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1日①
ある日、両親とリビングにいた。
父が読んでいたものを置き、
「『30回目の東大受験において、晴れて合格!』だってよ。
どこらへんが、晴れて、なのかねぇ…」とボヤキ、
そんな父に母は洗濯物を畳みながら、
「それでも、スゴイじゃない!今の世の中、生涯学習の時代なのよ」と言い、
僕は、そんな、やりとりを聞いてリビングを出て自室に向かった。
自室で寛いでいると、
ノックが聞こえ、
兄が入ってきた。
兄は警察官で、現存する人達の中で、僕が尊敬する人物の一人だった。
僕のマイアルバムには、
地域の交通安全教室で、指導していた兄の警察官姿の写真が納められていた。
そんな兄が、
ちょっといいか…
と僕に話してきた内容は、こんなことだった…。
話を、巻き戻そう。
台東と、僕は、しばし、会っていなかった。
あのファミレスで会って以来、台東に何度かメールしたが一切、返事は来ず、
電話をしても、
『お掛けになった電話は現在、電波の届かないところにあり、掛かりません…』だった。
それを、何回か繰り返した僕は、
台東のことが気になりはしたが、
いつしか、自ら、そのように連絡を取ることはなく、
この時、兄から、
台東の名前を聞くまでは、彼のことは、すっかり僕の頭から抜けていた。




