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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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男のロマン


 男というのは、役に立ち難い物にロマンを感じたりする。

 例えばキャンピングカー。

 素敵だが、普段はどうするの?

 どこに置いておくの?

 そこに住むの?

 そういった疑問を無視して、キャンピングカーにロマンを感じる。

 例えばツリーハウス。

 木の上に家って生活しやすいの?

 強度的に大丈夫?

 昇り降りが大変じゃない?

 そういった疑問を無視して、ツリーハウスにロマンを感じる。

 感じてしまう。

 それが男なのだ。



 だから、作った。

 うん、男とは時に暴走してしまうものなのだ。

 しかし、後悔はない。

 キャンピングカーは以前に作ったキャンピング馬車があるので、今回はパス。

 作ったのはツリーハウス。

 村の周囲の森には、巨大な木がいくらでもある。

 高さが十メートル、直径が五メートルぐらいの木を選んだ。

 木の先端が尖がっていなくて、平らになっていたのが選んだポイントだ。

 家を建てやすそうというか、家を建てて欲しそうな形をしている。

 難しかったのは、木に登る方法。

 道具もなしに登るのは難易度が高い。

 ロープを引っ掛けて、それをよじ登る。

 ……うん、無理。

 縄の梯子も厳しい。

 最終的に木の梯子を作った。

 十メートルの木の梯子も怖かったので、五メートルぐらいは通常の階段を組み立てた。

 木に穴を開けて棒を差すタイプの階段も考えたけど、それも足を踏み外しそうだったので。

 階段と木の梯子の複合で。


 そして、木の上に家を建設。

 二畳ほどの小さな家だが、いきなり木の上で作らない。

 まず、木の下で建設。

 問題点を改善した後で分解し、木の上で組み直した。

 分解した家を運ぶのが大変だったが、ザブトンの子供たちが協力してくれた。

 木の上から落ちないように厳重に固定。

 落下防止に、木の上の周囲に柵を作った。

 そして、家の中に一人用のベッド、小さな棚、テーブルを作る。

 照明も必要か。

 木の上だから、火はさすがにまずい。

 これはルーから借りよう。

 最後に、干し肉、果物、飲み物、食器を持ち込み、棚に収納。

 そうして完成した俺の城。


 落ち着く。

 かなり落ち着く。

 俺は狭い家が好きなのだろうか?

 ふふふ。

 おっと。

 ザブトンの子供たち、協力ありがとう。

 ああ、好きにいていいぞ。

 お前たち用の小さな棚を壁の上に作ろうか。

 下は俺が踏んでしまうかもしれないからな。

 ん?

 上を見ている俺の足元にフワッとした感触。

 見るとクロがいた。

 ……

 階段を登ってきたのかな?

 お気になさらずという顔をされてもな。

 まあ、構わないが、降りられるのか?

 木の梯子だぞ?

 あ、困ってる。

 まあ、クロの身体能力だ。

 なんとかなるだろう。


 よーし、完成記念に一杯やるか。

 クロの分は皿に。

 ザブトンの子供たちのはコップでいいか?

 ……

 なぜ、酒スライムがいる?

 俺の運んだ食料品に紛れ込んでいたのか?

 そんな甘えた顔をしなくても、わかっている。

 お前の分だ。

 ふふ。

 かんぱーい。



 落ち着けたのは三日だった。

 うん、三日見逃してもらえたというべきか。

 俺の城は、子供たちに包囲された。

 はい、降参。

 明け渡しましょう。

 だが、落ちるなよ。

 怪我は駄目だからな。

 まあ、ザブトンの子供たちが見守ってくれるだろうけど……

 しかし、子供は凄いな。

 ロープでスルスル登ったり、降りたり。

 あー……ウルザ、グラル、ナート、スカート姿でそれは駄目だと思う。

 上まで登れる階段を作るから、そっちを利用するように。

 あと、子供だけでここに来ちゃ駄目だぞ。

 森の中だからな。

 今回はハクレンが一緒だからいいけど。

 うおいっ、ウルザ。

 それはお酒!

 駄目だ。

 まだ早い。

 飲んで落ちたらどうするんだ。

 回収。


 ん?

 アルフレート、どうした?

 こんな小屋を、自分で作ってみたい?

 アルフレートの後ろにいる獣人族の男の子たちも頷いている。

 ……

 実はここから近い場所に、似たような木があるんだ。


 思わぬ親子というか男の交流だった。



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