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神様の棄児  作者: ryo-KK
4章 王国
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予選会

6月1日(快晴)


少し肌寒い冬も終わろうとしている季節、コンラット国で第1回 世界一決定戦技大会が開催される事になった。


約2万人観戦出来るコンラット第2練兵場は既に満員と成っていた。


開かれた国コンラット、闘技場となる練兵場の周りには露天も数100件は出ているであろう。


しっかりとした国の警備のおかげか、はたまた国を守るSランクの魔物を見たいが為なのかは解らないが、周辺の地域の宿屋までもが満員御礼状態だった。


前日には各国の王や貴族も城の客室に滞在していたし参加者も騎士隊の隊舎に床を構える始末だった。


『盛況で何より』と、各国の王から賛辞を貰いセドリックは大いに鼻が高かった。


開会宣言は勿論我らが国王ユークの役目だ。


「皆さん各地からお集まり頂き有難う御座います。今日からの3日間大いに日頃の鍛錬の成果を発揮して正々堂々と戦って下さい。観戦者の皆様も存分に楽しんで下さる様、選手一同に代わりましてお願い申し上げます。 それでは4国主催戦技大会を開催します。」


ユークの言葉を合図にドラゴン部隊が会場に現れ空に向かってブレスを吐き花を添えた。


会場は拍手の大歓声と共に一気に熱が上がっていったのだった。


闘技場の中には4つの特設リングが作られている。


1つの大きさは20m四方。ここでバトルロイヤル方式の予選会が行われるのだ。


司会進行はセドリックとガストンが行ってくれる。


4つのリングはそれぞれ1~4の番号が振られている。


ガストンから各選手の背番号毎に戦うリングが告げられる。


「第1回戦Fランク1番~25番が第1リングに入って下さい。第2リングは26番~50番・・・・」


順に第4リングまでの選手を誘導して注意事項を告げる。


「残り3人になるまでの生き残り戦です。残った12人が決勝トーナメントに勧めます。棄権の場合はリングの外に出て下さい。それと命を奪った選手は当然罪に問われますので注意して下さい。」


簡単に説明がされて開始の合図を待つ。


静まり返った闘技場内にユークの声が響いた。


「それでは試合始め~!」


一斉に会場を歓声が包み込んだ。


Fランクと言う最弱ランクにも関わらず、異様な程の熱気に包まれて大会の成功は約束された。


予選会はDランクまで順調に進みコンラットの騎士は全階級で2名づつ決勝に勝ち進んでいた。


続けてCランクの予選会が始まる。


Cランクにはドラゴン部隊からアリシアとクレア、魔法騎士からシャーリーが参戦している。


Cランクは50人と少ないので、2つのリングで行われ5人づつの計10人が決勝に残れるのだった。


第1リングではアリシアが第2リングではクレアとシャーリーが戦うのだった。


アリシアは元々良かった動きに更に磨きをかけていて。コンラットの全階級決勝進出を阻もうと結託したセルトとフルールの冒険者に囲まれていたのだが全方位からの攻撃を鮮やかに交わして攻撃を加えていた。


アリシアの洗練された回避と攻撃に会場は大いに盛り上がっていた。


第2リングでも同じ様に結託した冒険者がクレアとシャーリーを狙っていた。


しかしシャーリーが魔法で威嚇してクレアが剣で各個撃破と言う連携攻撃で見る者を魅了していた。


アリシアは最後まで一撃も喰らわずに決勝に残り。クレアとシャーリーも見事な連携で決勝に残ることになった。


画して予選会は終了した。


決勝は翌日に開催される。


闘技場ではリングを1つだけ残し決勝用にセッティングされていた。


ユーク達は決勝に残った選手達とBランク以上の選手達を集めて明日の大会の成功の祈願と選手達の健闘をたたえた。


その後に皆で連れ立ち露店や見に来てくれた観客達との触れ合いに王都を散策する事にしたのだ。


「ユーク様!凄い人で嬉しい限りですよ」


露天の主人が声を掛けて来る。


「明日も有りますから皆さんも頑張ってください。」


ユークが居ると言う事はたちまち広がりユーク達は大勢に取り囲まれてしまった。


「ユーク様が戦う姿を楽しみに来ました。」


「有難う、誰と戦うかは解りませんが頑張ります」


ユークはA・Bランクの優勝者と無差別クラスの勝者と模擬戦をする事に成っている。


ユークへの激励は勿論だがミーシャやリオの人気も凄かったのだ。


「ミーシャ王妃、リオ王妃、明日は頑張ってください。」


「私達なりに頑張ります。応援宜しくお願いしますね」


「ミーシャ様ばんざ~~~い」


等等、大いに盛り上がっている。


そこで見慣れた人物に遭遇した。


ドリーさんだ。


「お母さん!」


レミーが声をかける。


ドリーは以前よりくたびれた感じだった。


「どうしたんですか?」


ユークは気になり声を掛けた。


「ユークくん」


ドリーは泣きながらユークに抱きついてきた。


すかさずレミーが引き離そうとする。


ドリーは力無く簡単にユークから離される。


ここでは話も出来無いとユークの私室に戻って、話を聞くことになった。


「一体なにが有ったんですか?」


あれからドリーは反省してチャックの良い奥さんとして頑張っていたのだと言う事なのだが、事件がきっかけで夫婦仲は完全に冷め切っていたらしいのだ。


暫くするとチャックが娼館に出入りする様になり外泊も少しづつ増えて来たと言う。


「そんなのお母さんの自業自得じゃない」


レミーはそう言うのだが簡単に終わらせられない状況だとドリーを見ていれば良く解った。


ドリーは話を続ける。


最近ではチャックは仕事はしているが家には帰って来ずに生活費も貰えないのだそうだ。


ドリーは何度もチャックを訪ねてギルドに行くのだが門前払いで、会うことも出来なかったのだそうで出てくるのを待って後を付けた事もあるのだが、巻かれてしまい住んでる所も解らなかったらしいのだ。


昨日やっと住んでる所を見つけて乗り込んだ所女性と暮らしてて、しかも女性は身篭っていたのだそうだ。


「ちょっとお父さん呼んでくる」


レミーは言うなり部屋を飛び出して行った。


「私が悪かったから仕方ないとも思うのよ。でもそれなら離婚すれば良いじゃない。隠れて子供まで作るなんて卑怯よ!」


「ドリーさんも僕の子供を作りたいとか言ってましたよね?」


ユークの言葉にドリーは下を向いてしまう。


1時間程でレミーはチャックを連れて戻ってきた。


「レミーが行くと会うんだ!」


ドリーの言葉にチャックが答える。


「来たくは無かったよ。でも王妃の命令だと断れないだろ!」


「チャックさんもお久しぶりです」


「ユーク様とんだ迷惑をおかけして申し訳有りません。ですがこれは夫婦の問題です。関わらないでもらえませんか?」


チャックの言葉にレミーが答える。


「何が夫婦の問題よ、私はその夫婦の娘なのよ!関係あるじゃない!」


「そうだがお前は今やこの国の王妃だ、一般家庭の問題にまで首を突っ込む程暇ではないだろ」


「そうだけど私の両親の事なのよ、放っておける訳ないでしょ」


「まあまあ。レミーも落ち着いて、チャックさん女性とお暮らしだと聞きました。それに妊娠さってるとか。その女性とはどう言う関係なのでしょう。またどうしたいのですか?」


チャックが言うには子供は自分の子供ではないらしいのだ。


女性は旦那の度重なる浮気に愛想をつかして離婚を切り出したところ暴力を受けていたのだそうだ。


たまたま娼館の路地で働かされそうになっていた女性を助けて話を聞いて同情してしまい匿っていたらしいのだ。


チャックもドリーに愛想を尽かしていた事もあり、お互いの身の上を話してる内に一緒に住む様になっていったのだと言う。


「ドリーの様な自分勝手な女よりも一途な彼女といる方が安らぐんだ!」


「それなら離婚すれば良いじゃない。何もこそこそ逃げなくてもいいでしょ!」


「俺たちは一応この国の王妃の両親だ!こんなことが世間に知れるとレミーはどうなる。娘の立場を考えたら隠れるしかないじゃないか」


「お父さんの気持ちは嬉しいけど、私を言い訳に使わないで欲しいわ。お父さん達がどうなろうと私がユーク様の妻にはかわりないのよ、例え離婚しようとも全然気にしない。いい機会だからはっきりすれば良いじゃない」


レミーがチャックに言い放った。


ユークも2人の問題だと黙って聞いていた。


結果二人は離婚となったのだが、問題はドリーの事だった。


全くの専業主婦だったドリーに仕事をすると言うスキルは育ってなかった。


ドリーはお城で侍女として使って欲しいと言うが以前の教訓からレミーを含めて全員が許可しなかった。


結局ドリーは家事しかできないことから王都近くに食堂を出す事になった。


勿論費用はユークだから店は王家の直営店ということになる。


管理はレミーが受け持ち当然従業員も増やす方向で話はまとまった。


決定してからの行動は素早くセドリックによって、その日の内に店の場所と工事の予定も決められた。


翌日からは工事も始まるのだったが、それらはまた後日の話だ。


ドリーの当面の生活費はチャックが支払う事で話が付いた。


取り敢えず話も纏まりドリーは城を後にしたのだった。


その夜は突然の離婚話に話題を攫われて戦技大会の話は有耶無耶になってしまった。



ユーク家トークin風呂場



㋴「こうなりそうな気はしてたけどね」


㋹「仕方ないですよ、お母さんがいけないのだし」


㋯「あれから2年も頑張ったのに残念ですね」


㋹「よく持ったほうだと思うわ」


㋴「そうだね、ドリーさんには店を頑張って貰うしかないね」


㋹「お母さんの性格はアレだけど料理は上手だから店は繁盛するかもね」


㋕「その内に良い人が見つかるかも知れませんね」


㋹「お母さんが決めることだからどうでも良いわよ」


㋷「レミーさん無理してません?」


㋹「無理なんかしてないわよ。ユーク様にまた迷惑を掛けた事が情けないだけよ」


㋴「ぼくは気にしてないよ。ドリーさんが少しでも幸せに暮らせるなら良い事だと思うから」


㋯「そうですね。チャックさんもドリーさんも落ち着いて暮らせるなら良かったのかも知れませんね」


㋴「そうだね。店は元々何処かに出したかったし丁度良かったのかもね」


㋯「そうですね、国営店は今後も増やして行くとセドリック様も仰ってましたから良いテストモデルに成ってくれるでしょう」


㋷「レミーさんが構わないなら良いのですが、またご主人様にアタックして来ませんか?」


㋹「そこまでは解らないけどもう懲りてるでしょ!」


㋕「そうよ今日だって離婚が決まってからも旦那様には近づいて来なかったもの」


㋴「もし来ても僕が気を付けていれば良い事だし問題ないよ」


㋯「そうですね。ご主人様次第です。」


㋴「解ってるよミーシャ!」


㋹「あ~~またミーシャだけキスして貰ってズルイ!」


㋷「本当です!抜けがけです!」


㋕「ご主人様もミーシャさんにだけはダメですよ」


㋴「あはは、ごめんリオ、おいで!」


㋹「次は私、私」


㋴「解ってるよレミーもこっちに来て」


㋕「そう言いつつミーシャさんの体から手を離さない旦那様はどうかと思うのですよ」


㋯「それは仕方ないでしょ、ご主人様の手は常に私を求めて下さってるのよ」


㋴「カーラも来て!」


㋯「これで全員キスして貰ったのだからいいでしょ!」


㋷「ミーシャさんだけ徳しすぎです」


㋹「リオだってずっと一緒じゃない」


㋕「そうですよ!私達は仕事も別だしもっと旦那様と一緒に居たいです」


㋴「ごめんね、任せっきりで」


㋕「別にそう言う事ではありません・・・」


㋯「レミーもカーラも私達よりもご主人様のお役に立てているのよ!羨ましいのはこっちよ」


㋷「そうですよ私ももっとご主人様のお役に立ちたいです。」


㋴「有難う皆、それぞれが役に立ってくれてるから僕は自由にしてられるんだ。本当に感謝してる。」


㋯「ご主人様は私達に幸福と言う何よりも大切な物を与えて下さってます。ご主人様が感謝する必要は有りません。私達がご主人様の為に何かしたいのです。」


㋕「そうですわ。旦那様が笑っていて下さるだけで私達は満足なんですのよ」


㋹「ユーク様は優しすぎるのよ。でもそこが良いのだけど」


㋴「そろそろ上がろうか。のぼせてきたよ」


㋯「エマ!、ユーク様のタオルをお願い!」


㋓「ご用意出来ております」


5人は風呂から上がり寝室にいき早めに休む。



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