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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第四章 新しい仲間
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アデルとサラスィア

アデルに呼ばれてサラスィアは殴られないかと疑いつつアデルに近づくが‥‥‥!


 バルカ城の奥にて。美しい黒髪の女性が目を覚まそうとしていた。


 ああ、まだこの体だ。


 いつまでこんな体でいればいいの??


 アナスタシア。あなたが憎い!! あなたは私の‥‥‥。


 《元々いなかったのよ、あなたなんて!》


 さっさとこの体を渡しなさい!


「‥‥‥。ん?」


 アナスタシアは久しぶりに朝日で起きた。いつもは締め切っているカーテンから光が漏れていたのだ。今日はそんなに目が痛くならなかった。


 薬が効いているのかしら?


「なんか、夢を見ていた気がするわ」


 とても寂しくて、悲しい夢を。 


「ヴァレリア‥‥‥。元気でやっているかしら?」


 アナスタシアはヴァレリアを心配していた。今まで一度もそんな事は気にしていなかったのに‥‥‥


 * * *


「サラスィア、少し話をしよう」


『むむ、ニーズヘッグのように殴らないか??』


「俺はそんな事しないよ」


 ふーん? どうやらこのアデルとかいう男の言っている事は本当のようじゃ。何故じゃ? ワシはこいつが欲しい「青い薔薇」を使ってこいつを食おうとしていたのに。何を考えているのじゃ。


『よいしょ、よいしょ』


「? 何をしているんだ? サラスィア?」


『こっ//この椅子が高くて! 背が届かんのじゃ! 悪かったな! チビで』


 サラスィアの言葉に思わず吹き出すアデル。


「サラスィア、おいで」


 そういうとアデルはひょいと自分の膝の上にサラスィアを乗せてしまった。


 はぁ!? 何を考えているのじゃこの男!? さてはロリコ●か?! 待て待ていくら見た目がこれでもお前よりは全然長生きしてるからな!?


「サラスィアは似てるんだ、ルエラの幼い頃に。だから‥‥‥。憎めない」


『あ? ルエラってお前の妹の事か? 体が弱いっていう‥‥‥』


 こいつらが山を降りる時に聞いたのじゃ。アデルにはルエラという体の弱い妹がいると。その妹の為に青い薔薇を採りに来たのだと。


「うん。特にこの銀の長い髪。思い出すなぁ。まだ二人とも元気で、いつも二人で遊んでて‥‥‥」


 アデルは遠くを見つめて幼い頃の記憶に思いを馳せているようだった。


「オシリスさん、サラスィアに何かジュースのようなものを作ってくれないか? サラスィア、喉が渇いただろう?」


『お? おお‥‥‥。言われてみれば水分なんて五百年くらいとってなかった気がするぞ』


 オシリスはアデルの注文通り、あっという間にドリンクを作ってしまった。


「どうぞ。可愛いお嬢さん」


 だからお前たちよりずっと長生きなんだってば! という言葉を飲み込み、サラスィアは差し出されたドリンクに口をつける。


『おお! なんじゃこりゃ!! めっちゃうまいのじゃ!! こんなうまい飲みものは長いこと生きてきた中で全然飲んだことない!』


「それはよかった。オシリスさんありがとうございます」


 アデルはそう礼を言って、サラスィアに少し寂しそうな目を向けた。


 ‥‥‥。なんじゃこいつ。いつまでシケたツラでいるのじゃ?せっかくのイケメンが台無しじゃ。


『なんじゃ、妹が元気になるんならもうそんなシケた顔する必要はないじゃろ?』


「あ、ああ。すまない。ルエラと離れ離れになって以降、ずっと一人で生きて来たので、こういう時にどんな顔をしたらいいのかわからないんだ。喜んでいいのか、悲しんでいいのか」


 なんじゃこいつ。思春期の女子みたいな事いいよってからに。何か不安があるのか??


『そんなもん、ここをこうすれば良いのじゃ』


 サラスィアはアデルの顔を引っ張ると、口角を上げさせて無理矢理笑顔にした。


『ぶはははは! なかなか良い顔なのじゃ! わはははは!』


 サラスィアは自分で作ったアデルの作り笑顔がツボに入ったらしく、ずっと笑いが止まらない。


 その様子を見て、アデルの顔が自然と綻ぶ。暖かいな。こんな気持ちは何年ぶりだろう‥‥‥


 アデルの顔を指差してはしゃぐサラスィアを見、アデルは幼い時のルエラを思い出していた。


 まだ二人子どもだった頃、ルエラもこのサラスィアのように無邪気に笑っていた‥‥‥


 なのに。今は光もささない陰湿な部屋のベッドの中にいる。痩せ細った可哀想なルエラ!


「うう‥‥‥。ルエラ」


 アデルの目尻に涙が光る。


 バシンッ!!


「いてぇ!!」


 アデルは頭をおさえた。サラスィアがアデルの頭を軽く小突いたのだ。


『何を感傷に浸っておるのじゃ! もう薔薇を与えてルエラは虚弱状態から回復するのじゃろ? 何を悲しむ事がある!』


 アデルは言いにくそうに口を開く。


「その事なんだが、うまくいくだろうか‥‥‥。父が、あんな状態の父から逃げられるだろうか」


 不安で仕方がないんだ。


 父アーサーは母を亡くしてから狂ってしまった。


『なんじゃ。そんな事。ワシに任せるが良い!うまい飲みものをくれたお礼じゃ。お前の家を教えてくれ!』


 サラスィアはカウンターに立ち上がって言った!



あっという間に一月終わりましたね!

また短くてすみません。

なんだかサラスィアがアデルを救ってくれそうなオーラをプンプン醸し出していますね。

アデルの名前を考えてくれた友達にサラスィアの考えがわかりやすいと言われました笑


そうです私はわかりやすい話しか書けません。


ここまでお読みくださってありがとうございました!


あなたは妹はいますか?いるという方は広告の下の☆に点をつけていって下さいね!妄想でいるという方も(ry



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