託された物
「解析完了だな。」
攻撃を防いだ短剣が突然光だし、ミネスは後ろへ距離をとった。ルイは短剣を右手に持つ長剣にかざすと、短剣は長剣に取り込まれた。
・闇精霊ミネス・大罪剣《嫉妬》解析を終了します。
・闇精霊ミネスよりフレア様へ預かり物があります。
「預かり物?時間が無いけど、フレアに渡してこっちを片付けるぞ!」
長剣を掲げて全ての力を収束させ、《精霊剣-絆-》がもつ唯一の攻撃技を準備する。
戦闘を眺めていたフレアに精霊剣から送られた物を確認していた。内容はあるスキルとメッセージだった。
『フレアがこのメッセージを見ているということは、私はもう居ないのね。フレアにはのんびり平和の世界で普通の生活してほしかった……だけどフレアは困っている人や精霊を助ける為に、私の力を真似るようになったわね。私はフレアに私と同じ様な目に遭わせたくなかった……私が悪者になってでもフレアを止めたかったの……。最後にもし私が貴女の前に再度立ちはだかるのならこれを使いなさい。貴女が本物の炎の大精霊として闇精霊ミネスを倒しなさい。ミネスより』
読み終えたフレアは泣きながら姉から渡されたスキルを目にする。それは今までどうしても出来なかった姉の精霊魔法だった。
・《精霊灼熱審判》
・代々炎の大精霊に受け継がれてきた炎系最強の精霊魔法。闇を打ち払う浄化の力と全てを焼尽くす灼熱の炎をあわせ持つ。
『こ、これは姉さんの……やっと姉さんに認められたんだ私……』
姉からの贈り物を受け取ったフレアは、ミネスを止める為にスキルを発動する。
『マスター!私もお手伝いします!!《精霊灼熱審判》』
ミネスを中心に半径5mほどの小さな太陽が現れ、ミネスを呑み込んでいく。そこにルイによる一撃が放たれた。
「いくよ!《精霊閃光斬》!!」
身動きがとれないミネス目掛けて振り下ろされた一撃は、ミネス本体ではなく大罪剣《嫉妬》へ向けられた。
ガキィィィィン!!!!
甲高い金属音と共に刀身が折れた剣先が地面に刺さる。大罪剣を握っていた闇精霊ミネスは塵になりながら消えていく。
ただ、彼女は俺達に笑顔で何か口ずさむ。
「ありがとう」っと……