ありがとう。テレビ局を救うアタックエース
そもそも、この街にある地元テレビ局が
「日曜10時のスポンサーがつかなくて番組作れない」と
アンドーチェーンに泣きついてきたことに始まる。日曜は朝ごはんを食べたら家族でドライブに遊びに行って、テレビは見ないと。ビデオ録画できる家庭も少ないと。
専務は「じゃあスポンサーやる代わりに」
「大学生が喜ぶ戦隊ヒーローをやりたい」とテレビ局を説得した。
したのは良いが、専務は戦隊ヒーローをよく知らない。東京で「一部の若者が『子供向けの戦隊ヒーロー』に盛り上がっている。」と聞いただけ。
ならば、アンドーチェーンに向かい入れたアイデア集団、明日照果に任せて、古本屋を経営する沼仏が大学の漫研仲間と一緒に脚本を書いたのだった。
「専務は分かってないよ。今だにロボットが人気だと思ってるもん。」
漫研仲間は嘆いたが、小泉は素人のわりに良く書けた、ありがとうとねぎらった。
「ただ、舞台の歴史とかリアリティは勉強かな?怨霊や神様を描くならなおさら。」と付け加えて。
この脚本は大幅に変更され、
この街の地底王国のボスがイモムシ怪獣を操り、2人の子供をさらって、アンドーチェーンの秘密基地からアタックエースが5段変速の自転車で出動してやっつける話になった。
炎の巨大な兵士は人気だったらシリーズ2で登場。
怪獣が登場して倒されるまでは「紙芝居みたいな止め絵16枚」で、となった。
予算の都合で、アタックエースや悪者のコスチュームは作るが他は無理なのだ。
そしておもちゃを作るよりも、アンドーチェーンが新発売する5段変速の豪華自転車をアピールしたほうが宣伝になる。
アタックエースの俳優は泣きながら演じ、有名な桃園映画も黒歴史として、記録にも残さなかった。
俳優も主題歌を歌った新人も今や大御所なのに。。。
この戦隊ヒーローは1989年に3回だけ放映された。知ってる人はかなりの戦隊ヒーローマニアだ。
アンドーチェーンの企画ブレーンの明日照果仲間と
かわり果てた作品をテレビで見ながら沼仏は
「専務は理解出来ないと思って削った設定なんだけど。」
作家になりたい玲央がうんうんそれでと相づち。
「仗助ってのは沙耶芽の恋心に忍び込んで化けた怨霊なんだよ。」
玲央はなるほどと言い
「街の悲しみが淀む路地裏から負の念が怪獣になって」
と沼仏が言うとすかさず玲央は
「沙耶芽と仗助のバディで倒すんだけど、仗助は正体を明かせないんだな、切ねーな。」
いっちょ2人で気軽に読める漫画みたいな小説書いてみようか?
と笑った。




