1日②
兄は、話してくる。
「今、ここいらで、犬や猫の死体が、バラマカレテ、問題になっているのは知っているよな?」
兄の言う通りだった。
僕の住む地区周辺で、そんなことが相次いでいた。
僕は、自分が道行く時、それに遭遇したことはなかったが、メディアを通して知っていた。
「残忍すぎるよね…」思わず、呟いた僕に、
兄は、
「あれ、そんな単純な話ではないんだよ」と、僕に返してきて、
え?
と、なった僕に、兄は話を続けた。
「あれをしている者は、野良猫や、野犬、または誰かのペットをサライ、殺して、人の目につくところに放置しているわけではなく、
自然に寿命を全うした動物……、
そうそう、犬や猫ばかりではなく、実際は鳥や他の小動物の死体もあってな…
とにかく、あれを放置しているのは、あれらの動物を殺して、
そのように人目に付かせているわけではないんだ…。
おそらく、新聞やテレビでは、この情報は出ていないはずだ」
「僕は、てっきり、虐殺したのを放棄してるとばかり思っていた。誰が暇で、そんなことを…。」
と、僕は、ダウン気味に、やはり、また呟くと、
間髪いれず、兄は、
「全く、その通りだ。
そして、更に、あれをしているヤツ、もしくは、しているヤツラっていうのは、ある意味、限られているんだ」と言い、
「…というのは?」と、
聞く僕に、怒濤のように述べてきた。
「お前が、認識あるか、どうかは分からないが、この辺は、中国の栄えたトコと同じかんじでな、街の要所要所に防犯カメラ、監視カメラが取り付けられていて、それらを、掻い潜るように、動物の死体は放置されている。
普通なら、その放置の瞬間が録画されていて、その映像をもとに、事件解決へとストレートにいくはずなんだ。
それが、そのようにならず、何か決定的な証拠がないまま、俺たちは捜査していてな……その、何か、その現場付近に、頻度に映る者達をマークしている…ってかんじなんだ……あのな、警察は、家族に捜査のこと、それら手法のことを話さないというのが鉄則なのだが、ここまで、俺がお前に話すのはな、……台東くん、この街に戻ってきてるぞ」
兄の話の内容に、かろうじでついていくのが目一杯だった僕は、そこに驚きが加わり、更に困惑したが、昔、家に遊びに来ていた台東と面識のあった兄は、まだ話を続けた。




