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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第五章 拗れる心

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遺言の謎

前回までのあらすじ


いつまでもニルを助けに行かない状況にユーリが喝を入れ、ようやく一同は出発した。一方ヘルヘイムにいたニルは情報量が多いブエルの遺言に、ニルも作者も驚きを隠せないのであった。

 ふーむ。


 ワシはサラスィアじゃ。今からヘルヘイムにいるニルを助けに行こうとしとるんじゃが、ヴァレリア以外のメンツが何やらお通夜状態じゃ。


 どうやらヴァレリアは今までの冒険でかなりメンバーに迷惑をかけてきたようじゃ。


『お前ら何を揃いも揃って辛気臭い顔をしておるのじゃ。特にレクター! お前は仮にも王子であろう! もっとシャキッとせんか』


「いや、俺はただヴァーリャが心配なだけだ。回復したとは言っても、もしまたあのヒトデのような悪魔にまた取り憑かれたら、ニルがいない今のヴァーリャではひとたまりもないだろうからな」


 まぁ、次は取り憑くまもなく殺すけど。


『ふーん? じゃあ王子はヴァレリアと一緒にその名馬(コンスタン)に乗るのじゃな? ワシは‥‥‥』


 考えているとヴァナルカンドと目が合った。


『おお! そこな白くて大きなもふもふ! こっちへ来るのじゃ。ワシを乗せてくれ。なんせワシは小さくて馬には乗れないからな』


 と何故かドヤ顔で言うサラスィア。


『ふん、確かにその体じゃ子馬さえ乗りこなすのは難しそうだな? さっさと乗れ。ユーリ、お前も』


「あっ、ごめん! ヴァナルカンド」


 こうして一同はなんやかやありながらもようやく出発した。


「ねえレクター、ちょっとだけ寄りかかっていい?」


「えっ? あっ//ああ、いいよ」


 ヴァレリアは時々変な事を言う。いつも二人で馬に乗る時は、遠慮なしに体を(特に豊満な部分を)押し付けてくるのに。


 ボヨンッ!


 ほらな? いっつもヴァレリアは遠慮なしなんだ! 二つの双丘が当たっているのを背中で感じながら俺はいつもより色々我慢しながら真顔で馬を走らせた。


 先程看病していた時にヴァレリアの美しい裸体を見たような気がするが、あれは気のせいだ!


「サラスィアさん、この方向を道なりで合ってる?」


『うおおお〜!! 速い速い! サラマンダーよりずっと速い! ちょっと待て! スピードを落としてくれヴァナルカンド!』


『お、すまんなサラスィア(サラマンダーって誰?)』


「すみませんサラスィアさん、僕は普通の速さで走らせたつもりだったんですけど(サラマンダーって誰?)」


『よ、良いのじゃ。ちょっと予想外の速さにびっくりしただけじゃ、あと道は合ってるぞ』


 * * *


 一方ヘルヘイムにて。


『そろそろ助けに来るかな〜? 俺様が元気って事はヴァーリャも回復したんだろうし』


 ヴァーリャの性格的に、俺様を助けに行くって言い張りそうだし。


 俺様はニル。今ブエルのためにヘルヘイムより少し離れた場所で墓を作ってやったところだ。初めは殺す気満々だったけど話をよく聞いたら哀れな悪魔だったからな! せめてもの情けだぜ!


『悪魔はヘルヘイムでは死ねないからな〜。あそこは人間が主に行く場所だ』


 それにしてもブエルが言っていた言葉‥‥‥


【あの女‥‥‥。ヴァレリアといったか。あの女はこれからも俺たちみたいな不気味な悪魔に狙われ続けるだろう】


 ブエルのあの言葉が本当なら、ヴァーリャは旅を続ける限りずっとその肉体を狙われる事になる。あれ?これって結構やばい話じゃね? 俺様とヴァーリャが狙われ続けるって、控えめに言って嫌なんですけど?? 確かに俺様はもっとヴァーリャと旅をしたいけど‥‥‥。その度に狙われるとか嫌だわ〜!


 それと気になったのはブエルのもう一つの言葉。


【アナスタシアは、本当は‥‥‥。女神アルマ様の肉体で生まれてくるはずだった。だがアルマ様はアナスタシアとしては生まれてこなかった。虚弱体質のアナスタシアでは、女神アルマ様の器としては不十分だったのだ】


 女神アルマ。大戦の時に俺様が助けてやった女神だ。

 でもそれとヴァーリャの肉体を狙う事と何の関係があるんだ? アナスタシアの体で生まれてくるはずだったのなら、アナスタシアを狙えばよかったんじゃないのか?! でも今のヴァーリャは元々アナスタシアだったわけで‥‥‥


 ああ〜わかんねぇ! 難しい事は本当わからねえ!


『ブエルも肝心な事言う前に殺されちまったからな』


 恐らくブエルが言葉を発する前に何らかの罠が作動して対象者の命を殺すようになっていたのだろう。


『色々難しい事考えて疲れちまったな。まぁ要するに、これからもヴァーリャは狙われるから気を付ければいいって話だろ?』


 まぁヴァーリャには王子と俺様がついてるから心配はないだろ。


 だけどアナスタシアの名前が出たということは、ブエルが言っていた【あの方】もアナスタシアの事を知っているって事だよな?


 なんかよくわかんねぇけど、一度バルカ城に戻ってアナスタシアに話を聞く必要があるんじゃないのか?

 死ぬほど面倒くさいが一応ヴァーリャに提案してみよっかな。


 ニルはブエルの墓を作った後、ヘルヘイムの入り口でヴァレリア達の到着を待った。


『早く元の大きさに戻りたいぜ。あのサイズに慣れちまった今、このデカさは小回りが効かないし色々と不便だ』


 ニルはあくびをしながらその大きな翼と背をそこらの岩に預けた。



果たして次はアナスタシアのところに行くのか?それとも最初に疫病の依頼をしてきた胡散くささ満載の領主マルクスのところへ行くのか?

最近イチャイチャ要素が足りないから無理矢理イチャイチャをぶちこむのか!?私もわかりま千円!!


私情でしばらく更新遅れます。


ここまでお読みくださってありがとうございました!



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