困ったドリー
移住の許可が出てから元王都の区画には様々な建物が建っている。
カフェや商店、ギルド等も移転して来ていたのだ。
変わったところだと孤児院等も有る。
この孤児院は、オークションで会ったシアルン伯爵がユークが開放した奴隷や各国から酷い扱いを受けていた奴隷(主に幼女)を保護する為に建てたという事なのだ。
「ただの変な方では無かったのですね」
ミーシャが言うと。
「そうですね、相変わらず子供ばかりですけどね」
リオが軽く呆れて言うのだった。
「保護施設を建てて迄、奴隷を守ってるんだからきっといい人なんだと思うよ。」
「そうですね、趣味が偏り過ぎな気もしますが、施設自体は有難いですね」
「意外とこの施設もシアルン様の趣味の為にただ幼女を手元に置いておきたいだけかも知れませんよ」
いい感じで話が終わりそうなのをリオの毒で引っかき回された。
「リオはシアルン伯爵に何か恨みでもあるの?」
「いえ、そんな事は有りませんが、他にも酷い扱いを受けている奴隷は多いのです。特に年を重ねた奴隷の方が扱いは酷いです。若い奴隷なら今後も期待出来ます。どちらかと言えば、その様な方の施設を先に作るべきだと思います。」
「リオの意見も解るけど、全員を保護するなんて不可能だし趣味が入っていても保護しようと言う気持ちが有るだけでも素晴らしい事だと思うよ」
「ご主人様の言う通りです。そもそも奴隷に成った時点で扱いが酷いのも解る事です。ご主人様の待遇が良すぎるからリオも忘れてるのでしょう」
「ミーシャさんの言う事が正解かも知れませんね。ご主人様と居ると自分が奴隷だと思えませんものね」
ようやく話が落ち着いたみたいだ。
シアルン伯爵への疑念も和らいだようだった。
その後も街を見て回ったが一様に活気が有り、街として十分機能出来る様に成って来ていたのだった。
その時頭上を影が横切った。
ピエールが散歩していたのだ。
ピエールはユークを見つけて急降下してくる。
大きさも2mと更に大きく育っていた。
最初は街で、仕事をしていた人達もピエールの事を知っていたのだがパニック状態になっていたが、ピエールにはそれと解るように証明の腕輪ならぬ首輪が取り付けてあり、最近では街の人々も近寄ら無いが怖がる素振りも少なく成って来た。
特にユークやミーシャ達が近くに居る場合は触りに来る強者も現れていた。
ピエールは威嚇して街の人には全く触らせないのだが、危害を加える事は無かった。
「ピエール、散歩か?、余り遅くまで遊んでクララに迷惑かけるなよ!」
ユークの言葉を理解しているのかは定かでは無いが顔を上下させて頷き飛び上がり空の散歩に戻っていった。
「ピエールって賢いですよね」
リオの言葉にミーシャが答える。
「Sランクの魔物は知能も高いですね。ご主人様が水蛇竜を討伐に行った時もご主人様の考えが解ったかの様に水蛇竜だけを相手にしてましたもの、ただの魔物なら自分より強いと感じたら向って来ますから」
「そうですね、言葉も理解している感じですし」
「理解してるかは解らないけどラクトさんがその内研究したいとか言いそうだね」
ラクトの事は言いそうだとミーシャ達も納得していた。
城に戻り練兵所兼ピエールの小屋に向かう。
まだ小さいから扉から出入り出来るのだが、そろそろキツくなって来た。
今まで発見さられたの火竜最大の25mを超えても大丈夫な様に50mの穴を開けているのだ。
クララは藁の交換や掃除をしていた。
「クララ、ご苦労さま」
「あっゆーく様!ぴえちゃんはお散歩に行ってて居ませんよ」
「うん、さっき会ったよ」
「そうですか」
「ピエールの世話で困った事は無い?」
「うん、良い子です」
「もう直ぐ背中にも乗れそうだし、楽しみだね」
「うん!ぴえちゃんにも大きくなったら乗せてってお願いしてるよ」
「そうなんだ、大きくなるとブレスとかの攻撃も出来る様になるからクララも十分注意してね」
「うん、でもぴえちゃん良い子だから大丈夫だよ!」
クララとも別れて城に入っていった。
「お帰りなさいませユーク様」
侍女達に迎えられる。
「ただいま、何か変わった事はなかった?」
「はい、ドリーさんが見えられましたが帰られたみたいで姿を見てません」
「ドリーさん何の用だか言ってた?」
「いえ何も、レミー王妃ならご存知かも」
「解った、ありがとう」
侍女の報告を聴き脂質に向かった。
レミーとカーラは居なかったが何か仕事をしているのだろうと気にとめなかった。
お腹が空いたのでミーシャ頼む。
ミーシャとリオは厨房に向かいユーク一人になった。
『ふぅ~』と息を吐きベッドに腰掛けるとガバッと後ろから抱きつかれてそのまま押し倒された。
顔が近すぎて誰かも判断出来無い。
そのままキスされて舌をねじ込まれる。
レミーだろうと思いそのまま受け入れる。
布団をすっぽりとかぶされて視界は真っ暗だがユークはレミーだと思われる体を優しく触る。
胸を触った時に声が漏れた。
「あんっ」
「えっ」
レミーの声では無かったのだ。
慌ててキスから逃れて、ベッドから飛び起きた。
目の前には全裸のドリーが目をうっとりさせてユークを見ていた。
「ど、ドリーさん!何をしてるのですか!」
「あら、ユークくんも良い感じだったじゃない、このまま続きをしましょ」
「で、出来る訳無いじゃないですか!」
「レミー達なら問題ないわ、お願いして買い物に行って貰ったから1時間は帰ってこないわよ」
「そう言う意味じゃないですよ。そもそもドリーさんは僕の母親でもあるのですよ」
「大丈夫よ血が繋がってる訳でも無いから問題ないわ」
そう言うとまた抱きついてキスをして来た。
ドリーはそのままユークの下半身に手を伸ばして来たのだが。
騒ぎを聞いて駆けつけたミーシャに阻止された。
「ドリー様ご主人様を襲うなんて幾らレミーの母親でも許せません」
「あら、ミーシャちゃんも一緒にどお?」
「そもそもドリーさんにはチャックさんと言う旦那様が居るではありませんか」
「それがどうしたのよ。恋愛は自由だわ。」
「ドリーさんが襲ったのは国王なんですよ。処刑されても文句は言えませんよ、覚悟してて下さい」
「いや~ね~ミーシャちゃん、ユークくんの命を狙った訳じゃ無いのに大袈裟ね!」
「いえ、襲った事に変わりは有りませんよ!、王妃の権限で処分させて戴きます。」
ミーシャは真剣な表情のままドリーに言い放った。
そこまでの覚悟のないドリーは顔から血の気が引いていた。
「ミーシャもそこまでしなくていいよ」
ユークがドリーを庇ったのでミーシャはさらに機嫌が悪くなった。
「ではご主人様はドリーさんも抱くつもりですか?」
「いや、それな全く無いよ」
「でしたら今回もそのままお許しに成ればまた同じことをして来ますよ」
「ドリーさんも懲りただろうからもうしないですよね?」
「も、勿論しないと・・・思うわ」
「ほら、全く懲りてません。ご主人様もよく仰ってますよね、悪の芽は早めに摘み取るのが良いと」
「確かに言ってるけど」
「ドリーさんは完全に悪の芽です。ご主人様の迷惑ばかり繰り返してます。ここまでされれば摘み取るしか有りません」
そう言うとエマを呼び近衛騎士を呼びに行かせた。
ドリーは慌てて衣服を来て逃げ出そうとしている。
ミーシャはドリーを捕まえてやって来た騎士にドリーを牢に入れるように命令した。
どうしていいのか迷う騎士だが王妃の言葉に逆らえる訳もなくドリーを牢に連れて行ったのだった。
ユークはミーシャに開放する様にお願いするのだが
「本当に処分はしませんから安心して下さい。少し本気だと思わせるだけです。2度とご主人様に手を出そう等と思わせないようにきつくお仕置きしておきます」
「ミーシャがそこまで言うのなら任せるけど、無茶だけはしないでね」
「はい、ですがご主人様も油断しすぎです。私達以外に簡単に抱きつかれてキスまで許すなんて甘すぎです。」
「ミーシャもヤキモチ焼いてくれるんだ」
「もうっ、ご主人様のばか」
顔を赤らめて拗ねる仕草をするミーシャをだきしめる。
「嬉しいよ、ミーシャ大好きだよ」
そう囁いてミーシャとキスをした。
「もう直ぐ食事の用意が出来ますから下にいきましょう」
ミーシャと腕を組み下に降りていった。
その頃 地下の牢屋では・・・
「ちょっと、放してよ!私は王妃の母親よ!国王の義母でも有るのよ」
「それは承知してますが、王妃直々の沙汰ですから、逆らえません」
「それじゃあ 国王を此処に呼んでよ!国王なら解ってくれるわ」
「それも無理です、ミーシャ王妃に誰も合わせるなと言われてますので」
「本気で、私を、王妃の母親を処刑するつもりなの!」
「私達騎士には解りませんが王妃の判断は絶対ですので、暫くは大人しくしててください」
ドリーは血の気の引いた顔のままガタガタと震えていたのだ。
帰って来たレミー達にミーシャはドリーの事を説明した。
「お母さんまたやったの?」
「こちらも本気だとお知る為にも今は牢に入って貰ってます」
処刑や何か罰を与える事はしないともミーシャから説明されたがレミーは容赦なかった。
「ミーシャはまだ甘いわよ、そのまま釈放したらお母さんの事だからまた何かやるわよ」
「でもレミーさんのお母様に何か罰を与えたらご主人様が怒りますよ」
「ええ、お父さんに協力して貰うわ」
レミーはチャックを呼んで来て貰った。
地下牢に囚われたドリーの元にチャックだけが通されたのだ。
「ドリー無事か?」
「あ、あなた、助けて、ここから出してよ」
「ドリーがした事はレミーから聞いた、お前は俺の妻なのによりにも寄って娘の旦那に迫ったそうだな!しかも今回が初めてでも無いそうじゃないか」
「ユークくんがどれだけレミーを愛してるか確かめただけよ、本気じゃないわ」
「嘘を言うな、レミーやカーラさん達からも聞いたぞ、お前は俺と別れても良いと言ったそうだな」
「そんな女の為に何故俺が助けなくてはいけないんだ!」
「全てはレミーの為にやった事よ愛しているのはあなただけよ」
「信じて良いんだな」
「ええ、勿論よ!愛してるわチャック!」
「今後お前がユーク様に近づいたらお前と別れるぞ、いいな!2度とレミーの為だとユーク様に近づくなよ、今度は本当に処罰して貰うからな」
「ええ、約束するわ、2度と私からは近づかないわ」
「と、言う事だレミー!」
レミーが姿を見せてドリーに言い放つ。
「お母さんが何かすると私の立場も悪くなるのよ、ミーシャも私のあ母さんだからって私に処分を一任してくれたけどやりすぎよ」
「御免なさいレミー」
「特にミーシャはユーク様の為ならお母さんでも容赦しない様な娘よ本気で怒らせたら私だってどうなるか解らないわ、もう二度と変なことをしないでよね!約束よ!」
「ええ、絶対にしないと誓うわ」
「今度何かしたら私がお母さんを処分するから覚悟しててね」
最後にレミーも脅しを入れてドリーは釈放となった。
こうしてドリーのユーク篭絡作戦は終結を迎えたのであった。
その夜はヤキモチを焼いたミーシャの可愛い仕草を思いだし何時もよりも張り切ってしまった。
最後にはミーシャを始めリオやレミーカーラまでも腰が立た無くなっていた。
ユークが寝静まったその夜
ガールズトーク in ベッド
㋯「ご主人様はお休みになられましたよ」
㋹「今日は特に激しかったわね」
㋷「何回だったか解りません」
㋕「私も7回までは覚えてましたけど」
㋯「12回ですね。」
㋹「ユーク様もやり過ぎよね」
㋷「4人ですから48回ですか・・・」
㋕「人ってそこまで出来るものだったとは知りませんでした。」
㋹「まだ出来そうだったのが恐ろしいわ」
㋯「そうね、まだ出来そうね」
㋹「もしかしてミーシャ触ってる?」
㋯「ええ、しっかりと起きてらっしゃるわよ」
㋷「ミーシャさんご主人様が起きられたらまた始まります。刺激しないで下さい」
㋯「そう?私はいくらでも構わないわよ、それに何だか触ってると安心するのよ」
㋕「ミーシャさんって結構エッチですよね」
㋹「エッチなのは良いけど触るのはダメよ」
㋯「どうしてダメなの?」
㋹「いつもユーク様に抱きしめられて眠れるだけでも徳してるんだもん自分から触るのはずるいわよ!」
㋷「そですよ!私が腕を回したら払いのけるのもずるいです」
㋯「あら、ご主人様が起きない様に自然にしてるだけよ」
㋕「でも今日は刺激しないで」
㋯「そうね今日は我慢しておくわ」
㋹「でもそろそろ侍女達にもお情けを掛けて上げないと不満で、暴走する娘も出るかもね」
㋷「そうですね、ミーシャさんの声大きいですから彼女達にも聞こえてる筈ですし」
㋯「そう?レミーの声も大きいわよ」
㋹「それを言うならカーラだって」
㋕「私よりリオさんの方が絶対に大きいですよ」
㋯「気持ちイイから声も大きくなるのだもの仕方ないわね」
㋹「そうね、でも侍女達は刺激だけ受けて何もないのですもの不満が貯まるのも早いわよ」
㋯「そうね、明日辺り皆で大浴場にでも入ってご主人様に頑張って貰いましょう」
㋹「希望者だけで良いわよね」
㋷「それだと全員来ますよ?」
㋕「3回に分けて10人づつにしましょ!」
㋹「3日も大浴場でするの?」
㋯「そうね、ご主人様が気に入ればの話しだけど客間を一つ侍女達用に開放しましょう」
㋷「ミーシャさんは絶対反対だと思ってたけど」
㋯「前にも言ったけど独占はしたいけど無理だし、その分私達も可愛がって頂ければ問題はないわ」
㋹「私達もって成ると昼頃から準備しないと無理ね」
㋯「そうねだからもう寝ましょ」
㋕「お休み~」
㋯㋷㋹「おやすみ~」
ユークの酒池肉林計画はユークの知らない所で計画されたのだった。




