオとモサ子がゴーレムの頭部に困っている最中のなかは石の拳と拳で殴り合っていた。
「相手の武器を潰していく。確かにいい案だな。俺のレンガで攻撃した箇所もヒビが入って崩れやすくなっている」
「響を助けるにはこのゴーレムの頭部を壊せばいい。まだ時間はある。よし!まずは拳を潰していくぞ!」
ハリオ、のなか、モサ子はゴーレムの石の拳への攻撃を始めた。
◇
その頃響は部屋に閉じ込められていた。
「ハリオが教えてくれた番号でも出れない…」
響は閉じ込められた部屋から抜け出せる方法がないか考えていた。
「すべての数字を試せばいいんじゃないかな?」
響は脳筋であった。
カチカチチャン!カチカチチャン!
響はダイヤル式の鍵を回す。
カチカチチャン!カチカチチャン!
ダイヤルの回る音で響はリズムを刻み始めた。
カチカチチャン!カチカチチャン!
なんでもないただの音、しかし響にはその音が奏でるリズムがどんどんと曲を生み始めた。
カチカチチャン!カチカチチャン!
響はそのリズムが止められなくなっていた。
延々と続く、無限の数字の確率…無限に刻むリズム…
ーーーチリン
響のスキルが発動した。
「なにこれ…『ダイレクトブレイクモード』?数字のノーツが譜面に乗って…モバイルゲームみたいに!弾ける!!」
響の目の前にエネルギーでできたスマホサイズのモニターが現れる。そのモニターは暗証番号の鍵とリンクしており、響が数字を一つづつ回すダイヤルの動きを記憶して何度も何度も繰り返す。響はモニターに映るノーツを弾きダイヤルを回していくのであった。
タタタタタタタタタタタタタ!!!!
「え、なにこれ楽しい!!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
このモードに入る前、響の回していたダイヤルの1分間にできた試行回数は5回。しかしダイレクトブレイクモードはノーツとして弾ける。そしてその速さは響のノーツを弾くスピードに合わせて加速する。
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!
1分にできる試行回数は1000回
バリンッ!!
扉の鍵は過度な試行回数を回されたことにより破壊された。
「やった!よくわからないけど!開いたよ!」
響は喜びのあまり飛び上がる。
「親指勢は負けてない!」
ゴゴゴゴゴ…
そして響を閉じ込めていた扉が開かれるのであった。
◇
ドンッ!ガラガラ〜
「よし!これで二つの腕を壊せたぜ!!」
二つの拳がなくなりダンジョンマスターは頭部のみになった。
「よくやったのなか!じゃあ、狙うは頭部のみだ!」
ハリオとのなか、モサ子はゴーレムの頭部に向かって走り出す。
ゴゴゴゴゴ!!
「え、なんか嫌な音がするよ…」
ドン!ドン!
石の拳が二つ再び降ってきた。
「なっなにー!?コイツらいくら倒しても復活するのかよ!」
「おい!のなか危ない!」
ハリオはのなかに向かってくる石の拳を受け止める。
ガキンッ!!
「ハリオ!」
「こっちは大丈夫だ。だが、完全に出だしに戻ったな」
「くっ…このままじゃ、俺たちもいつまで戦えるか」
「その時はもう一度繰り返すまでだ」
「でも油断してるとさっきみたいにやられちゃうよ」
「慎重に戦わないといけない。その上で作戦も考えないといけない…厳しいな」
三人は作戦もない戦いに希望が見えなかった。
ゴゴゴゴゴ…
その時響が閉じ込められていた扉が開く。
「みんなお待たせ!」
そこには響が元気よくみんなに声をかける。
「え!?響!?」
「いったいどうやって!?」
「鍵を壊したよ!」
「は!?そんなことできるのか!?」
唖然とするハリオを置いて響は3人の前にでる。
「そんなことよりも!倒すよ!障害物」
ーーーチリン!
響の瞳が赤色に輝き、足元に赤色の譜面の円盤が浮かび上がる。
「オンステージモード」
響は譜面の円盤に乗りゴーレムの頭部に使って一直線に向かう。
ドンドン!
それを防ぐように石の拳が前を塞ぐ。
タン!
響は一度ノーツで弾いた後、石の拳にヒビが入ることを確認する。
「ダイレクトブレイクモード!」
響はヒビにエネルギーを送り目の前に現れるスマホサイズのモニターとリンクする。
「親指勢を舐めないで」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!
タブレット上に現れるノーツを光の速度で弾くその勢い。その速さ。その威力。ビビから伝わるノーツの弾きによって拳の石は粉砕される。
「すっげぇ、なんだ、あの技…」
そしてもう一つの拳が響の隣から殴りかかってくる。
タンッ!
響は石の拳に向かってワンタップする。
「スピリチュアルダイブモード」
響の魂が集まって石の拳に触れている面に対から大量のノーツを弾く。
タン…タン…タン…タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
ノーツの弾かれる数、そしてその振動。これをたったワンタップの間に行った。
「確かに私は軽い…でも…鋭い!」
響は岩の拳を粉砕した。
「ダンジョンマスター…厄介だけど、楽しかったよ」
響は譜面の円盤に乗りゴーレムの頭部に向かって飛ぶ。
ゴゴゴゴゴ!
石の拳の再生は間に合わない。
ボォオオオオオ!!
ゴーレムの頭部は炎を放つ。
「知らなかった?炎ってノーツで弾けるよ?」
タンタンタンッ!
響の勢いは止まらない。
「うわー!響が飛び込んでいっちゃったよー!」
モサ子の叫び声と共に爆発が聞こえる。
ドガーーーン!
「本当にチートだな響」
壊れた瓦礫から譜面の円盤に乗った響が出てくる。
「いや、相手にもならなかったって感じじゃないか?」
響は笑顔でこちらを向き拳をむける。
「もちろんフルコンよね!」
ゴーレムの頭部があった場所が崩れて光が見える。その先はダンジョンの外に繋がっていた。
響一行は暗黒のダンジョンを攻略したのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
暗黒のダンジョン最終話です。ここでは明確な敵キャラは出さず、全てが罠にしました。
ダンジョンものの物語があまり詳しくない為単調になってしまいましたが、無事形にできました。
次回暗黒のダンジョンをでた先の村のお話です。お楽しみください。




