男達…… 趣味でヤバイ物を作ってしまう。
「刃は、このおりはる?とあだまん?にヒヒイロガネ…… それにこの不純物を合わせてみるか?」
「刃以外の刀身はどうする?」
「柔軟性と霊力を持たせる為に…… 芯は、あだまん?とみすりる?とおりはる?を龍の牙に折り重ね、繋ぎに不純物を混ぜ様と思うが……」
「焼き付けの水はどうする?」
「コレをどうぞ」
「うん? これはコア殿…… コレは?」
「邪竜王の血と神酒と彼方の世界樹の樹液を掛け合わせた物です」
「神酒だと!? なんと勿体無い!!!」
「コレも旦那の持ちもんかい? あの旦那は…… いったいなにもんなんだ?」
「くぅ~…… 旦那言ったら…… 神酒…… 分けてくれるかな?」
「そう言えば…… 旦那は?」
「天狗のじいさんと剣術の稽古だとよ」
「うへぇ~…… マジか? 俺なら絶対にヤダぜ~」
「いいから、そろそろ始めるぞ」
「先ずは試し打ちだな」
「おうよ♪」
なんだかんだと言いながらも…… 男の用意した素材に目を輝かせて、鍛冶場の連中は作業に入るのだった。
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「はぁ!」
「まだまだ…… 刃が立っておらんよ。それでは何も切れん」
「刃で切る動作が以外と難しいなぁ…… 戦国時代とかは、よく戦場で咄嗟に出来るなぁ」
「様は、慣れじゃな。習った時から刀とは…… こう切る物だと、習慣付ける事が可能にするのじゃよ」
男と話ながら、天狗のご隠居が巻藁を簡単に切り落とした。
「慣れね~…… 完成までには、刀をまともに振れる様に練習するか……」
男は、天狗から習った基本動作の反復練習に戻った。
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~ 半月後…… ~
「旦那…… なんとか刀にはしたが…… こりゃあ~魔剣や妖刀の類いだぜ」
刀が完成したと聞き、男が鍛冶場着くと……
「禍々しい魔力が放出してるなぁ…… 何か足したか?」
黒いオーラの様に魔力を発する黒い一振りの刀が…… 存在していた。
「俺等は、旦那からいただいた素材以外は……」
「あっ! そう言えば、コア殿が持って来られた調合薬で焼き付けしました」
「コア……」
「可笑しいですね…… 一応ドラゴン系の素材だから、強化になるはずですが?」
「何をした?」
「邪竜王の血に神酒と世界樹の樹液を混ぜた物を……」
「邪竜王だと! それに神酒と世界樹の樹液って…… 甦生薬の材料じゃねぇかぁ!?」
「そう言えば…… そうですね。此方の伝説を参考にした薬液だったのですが…… 失敗ですかね?」
「失敗って…… この刀、どうすんだよ……」
『馬鹿め』
「な!?」
「か、刀が……」
「浮いてる!?」
『我は、邪竜の王。邪竜王ダークネスカオスドラゴンである』
宙に浮かんだ刀は、そう名乗った。




