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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第六章・仲間達の事情

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それぞれの恋愛事情・アリアの場合

皆様は覚えていらっしゃるだろうか。レクターの影武者として一時期出演していたテセウスという引きこもりを‥‥‥。彼はレクターに瓜二つの褐色肌に青い瞳。ただ一つ違う特徴はレクターは栗色の髪だがテセウスは金髪。今回はそのテセウスの恋愛事情を見て行こう。

 私の名前はアリア。

 もっと長い名前があったんだけど、アリアでいいわ‥‥‥


 お父様が死んだあの日から、私の時間は止まったまま。窓の外をぼんやりと見るだけの日々。だけど‥‥‥。それでも時間だけは過ぎていく。私の心を置き去りにして‥‥‥


 コンコン!


 ノックの音に顔をあげる。誰かしら‥‥‥


 出てみると、背の高い紳士とそのお付きの人?みたいな方がいた。


「君がアリアか! 此度のお父上の事は残念だった。私はお父上の葬儀に参加していたマクシミリアンだ。覚えていないかね?」


「あ、あ‥‥‥」


 まずい。お父様を亡くしてからずっと引きこもっていたからこんな時何をどう返せばいいのかわからないわ!確かこういう時は‥‥‥


 私は記憶を辿って貴族の作法を思い出す。


「お、お久しぶりです。マクシミリアン公爵様。もちろん覚えております。父の生前は、大変お世話になりました」


 そう言って私はお辞儀をした。


(父は、このマクシミリアン公爵様とよく投資の話をして盛り上がっていた‥‥‥)


「ははは! 世話になったのは私の方だよ。もっと早く来れれば良かったのだが‥‥‥。おや、君のその髪は‥‥‥?」


 私はマクシミリアン公の言いたい事がわかって、思わず自分の髪をおさえた。


「父が死んでから、変わってしまったのです。私の心も、髪の毛の色も‥‥‥」


 私の髪の色は、以前は眩しい金色だった。だけど突然の父親の死によって、白髪に近い灰色になってしまっていた。私はそれを恥じて、灰色の髪を頭の上で三つ編みをしてキツく縛っていた。


「そうか‥‥‥。そんなにも‥‥‥。辛かったであろうな」


 皆まで言わずとも全てを悟ったような公爵様が、涙を浮かべてこちらを見ていた。


「‥‥‥」


「とはいえ、こんな広い屋敷に一人暮らしとは寂しいだろう。そこで提案なのだが、私の息子の話し相手と、身の回りの世話をしてくれないだろうか?もちろん報酬ははずむ」


 公爵様の言葉を受け、私は周りを見渡す。豪華な広いだけの屋敷に、噴水だけが虚しく音を立てるだだっ広い庭。言われてみればこんな広いだけの屋敷に一人。

 お父様が生きていた時には、そのどれもが輝いて見えたけれど‥‥‥


「正直にいうと、息子はあのまま研究と一緒に心中してしまうのではないかと心配でね。君はテセウスと歳も近いし、頼む! あいつの話し相手になってやってくれ!」


 そう言ってマクシミリアン公爵は、私に頭を下げた!


 私は驚いた。公爵様ともあろうものが、ただの伯爵家の一人娘相手に頭を下げるの?! そんなにも心配されるテセウス様って‥‥‥。どんな方なのかしら?


(でも何故か懐かしい気がするのよね。テセウスという名前‥‥‥)


 とは言っても、私も同じようなものか‥‥‥。私も、いつまでも引きこもってはいられない。

 テセウス様と話すことで、私も何か変われるかしら?


「公爵様。私その話お受けしますわ」


 父の遺産があるとはいえ、私もいつまでも同じところにはいられない。


 前を向かなくては‥‥‥


ユーリとサラスィアじゃないんかい。と思った方は私もそう思います!

でもテセウスとアリアも書きたくて‥‥‥( ; ; )すみません。

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