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おひさしぶりですか。覚えてますか?
作者は忘れていて思い出しながら書いてたりします。
「ううっ、昨日は酷い目にあった。臭いが染み着いてないよね?」
『ホントに酷かったね。まさか神が食欲を無くすほど臭いとか……アルッテはお仕置きしなければ』
「ディーニュちゃん、顔が恐いよ」
メイドの大半を使い物にならなくした昨日の悪臭を思い出して鬼のような顔をするディーニュ。それをなだめながら虹香は庭に出てきた。そこは悪臭を受けて枯れかけた野菜や花が花壇一面にあった。
『それじゃ、ブラックレインボー頼むわ』
「うう、人に言われるとハズい」
そう言うとメダルを取り出してジョウロに変えた。
「天より降り注ぎ、全てを癒せ! シャワー・レイン」
『……やっぱり言うんだ』
「うっ……」
中二病をこじらせている真っ最中の虹香を冷めた目で見る幼女。その視線の冷たさに少しだけ落ち込んでしまう。
気を取り直して花壇に水をかけると見る間に草花は青々としたみずみずしい状態に戻っていった。
『やっぱり便利だね。その力』
「でも、マイナーなんだよね」
『“農耕の”神が頭の堅い奴でさ、汗かいて育てたやつが一番旨いって』
「わかんなくはないですけどね」
『できれば、私に料理させろって言うのに』
「……いや、それもどうかと思うけど」
そんな話をしながら残りにもジョウロで水をかけていく。
「良かった。ここにいた。探したよ」
そこに声がかけられた。振り向いた虹香はその人物を見て、驚いた。
「あなたは!」
『知り合い?』
「知らない人です」
「おい!」
「いえ、知ってる人みたいなんですけど、思い出せないんですよ。ほら、喉元まで出てるのにそこから出ない感じ?」
『あ~。何となくわかるけど……』
「毎日、顔会わせていただろ? 思い出せないって!」
『モブだった?』
「そんな訳ないだろ! イケメンだろ!」
「ん~~?」
頭をおさえて必死で思い出そうとしている虹香を見て、
『ほら、彼女は今、イケメンの定義について悩んでる』
その姿に明後日の方向の理解をするディーニュ。
「いや、突然訪ねて来たんで気が動転してるんだ! イケメンだだから」
「あっ、思い出した」
「そうだろ! ほらほら」
「いつも神殿を木の影から覗いていた。変なオジサン」
男は崩れ落ちた。
「変なオジサンて何だよ! イケメンだよ。それに年はまだ若いしせめてお兄さんで……」
『諦めなよ。オジサン』
「!?」
「ディーニュちゃん止め刺しちゃダメ」
うずくまって“の”の字を地面に書き始めた男は立ち直るのに暫くかかった。
「俺の頼みを聞いてくれ。“草木支える恵みの”神の力を必要としているんだ! 俺と一緒に来てくれ」
「好みじゃないんで、ごめんなさい」
「俺も好みじゃねえわ! このちんちくりんが!」
「乙女にむかって酷い」
「いいから来い!」
腕を捕まれて引きずられる。
『これが恋愛小説に見る駆け落ちってやつね』
「違うから! ディーニュちゃん助けて」
『夕方までには戻ってきてね。仕込みから手伝ってもらうから』
「そうじゃないから!」
嫌がる虹香が男に引きずられ連れ去られた。それを見送ったディーニュは夕方になっても戻ってこない虹香を不信に思い四郎達に告げるが、
「男と女は色々あるからな」
と、わかったふりをするアルッテのせいで連れ去られたとわかるのに2日かかった。




