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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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パスタ


 この世界にはパスタはある。

 ただ、俺のイメージする細長いスパゲッティではなく、四角い形をしている。

 小さな板状。

 長いパスタもあるが、大半が平麺に近い形だ。

 理由は、細く切る機械がないから。

 平たくした生地を包丁でカットするので、四角くなるか、平麺になってしまうのだ。

 別に悪くない。

 これはこれで美味しい。

 だけど、たまにはスパゲッティが食べたくなる。

 ウドンは出来たのだ。

 そんなに難しくはないだろう。

 という安易な考えでチャレンジ。


 まず、手でパスタ生地を伸ばして細くしようと思った。

 パスタ生地がブツブツ切れる。

 干して自重で伸ばす方法も試したけど駄目だった。

 ……

 あれ?

 ひょっとして難しい?

 とりあえず、失敗したパスタ生地を無駄にはできない。

 茹でて味付け。

 自分で処理しよう。



 翌日。

 次はウドンと同じように、包丁でカット。

 細く切るだけだと考えたが、これまた難しい。

 できないことはないが、技術がいる。

 俺には無理。

 包丁の扱いが上手い鬼人族メイドにお願いした。

 うん、ちょっと太いけど……これでいいや。

 茹でる。

 味はシンプルに、オリーブオイルにニンニクと唐辛子を加えたぺペロンチーノもどき。

 うん、美味い。

 頑張ってくれた鬼人族メイドにも試食をすすめる。

 ……

 美味しいと喜んでいるが、顔が暗い。

 どうした?

「一人前を切るのでしたら問題はありませんが、数が必要になると少し大変かと……」

 あー、確かにな。


 では、どうしたものか。

 ……

 魔法?

 ルーにお願いした。

 一回目は調節が上手くいかず、パスタ生地を吹き飛ばしてしまったが、なんとか細くカットしてくれた。

 さすがだ。

 その魔法は誰にでも出来るのか?

「威力の調整が……難しいから……厳しいかな」

 なるほど。

 代替案が出るまで、ルーに頑張ってもらわないといけないのか。

 しかし、ルーは一人前をカットしたことでかなり疲労している。

 正直に言おう、肩で息をしている。

「生地は切るけど、まな板を切らない程度に威力を調整。
 それを維持しつつ平行に移動を繰り返す……無駄に魔力を使ってますね。
 ですが、綺麗に切れています。
 さすがです」

「魔法の威力を収束させるのは高難度。
 見事なコントロールです。
 お姉様」

 ティアとフローラがルーを褒めながら、魔法で切るならそれ専門に魔術の研究が必要と俺に教えてくれた。

 そうか。

 あと、その切ったパスタを茹でているけど、お前たちが食うとルーは怒るんじゃないかな。

 分ける量とかの問題じゃないと思うんだ。

 味噌味にして欲しいって……まあ、やってみるけど。

「とりあえず、現状では魔力の無駄使いです。
 魔法で包丁を操作した方が楽ですね」

 横で見ていた鬼人族メイドの意見に、ルーがあっという顔をしていた。


 回復したルーが、魔法で包丁を操り、パスタ生地をカット。

 先ほどよりもスムーズに、そして疲れずに量産できた。

「細いパスタが食べたい時は、私に言ってね」

 ルーが得意気な顔をしていた。

 うん、これからもよろしく頼む。



「え?
 あの、こういった道具があるのですが……」

 ガットにスパゲッティの話をしたら、家から道具を持って来てくれた。

 それは小さな包丁を重ねたような道具。

「これを、パスタ生地に、こう……」

 ……

 細いパスタが簡単に出来ているな。

「えっと、この道具は一般的なのか?」

「ハウリン村に注文が来るのは年に一個か二個でしたけど……それほど珍しい道具ではないかと」

 そっか。

 ……

 …………

 いずれ気付かれるなら、今、言っておこう。

 ルーはどこかな?

 え?

 あ、今のやり取り見てた?

 はははは。

 すまない!




「ということで、細いパスタを作る道具を作ろう」

 山エルフの一人が俺の説明を聞いた後、手をあげた。

「あの、意味がよくわかりません」

 そうだろうな。

 だって、細いパスタを作る道具はあるんだから。

 仕方がない。

 簡単に言おう。

「この包丁を重ねた道具をルーが見ると機嫌が悪くなるから、新しい道具が必要なんだ」

 俺の説明に、山エルフたちが納得の顔をしてくれた。

 ありがとう。

「村内だけで使うと考えて一つあれば十分だろう。
 考え方としては、この包丁を重ねた道具を進化させる方向で」

「承知しました」

 そして完成した。

 パスタ生地をセットし、ハンドルを回せば自動でカットされ、細いパスタがどんどん出来る道具。

 スパゲッティメーカーと名付けた。

 子供たちが料理を手伝うのに便利と好評だ。

 数日、スパゲッティ料理が続いた。

 うん、味は変わってるけど、そろそろ別のが食べたいな。



 後日。

 スパゲッティメーカーは、シャシャートの街にあるビッグルーフ・シャシャートで求められた。

「村長、あれ一つって感じだったから、結構無茶したんですけど。
 五つって」

「すまない。
 ポーラに見つかって、マルコスに連絡されてしまったから」

 俺と山エルフは頑張った。



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