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「ごめんな、ルーチェ」
ルーチェがリーオを送り届ける道すがら、リーオが謝った。
「何が?」
ルーチェが首を傾げた。
「オレ、プラティ族になりたくてルーチェを利用したんだ」
「そうだったの?」
そう言われても、ルーチェはいまいちピンとくるものがなかった。
「ああ。親父もおふくろも嫌いで、今日ルーチェが来る頃を見計らって親父の酒瓶を隠しておいたんだ」
リーオはヘヘッと笑った。
「だからあんなに怒ってたんだ」
「ああ、まぁ、親父がキレるのはいつものことだけどな」
「僕は、利用されたからって怒ってないよ。友達ができたから、嬉しかった」
ルーチェはにっこりと笑った。
「でも、明日出発しちゃうんだろ?」
リーオはすねたように言った。
「残念だけど。また会えるかな?」
「どうだろうね。そうだ、これやるよ」
リーオはポケットの中からキラキラと光る石を出した。
「すっごく、きれい」
あまりの美しさにルーチェはため息を付いた。
「お金の原料になる石だよ。近くに採石場があるんだ。あの入り江からも、たまにみつかるよ」
「へぇ。そうなんだ。お金にならなかった石なんだ。本当にもらっちゃっていいの?」
ルーチェは顔を上げてリーオを見た。
「あと2、3こ持ってるから」
リーオはポケットに手を突っ込みながら言った。
「僕はなにもあげられるものはないよ」
ルーチェは申し訳なさそうに言った。
「そんなの、別にいいって。傷の手当もしてもらったし、オレも友達が欲しかったから。また会おうな」
「またラーデンに来たら、入り江に寄るよ」
入り江方面への分かれ道で、ルーチェとリーオは約束した。




