第一章 新たな出会い
アイリーン・フォン・ローゼンタールは、辺境伯爵家の三女として王立魔導アカデミアに編入したばかりの少女。
銀色の長い髪と澄んだ紫水晶の瞳が印象的で、魔力の制御に卓越した才能を持っていたが、社交界では「田舎の小伯爵令嬢」と見下されていた。
そんな彼女を支えるのは幼馴染のウェイン・アルスター。
金髪の明るい騎士爵家嫡子で、剣と風の魔導を組み合わせた戦闘スタイルが得意。
家格は低く周囲の反応は冷めたものだがそれにも負けず、いつもニコニコしながらアイリーンを守ってくれる。
「またエミリア様に睨まれてるぞ。気をつけろよ、アイリーン」
もう一人はイグナシオ・ヴァレンティーノ。
黒髪に燃えるような深紅の瞳を持つ、魔導師ギルド長の孫。
クールで口数は少ないが、アイリーンに対してだけは不器用に優しい。
そして学園の頂点に君臨するのがオーギュスト・フォン・エレンディア皇太子。
金色の髪と穏やかな青い瞳を持つ完璧な王子様で、エミリア・フォン・デュラント公爵令嬢の婚約者だった。
エミリアは学園一の美貌と強大な炎の魔力を持つ公爵令嬢。
皇簇であるオーギュストと釣り合うほどの家格でもあるため、幼き日に婚約が結ばれた。
彼女は赤い巻き髪を優雅に揺らし、常に高飛車に振る舞っていた。
「下賤な辺境の雑草が、皇太子殿下の近くをうろつかないでくださる?」
アイリーンに辛くあたるエミリアの嫌がらせは口撃にとどめられていたが、いつの間にか日々エスカレートしていった。




