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お久しぶりです! 忘れられてない?

「四郎さん、ここに3枚の封書があります」


 今日もギルドで、依頼を受けに来たのだが出鼻を挫かれる形で目の前に封書を置かれる。


「受付のお姉さん、おいら依頼受けたいんだけど?」

「まあまあ。で、この封書に1から10の中から好きな数字を書いてください」


 四郎は納得いかない顔をしながらも封書に数字を書いていく。『四』『五』『六』と嫌がらせの為にこの世界では使われない漢数字で。受付譲はそれを見て鼻で笑う。それくらいで崩れる受付嬢ではないのだ。


「ここにある封書は置いといて、ここに1から10までのトランプのカードがあります。これをきってください」


 普通、カードを切ると言えば混ぜることだが、四郎はナイフで重ねられたトランプを切った。無論、嫌がらせだ。しかし、


「こうして切ってもらったトランプを袋の中に入れて……」


 切られたカードを気にすることなく、茶色の袋に入れる。そしてその中にコップに入った水を注ぎ込み、


「よく、振ります」


 袋の口を縛り、振り回す。そしてカウンターに袋を置いて口を開いて逆さにする。


「選ばれたのは、このカードです」


 『四』と書かれたカードが出てきた。受付嬢は『四』と書かれた封書を持ってきて開ける。


「はい、あなたのやるべき依頼は薬草採りです!」


 封書の中から出した依頼書を四郎の前に差し出した。四郎は受けとるとビリビリに破いた。


「ああっ! せっかくマジックまでして仕込んだのに!」

「暇人か! 何でマジックすんだよ!」

「流れで受けないかなーと思って」

「受けねえよ!」

「ひどい! せっかく頑張ったのに!」


 泣き真似する受付嬢にじと目を向けて横に置いてある封書を見る。


「これも、どうせ薬草採りだろ?」

「そうですよ」


 泣き真似をやめて封書を開く。出した依頼書は片方だけ違った。


「……あれ? こっちだけ違う」

「もらった!」


 四郎は反射的にその依頼書を奪い取った。


「ああ、その依頼は……」

「これを受けます。ハイ決まりました!」

「……仕方ありませんね」


 諦め、俯いた受付嬢の前で勝ち誇ったように笑う四郎。だが、受付嬢は四郎にに見えないように口元に笑みを浮かべていた。


「さて、内容は……人探し? めんどくさ……」

「薬草採りは?」

「人探しか。おいらにかかれば直ぐに見つかる! さあ、頑張ろう!」


 受付嬢が薬草採りの依頼書を出してきたので慌てて依頼書を持って退散する。その後ろ姿が見えなくなると受付嬢は満面の笑みを浮かべた。


「よっしゃ! これで厄介な依頼がはけた!」

「……あんた、今のこの間来た神関係の依頼じゃなかった?」

「そうよ」


 交代に出てきた受付嬢に聞かれたうなずく。


「下手に関わると怖いから依頼期間の終了まで眠らせとこうって言ってたよね?」

「いや、彼ならやってくれるよ」

「目を見て言ってくれる?」


 そっぽを向き吹けない口笛を吹く彼女をしばらく睨んでいたが諦めたように溜め息を吐く。


「とりあえず今月の給料、減給ね」

「マジっすか!」

「当たり前でしょ? ギルド長の小言も付くから」


 こうして一人の受付嬢に減給の罰が下った。





 




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