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21.作戦決行

 午前中には全員に情報を伝達することができるということで、俺たちは早速準備に取り掛かっていた。


 まず、ボタンに流すようにお願いした情報。


 早朝、お昼頃、夕方、そのどれかに森内部にある池にてレイレイが釣りをしているというもの。


 今日に関して言えば、俺たちが準備すべき時間帯は夕方。



「釣りは好きなんですけど……緊張感が何倍も違います……」



「安心してくれ。陰で見守ってるから、絶対に大丈夫だよ」



「もちろんです。期待してます!」



「おうよ」



 レイレイは池にて、釣りの準備を始めた。


 個人的に彼女は釣りが好きらしく、相手を罠に嵌める作戦中だというのに真剣に準備をしていた。


 ま、レイレイは何かあっても自分で戦えるから余裕はあるわな。



「ミーア、イヴ。俺たちは山賊が来るのを待とう。もしボタンが順調に行っていれば、もうそろそろ向かってくるはずだ」



 陽は傾き始めていて、森内部は夕暮れ色に染まり始めた。



「そうね。さっさと潰しちゃいましょ」



「倒しちゃおう! ぶっ飛ばすぞー!」



「二人とも気合い入ってんな! 俺も頑張らねえと」



 言いながら、ナイフを右手に持つ。


 はぁ……めちゃくちゃ緊張する。


 そりゃ、レイレイが一番緊張してるだろうけど。


 俺、戦うの苦手なんだよなぁ……。


 でも、レイレイの身が危ないって考えると戦える気がする。


 頑張らねえとな、俺。



「レイレイ! それじゃあ頼んだぞ!」



「分かりました!」



 レイレイに手を振って、俺たちは近くの木陰に身を隠す。


 息を殺し、じっと山賊たちが来るのを待つ。



「……レイレイ。普通に釣りをしてるわね」



「自然体でいいと思うなぁ。山賊たち、めっちゃ騙されそう」



「確かにな。てか、メンタルが弱いのか強いのか。いよいよ分からなくなってきたな」



 レイレイは気が弱いって個人的に思っていたけれど、それは間違っていたのかもしれない。


 緊張するとは言っていたが、あの様子じゃあかなり余裕がありそうだ。


 まあ俺が言うのもなんだけど、この子たち最強だからな。



「あ、何か釣れたっぽい」



「めちゃくちゃ喜んでるな……」



 本当に緊張感どこいった。


 別に構わないんだけれど。



「ふふふ……これで今日は美味しい魚が食べれるね」



「ミーアもミーアで幸せそうだな」



 この余裕っぷり。


 もしかしてバカみたいに緊張してるの、俺だけなんじゃねえか。


 少し嘆息して、持っているナイフをくるくると回す。



「……あ。何か来る」



 イヴの目が赤く輝き、奥の方を見据える。


 耳を澄ましてみると、確かにガサガサと物音がしていた。



「人数は?」



「五人。全員が武器を持っているわね」



「山賊で確定だな。相手の目的はレイレイの捕獲。殺意はないだろうが、全力で向かってくるはずだ」



 俺はナイフをぎゅっと握り、構える。



「俺たちも全力で対抗するぞ」



「もちろん」



「らじゃ」

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