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各村報告とダベり(まだ祭りの夜)



 一村。


 ニュニュダフネと人間の混合村。


 農業は順調。


 畑は狭いけど、イモ類、豆類を中心に育てている。


 畜産は鶏と豚を中心に育てており、他は勉強中。


 その他、村の近くに竹林を作っているので、竹製品が程よくできている。


 また紙にするのに適した植物も育てている。


 問題としては、まだ空き家があることだろうか。


 どこかでまた人数を増やしたいと考えている。


 それと村の希望としては、キノコ類の栽培をやってみたいとのこと。


 黒トリュフを育てたいらしい。


 しかし、黒トリュフって豚の好物じゃなかったか?


 ああ、我慢できる豚たちだったな。


 わかった。


 暇を見つけて、耕しておこう。






 二村。


 ミノタウロス族でまとまった村。


 元が農村からの移住なので、農業はとても順調。


 主に育てているのは小麦、大麦、トウモロコシ、キャベツ、ハクサイ、ジャガイモ。


 以前はアワ、ヒエ、キビを育てていたが、大麦やトウモロコシに切り替えられた。


 それと果実系は、ミカン、モモ、リンゴ、ナシ、それにレモンとライム。


 今年は畑も広げて、頑張っている。


 目標は自給自足だそうだ。


 ああ、独立を視野にいれているワケではなく、まずは二村の生産量で二村全員が飢えないようにしたいらしい。


 余剰分を大樹の村と交換し、初めて一人前の村と自負できるそうだ。


 実はすでにその生産量は達成しているが、まだ足りないらしい。


「半分は村長に差し上げたいですから」


 気持ちは嬉しいが、無理はしないように。


 畜産は山羊を中心に、鶏、豚、羊、牛は少数。


 それぞれを程よく育てている。


 ミノタウロス族が牛を育てていることに少しシュールな気持ちになるが、ミノタウロス族は特に気にしていない。


 まあ、彼らの前で牛肉を食べているから今更だけどな。


 問題点は、特になし。


 このまま人口を増やし、村を大きくしていくそうだ。


 頑張って欲しい。


 希望は……農具が欲しいと。


 今使っている農具が少し傷み始めている?


 それは問題点じゃないかな?


 すぐに用意させよう。






 三村。


 ケンタウロス族でまとまった村。


 最初にグルーワルドたちが入村し、後からフカ男爵たちが入村した。


 なので変な派閥ができたりしないかと少し不安だったが、今のところは問題は無いようだ。


 フカ男爵が若く、グルーワルドに素直に従っているのが大きいらしい。


 将来的にくっついたりは……失礼しました。


 女の子同士でしたね。


 農業はニンジン、ダイコン、ナス、カボチャ、ジャガイモ、サツマイモを中心に。


 イチゴ、スイカ、メロンも頑張っている。


 果実系でモモが多めに、カキ、ミカン。


 今年から、ザクロを育て始めた。


 畜産は鶏を中心に、豚、山羊、羊、牛は少しだけ。


 畑を作った後、ケンタウロス族の体格的に腰を曲げる必要のある農作業はどうかと思ったが器用にやっている。


「腰よりも、後ろ足で作物を踏まないように歩くのが大変です」


 なるほど。


 畝の間隔を広げるとか対策をしたほうが良いかな。


 問題は今は大丈夫だけど、フカ男爵たちと共に男性が来たことで出産ラッシュというか……おめでたが来年ぐらいに続く可能性があるとのこと。


 祝わせてもらおう。


 希望は……家の増築ね。


 了解。


 ん?


 あと、村を囲むコースが欲しい?


 余裕があったら作ろうか。






 太陽城こと四村。


 悪魔族、夢魔族、それとベルやゴウのマーキュリー種が生活している。


 ベルの話では、あと少しすれば他のマーキュリー種も起きて活動をするそうだ。


 農業は俺が耕した畑で、今年は農作業に慣れてもらう。


 基本はダイコン、ニンジン、キャベツ、ジャガイモ、トマト、キュウリ、ナスビなど。


 果実系はパパイヤ、マンゴー、バナナ、パイナップル、マンゴスチン、ライチと勝手に南国系でまとめた。


 追加で調味料系を育ててもらう。


 実質、シャシャートの街のカレー屋マルーラのためだ。


 すでに村長代行のクズデンや、四村の指導的立場にあるゴウやベルには話をしている。


 よろしくお願いします。


 問題は……村人の生活力。


 これまで魔物相手に篭城を続け、世代を重ねてしまったので基本的な生活力に差があるのだそうだ。


 夢魔族は掃除、洗濯はできるが、悪魔族は無理。


 なので、今は夢魔族が悪魔族に掃除や洗濯を教えている。


 料理はこれまでダンジョンイモを主食にしていたので煮てスープにするか、焼いてそのまま食べるぐらい。


 ゴウとベルは太陽城からエネルギーが供給されているので料理を作る必要がなかった。


 つまり、畑の収穫で食料を得ても、料理ができない。


 育てている作物が、そのまま食べられる物が多いのはそれが原因。


 今は鬼人族メイドやハイエルフが交代で食材を持ち込みつつ、料理を教えている。


 その他、魔物がいなくなって城の外に出られるようになったけど、城内で生活を続ける者が数名。


 太陽の光を異様に恐れる者が数名。


 ……


 気長に治療してほしい。


 焦っちゃ駄目だぞ。






 酒スライム。


 ぽよんぽよんしてるなぁ。


 お酒はビールよりもワイン?


 白も悪くないけど、赤が一番。


 なるほど。


 催促ね。


 もってくるよ。






 猫。


 癒される……そのままでいてほしい。


 膝に乗せて撫でていたら、その膝にクロが顎を乗せてきた。


 一緒に撫でてやる。


 あー……列を作らない列を。


 よーしよしよし。






 グノーシスビー。


 いつもハチミツ、ありがとう。


 何か必要な物はあるか?


 ……


 ちょっと変わった果物が食べたい?


 太陽城で南国系のフルーツが収穫できたら持ってこよう。


 後は……スイカとかどうだ?


 水っぽいけど、悪くないだろ。


 ……蜂なのに果実を食べるんだな。


 ああ、最初っからそうだったか。


 確かにザブトンの子供がイチゴを渡していた。


 スイカに甘味が足りない?


 十分、甘いと思うが……塩をかけるか?


 塩は駄目、砂糖が良い?


 わかったわかった。


 女王様に従いましょう。






 土人形。


 最近のウルザはどうだ?


 あー、うん、大変だな。


 うちもアルフレートが……


 お互い、頑張ろう。


 スイカ、食べるか?


 食事の必要がない?


 そうか、じゃあ切ってやるからウルザたちに持っていくか?


 まだ起きているだろ。


 寝る前に水分は危ない?


 ははは。


 確かに。


 しかし、ウルザ……ウルザたちだな。


 こっちに向かってきているぞ。



 ウルザたちはスイカを手当たり次第に食べた後、次を求めて移動した。


 イナゴのようだ。






 死霊騎士。


 うん、お酒を飲むと下に零れるんだな。


 ドワーフが睨んでいるから水で勘弁してくれ。


 ライオンが今年も出産するかもしれないから、よろしくな。


 そういや、ライオンってオス一頭に対して複数のメスを囲う生態だったと思うが……


 まあ、空を飛ぶライオンだしな。


 常識では語れないか。


 ライオンもスイカを食べるか?


 まだ切ってないのがいくつか残っていてな……


 おお、丸かじりだな。


 冬場は温泉地は過ごしやすいかもしれないが、夏場は大丈夫なのか?


 今度、始祖さんのために施設を増やしに行くから、何か必要だったら作るぞ。


 ん?


 雨が降った時の退避場所?


 小屋じゃ駄目なのか?


 あそこは死霊騎士たちが使うから……遠慮しなくても……ああ、身体がデカいもんな。


 今度、岩場を削って寝床を作ってやろう。





 ギラル。


 ……酔いつぶれてるな。


 竜が酒に酔いつぶれると、悪いことしか起きないぞ?


 横で同じようにつぶれているドースをみる。


 二人を世話しているのがドライム。


 ライメイレンは……


 あ、ハクレンと一緒にヒイチロウを寝かせに戻ったと。


 甘いなぁ。


 しかし……


 ラスティも孫だよな。


 ラスティの時もあんな感じだったのか?


 ん?


 ラスティの時はドライムの奥さんに気を使ってあまりかまえなかったと。


 えーっと……スイレンの娘、ヘルゼは?


 そっちは旦那のマークスベルガークに気を使ったと。


 マークスベルガークは別の竜族でそれなりの地位だし、乳母的な竜も傍にいたからと。


 なるほどなー。


 ヒイチロウは、俺がうるさく言わないし、産んだのが自分の娘だから気を使う必要が少ないってことかな。


 ハクレンが子育てできるか心配?


 そうなのか?


 俺がみている分には、しっかりとやっているぞ?


 村に来た時を思い出せって……あー、確かに。


 来た時は結構、フリーダムだったな。


 まあ、ハクレンが嫌がっていないなら、いつ来てもらっても構わないぞ。


 そうやんわりとライメイレンに伝えておいてくれ。






 ザブトン。


 ん?


 見張りか?


 違うな。


 ザブトンの背中には、酔いつぶれているザブトンの子供たちが乗っている。


 ご苦労様。


 手伝おう。






 あと、喋ってないのは……


 ん?


 腕を掴まれた。


 横を見ると、身体のサイズを大きくしたルーがいた。


「そろそろ私の相手もしてくれても、良いと思うけど?」


 ルーが指差すテーブルに、ティア、リア、アン、セナ……


 大丈夫。


 逃げたりしないから。


 夜通し話そうじゃないか。


 だから、そっちのテーブルじゃなく、こっちで。


 うん、そっちは屋敷に近いからね。


 ほら、アルフレートたちはもう寝ているだろ。


 祭りの夜とはいえ、うるさいのは迷惑だからな。


 あと、テーブルの上がお酒だらけじゃないか。


 駄目だぞー。


 飲み過ぎは。


 ははは。




 夜は長かった。







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― 新着の感想 ―
なるほど、肉体言語で会話かぁ、羨ましい(^q^)
[良い点] 何度も読んでるけど、  夜通し話そうじゃないか。 今回はこれがよかったな
[良い点] 太陽城こと四村は、雲上まで高度上げられるなら季節関係なく南国フルーツの栽培に良さそう。夜間は地面に保温石砕くかそのまま敷き詰めても良さそう。
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