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場外乱闘(幕間) 海の向こうの打撃がこんなところに着地した

新年一発目からコレですよ…

昨年仕込んでおいたネタが、今年(というか一昨日)事件勃発により、マイ倫理上『あかんわ』に割り込みました。

つまりポシャり、更新も保留で練り直し状況になりました。ごめんなさい。

このままだと悔しいだけなので、更新休止をせめて楽しく!と書き散らかしました↓

「やられた…」


 午後の麗らかな日差しを浴びて、丸くなって眠るケルベロスやスライムたちに囲まれて、新聞の世界情勢欄を読んでいたシャルが、呆然とした顔で呟いた。

 慌ててにゃんポケからいくつもの厚い資料を取り出し広げ、小さい頭をあっちへ振り、こっちへ振り、メール便2号で連絡をとり、届いた返信を確認し…遂には。


「ここでやったらブラックジョークにしてもセンス悪すぎる!」


 ふおお!と頭を抱えて「引き笑いも無理!」と叫んだ。

 上手な引き笑いができる人はそう多くはないと思うが。



 ◆



「シャル、どうした?」

「ううう~~亜人国用に数カ月かけて仕込んでおいたネタがあったんですよ…

 でも海の向こうの某国で、どう考えても内戦勃発中の小国だったらわかるけど、文明国でそれやったらあかんでしょ事件が起きちゃって…」

「ふむ?」

「シチュエーション設定的に、表現と演出的に、それからタイミング的にも問題ありまして…

 たぶん、今、私が仕込んだネタやっちゃったら、変な連想する人も出てくる可能性があるんです」

「む。炎上スラングか?(ハッシュタグ)深刻な配慮不足か?」

「そう。活動を知ったおうちの皆から『先日の事件があった上で、それやる?』『実技に空気を読む訓練も必要だろ…』『そろそろ頭も使おうか!』って倫理と常識を心配されちゃいます…」

「うぅむ…既に起きてしまったことは、なかったことにはできないからな。事実として残る」

「まさか本当にやらかすとは思わなくて、これじゃぁ舞台上のフィクションだってわかってても、笑いどころか失笑もとれない…」


 再び頭を抱えて「ふおお」と嘆くシャル。

 さて、どうしようか。対岸…というより遠く離れた地の火事と思ってたら、風に乗って想像もつかぬところで火の粉、否、火薬が着弾し、ピンチの様子だ。何せ用意していたネタは翌日発動予定だったのだから。


「仕方ありません。没にして練り直します…」

「むぅ?」

「慌ててやれば泥沼に嵌ると視えてます。体勢を整えて、見直しと大幅修正が必要です。そのための戦略的撤退です!」

「…頑張れそうか?」

「…ちょっとやる気が萎れてます…」


 体全体からへにょんオーラが出てる。心なしかツインテールのドリルも元気がない。そんなへにょへにょシャルを抱き上げて、膝の上に乗せる。

 こちらを見上げてくる瞳は、本人曰く『悪役令嬢らしいキレのあるつり目』だが、やる気も弱って半べそ気味だ。見せてもらったネタ資料のボリューム(数万字)を考えるとまぁ仕方あるまい。

 やりかけの状態からどう引っ張っていくか。

 それもそうだが、悪役を目指すわりに、ポーカーフェイスもクールビューティーとも真反対のへっぽこ泣きべそな性格だが…将来、立派な悪役令嬢になれるだろうか。


「…アストさん?」

「今はケルベロスたちも昼寝中だ」

「…」

「どこかで弱音が漏れても、イリオスたちには内緒だ」


 シャルの背中をトンと軽く叩くと、そのまま胸元にべしゃりとへばりついた。そしてひっつき虫状態のまま「ううう~」と唸りながらぼそぼそと話しだす。


「…私が落ち込む程度で済む話だから、現地からすれば『平和な悩みでヨカッタネ』ですよぉ」

「そうか」

「でも準備してきた数カ月分が潰れて、まじでー?だし、ここからどうしようって思うんでずぅ…」

「そうだな」

「ぞーでずぅ…」


 ぎゅぅぎゅぅ掴みながら「ぐやじぃ~~」と泣きごとを含んだ声は、涙とともに服に消えていった。



 ◆



 一通り恨み辛みをめそめそぐちぐちしたシャルだが、服から離れた顔は、眼も鼻も頬も赤く眉毛がへにょっとした見事なぶちゃいく面だった。

 じぃっと観察してると今度は耳まで赤くなった。


「ふむ。イリオスに同意せねば。なかなか味があってクセになる」

「…なんか嫌な予感…」

「ぶちゃいく面もかわいいぞ?」

「うぅぅ…!悪役令嬢(予定)の威厳がぁ…!」


 先程よりも悔しがるシャルは、「おにょれ…ぐすっ このままではいられんぞぉ…ひっく 必ず立ち直ってみせるぅ…」と意気込んで、気分転換か決意の表明か、はたまた新たな日々への運試しか、夢占いならぬ、めりーさん占いを始めた。

 大きな紙に何か書き出し、ぬいぐるみのめりーさんに(むりやり)サイコロを持たせて振り、出た数字で当てる謎の占いだ。

 何度か失敗してサイコロでなくめりーさんが投げられた。ケロベロスたちの寝床に飛んで行った。反射的にケルベロスとスライムたちが、ボールのようにこちらにヘディングで撃ち戻した。上手いな。

 この占いにめりーさんが必要なのか迷うところだが、きっと神降ろしの媒体的な役目だろう。神降ろしできた様子はないが。


「ドロロロロ…じゃーん♪占い結果!えーと…空気が淀んでます」

「めりーさんが投げられたからな」

「結果や事実は一つです。きちんと確認しましょう」

「解釈は幾通りもあるな。多角的に精査し判断すべきだ」

「騒いで周りに踊らされぬよう、気を引き締めましょう」

「騒いだから埃も舞ってるな。目と喉にも気を付けろ」

「運は待っててもきません。コイコイすると吉」

「ふむ。まねきねこ…は手が動かないな。改造するか?」

「自分は良くても迷惑をかけることがあります。ちゃんと謝りましょう」

「そうだな。まずは…」


 とりあえず昼寝の邪魔をしてしまったケルベロスたちに、ふたり揃ってごめんなさいした。


書く気(木)がエネルギー(栄養)不足でしばらく凹みます(冬眠?)

場外乱闘の更に蛇足で阿呆な話が書けるくらい元気になるまで、ソーシャルディスタンス。


(※今回分は続きができた時に消去する可能性があります。話の流れが変わっちゃうし)

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― 新着の感想 ―
[一言] 好きな様に物語を書けるのが なろう のよいところ、自分の好きを貫くひとは素敵です。ですが、気遣いができる大人もまた素敵。 なので!元気だして!のんびり待ってます!
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