沙耶芽の目には僕はどう映る?
今回はSF怨念+戦隊もの。と思いきや。。
いつものセンムや小泉に出る幕はあるのか!?
この街、相変わらず何も起こらない平和極まりない、この街。
誰も気に留めない川ぎしの中から、静かに着実に黒い砂が、砂利の間から蠢いているのを誰も気づかない。
この川ぎし、いや河原はその昔、密かに外国に船を出した乗組員が処刑された場所である。
沙耶芽はバスから川ぎしを眺めながら、市街地に着いて、街でオシャレと話題なカフェ「アンドレ」に入った。コンクリートのタタキがむき出しの、工場みたいなお店だ。
そこで待っていた仗助は
「遅いよ、メディアセクトの映画祭、始まっちゃったじゃん。」
と沙耶芽の顔を見るなり言うと、
「しょうがないじゃん、怨霊が台所に居座って悩みを聞いてくれって言うだもん。」
と返す。
「その優しさが、怨霊を呼んじゃう問題のタネ。」
仗助はからかい気味な口調だ。
沙耶芽の瞳は多くの色が見えるらしく、余計なものまで見えてしまうらしい。
怨霊と同じように人がいた気配の跡とかも。気配というのは普通の人には見えない光の色でしばらくそこにある。それは沙耶芽から教えてもらった。地震の時は少し前に地面から光が煙のように立ち昇るとも聞いた。
「で、今回の怨霊は何て?」と仗助は興味津々。
「長く住んでる、この街の地下道から追い出されるからどうにかして!だってさ。」と沙耶芽。
どうにもできない沙耶芽は聞くだけ聞いてなぐさめるばかり。
怨霊も「あーあ、悩んでも仕方ね。龍のヒゲ渓谷にほら穴探しに行くわ。」と言って消えたらしい。
仗助は「あー、江戸時代に作られた地下道が地下鉄になっちゃうからね。」
1989年のこの街では、地下鉄が将来できる!と話題になっている。都会の仲間入りだと。
そこら辺は「デンセツのセンム外伝 科学館のキセキはアンダーグラウンド」に詳しい。
沙耶芽も「地下鉄はまだ先だけど、最初に地鎮祭やるでしょ。」
「あれをやられると、アタマが痛くて居られないんだってさ。」
この街は街並みも変わりつつある。
所々に東京からバブル建築と言われる変わった建物が出来て、若い子は喜んでいるが、大人たちはついていけない。
その時、カフェの奥に座っている沙耶芽は向かいに座る仗助ごしに外の通りから黒い煙が立ち上がるのが見えた。
よく見ると黒いイモムシが大量に噴き出して飛び散っているのだ。
「仗助、あれ何!?」
「えっ、沙耶芽だけ見えるんじゃないの?あ!俺も見える。」
黒いイモムシの大群はカフェ・アンドレを飲み込み、お互いに一つになり、巨大なゼリーみたいに不気味な形になった。




