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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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天丼? 翼のある女性



 クロイチの子供達がそろそろ帰って来る頃。

 ザブトンから北の方角での異常を知らされた。

 前にルーが来た時と同じだ。

 クロ達が一斉に北に走り出していき、それを俺とルーが慌てて追い掛けた。

 まさか、また全裸の幼女がいたりしないよな。

 俺はルーだけで十分だぞ。

 などと思ってクロ達が居る場所に到着すると、クロ達に甚振られている天使がいた。

 天使。

 金髪で可愛いらしい顔立ち。

 見た感じは高校生ぐらい。

 胸はしっかりと存在を主張し、間違いなく女性だとアピールしている。

 真っ白なドレスを着て、背中に大きくて白い翼。

 ルーの時と違い、吸血される恐れが無いと判断したのか、手足や翼に噛み付き、引き摺り倒している。

 流石にそのビジュアルに俺が止めに入った。

「待て待て待て」

 本当にルーの時と同じようだ。

 クロ達を引き離した後、天使は俺を見て助かったと判断したのかガン泣きし始めた。

 庇護欲が掻き立てられる。

 しかし、俺にはルーが居る。

 ここはルーに任せようとしたら、天使はルーを見て激昂した。

「ここに居たのね!
 腐れ吸血鬼!」

 その激昂に反応したクロ達にボコボコにされた。

 クロ達にとって、すでにルーは仲間であり、家族だ。

 それを確認できて嬉しく思いつつ、また止めに入った。

「うう……ありがとうございます」

 流石にビジュアルが血だらけ、土だらけで痛々しい。

 なんとかならないかと思っていたら、天使は自力でなんとかした。

 魔法だ。

 回復魔法で傷を治して血を止め、良くわからない魔法で身体と服を綺麗にしていた。

 洗浄魔法だろうか?

 便利そうだと思っていると、ルーが私もアレぐらい出来るからと張り合ってきた。

 ……

 今度、トイレの下の排泄物を貯めている場所の洗浄を頼んでも良いだろうか?

 いつかやらなければと思っているが、気の乗らない作業は……その、やる気が出難い。

 タイミングを見て、お願いしてみよう。

 とりあえず、今は駄目だと理解できる。

「吸血鬼。
 ここに隠れていたのですか?」

 ルーは天使と顔見知りのようだ。

 見た感じ、敵対しているのだろう。

「色々あってね。
 大丈夫?
 結構、痛いでしょ」

「なんとか……
 痛いなんてもんじゃないです」

「わかる。
 私もやられたからね」

「貴女もですか?」

「ええ。
 容赦ないからね。
 魔法も効き難いし、避けるし」

「もう死んだかと思いました」

「無事でなによりよ。
 もう大丈夫だからね」

 だが、今は違うらしい。

 同じ目にあった同士として、何か変な共感が生まれていた。

「あの時は私が悪かったわ。
 だから、ここでの争いは止めましょう」

「貴女が謝るなんて……わかりました。
 ここでの争いは止めます」

「ありがとう。
 それじゃあ、紹介するわね。
 私の旦那様」

 ルーが急に俺を紹介した。

「え?
 あ、ああ……えっと……火楽だ」

 街尾火楽まちおひらく

 なんだか自分の名前を認識するのが久しぶりで、ドモってしまった。

「ご丁寧に。
 私はティア。
 見ての通りの天使族です」

 天使族。

 そういった種族も居るんだ。

「ルールーシーさんを追いかけて、ここに来たのですが……」

「追いかけて?」

「はい。
 ルールーシーさんは街で暴れて、賞金が懸かっていますから」

 俺はルーを見る。

「あはは……ちょっとやりすぎちゃって」

「ちょっとではありませんよ。
 人的被害はなくても、貴族の面子を潰したのですから」

「あはは」

 ルーが補足する。

「私がここに来たのも、彼女から逃げる為だったのよ」

 逃げる?

 ルーの性格をある程度は知ったつもりだが……逃げるとは彼女らしくない。

 俺の疑問にルーが答えてくれる。

「相性的に少し彼女の方が強いからね」

「ルールーシーさん、変わりましたね。
 少し前まで、絶対に私の方が強いとか言わなかったのに」

「ふふ……自分の力の無さを実感したからね」

「あー……なるほど。
 そうですね。
 自惚れが消えますね」

 ティアとルーは、俺達を遠巻きにしているクロ達を見る。

「あの数は反則です」

「うん」

 まあ、この場で戦ったりしないなら歓迎だ。

「とりあえず、家の方に来るか?
 粗末な小屋だが……ここで立ち話もなんだし……」

「そうね。
 是非、来て欲しいわ」

 ルーが思いのほか、熱心に誘う。

「……そうですか。
 では、お邪魔でなければお伺いさせて下さい」

 俺はクロ達を解散させ、ティアとルーと共に寝床の小屋に向かった。

 向かって小屋に入ったら、なぜかルーの誘導で三人で励む事になった。

「だ、騙しましたね!
 この悪辣吸血鬼!」

「私一人じゃ身体が持たないの。
 お願い、付き合って」

「それで付き合う馬鹿はいません!
 離しなさい!」

「俺はルーだけで良いんだけど」

「私の身体が持たないって言ってるでしょ!
 ほら、今よ!」

 なんだかんだで同居人が一人増えた。


タイトルの天丼は、お笑い用語です。
「かぶせ」「繰り返し」「同じ事をまたやる」等の意味です。

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