殿下やってくれましたね
戻ってオクタヴィアンが瘴気と魔獣の様子を報告。途中で連絡は入れたが、長くなったし勝手に討伐したので文句を言われるかと思ったが、そんなこともなく殿下はとてもにこやかに着席を勧めた。
おかしいぞ殿下、背筋がぞっとする。
「決定事項を伝える、フェルディナンド、君犠牲になってくれ」
なんですと王族は怖い、何言ってくれちゃってるのさ。
「殿下、それでは簡潔に話しすぎで伝わりませんよ。」
ルドヴィックもにこやかだ、俺は何を押し付けられるのだろう。
要約するとこうだ。
殿下は俺ができる魔術師だというところに目をつけた、いや貴方には俺ができるかどうかなんてわかんないだろう、見切り発車もいいところだ。
瘴気の存在を漠然と感じ取れる気がすると言った俺を殿下は派遣させてみることにした。
俺たちの使った転移陣の切符は特急かつ特等だったわけだ、因みに転移陣は国営です。(戦略設備だからな)瘴気の状態の報告と浄化したいとの要請があり経費を自分の小遣いで支払うことに決め、GOサインを出す殿下。そのあと陛下には了承を得たそうだ、お金も支払ってもらえるそうでよかったね、俺は王子様の小遣いの額に卒倒しそうです。あと、俺たちの成功報告に今頃、閣僚どもも喜んでいるだろうと。なんのこっちゃ?
俺たちは知らなかったが、上の方は瘴気の増加がそろそろ起こるのではないかと準備していた。
だから殿下の『俺を旗頭にして瘴気の浄化を進める』との主張はすんなりと受け入れられ、違っていたらその時点で止めればいいと言われたそうだ。学生の勇み足で済ませるつもりか。
『君たち正義感があってえらい、えらい、今回はちょっと間違ったけれどそれも人生経験さ、無駄にはならない』とか言って。
実際、被害を受けた町村は支援しなければいけない。今現在の話でもやるべきことはあるよね。
復興予算は莫大になるので20年前から準備金を積み立てている。陛下すごい、素晴らしい。
俺は良い国に転生したもんだ。
そして準備金は潤沢にあるので俺たちと騎士たちが国を巡っても大したことない心ゆくまで瘴気の浄化に協力してくれと褒められたそうだ。
計画の修正をしたら俺と殿下を中心とした若手の討伐隊が動き出す。同行する騎士は200名、お世話をしてくれる後方部隊が100名。なにしてくれちゃってんのさ、ついでにどこまでこの話は広まっているんだろう、考えたくもない。
殿下、仕事のできる男だったんだ、元高校生だと思って舐めてたよ。王族暦16年はだてじゃないな。
「学園は試験さえ受ければ進級させてくれるそうだ、問題ないな。
この1年は討伐行脚だ、冒険者をやっていたフェルディナンドは嬉しかろう。」
嬉しくないし、問題あり、ありだ。
陛下に謁見した。魔術師団からも30名が同行する、彼らには大量の魔術陣もだしてもらう。
魔石とポーションは国がだしてくれる。
俺はサリバン先生に泣きつき、相談もして、使う魔法と魔術を決めた、低威力で魔術陣を使って大量にだ。
ファイヤーボール千個にかなう魔獣はそうそういまい、いても弱ったところをたこ殴りだ。勇者が魔王を倒して戻ってきたときの例を参考にだな、俺は究極の兵器などと呼ばれたくねえ。
サリバン先生と王都のゴルドシュタイン邸にも行った。上級ポーションと魔紙を根こそぎいただいた。
陛下の俺に協力せよとの書付はすごいな、まるで葵の御紋、水戸の老公の印籠だ。しかし陛下も黒いよな、次期侯爵の俺が侯爵家の資産を使う、一貴族に負担をかけても文句を言われないと踏んだな。勿論この分は俺の所有だ、保険は必要だ。
国中の騎士団に瘴気の調査はさせる、そして俺たちはリストにそって討伐を繰り返した。
1年が経った、30個程の町村は助かった、10個近くが間に合わなかったが。
浄化に関しては遠慮はしなかったので、この国の瘴気はかなり減ったと思いたい。
1年ぶりの学園だ、ペーパー試験は1日で終わり、実技は実績があるので免除だそうだ。
3人組は涼しい顔で試験を終え、できる男の雰囲気を醸し出している、皆たくましくなったしな。
1年の休みなしの討伐に思うところがあったのか、陛下が10日の休暇をくれた。
久しぶりのお茶会だ。話題はこれまた久しぶりのヒロインちゃんだ。
さすがのヒロイン、この1年で逆ハーをきずいていた、おみごと、パチパチパチ。
候爵、伯爵、子爵、男爵と揃い踏みだ。えっ、俺とお茶した、あのやさしい先輩が毒牙に掛かったの。
違いました、俺の弟でした、いたよな、そんな奴。
4人もいたら俺たちに手はだしてこまい、これで大丈夫。大丈夫だよな。いかん、いかんトラウマになっているのか5人目に手を出してくるヒロインちゃんが簡単に想像できてしまった。
殿下は王宮で報告と今後の相談で忙しいらしい、会議にもでなくちゃいけないとぼやいていた。
できる上司はつらいよね、がんばれ殿下。
俺は叔父上に会って、久しぶりにマッキーと領でのんびりしてこよう。
戻った俺たちはいきなり試験を言い渡された、えっ再試なの、この間の試験は満点のはず、違った?
違いました、最終年度のペーパーと実技の試験を受けて卒業資格をとっておけと。
陛下、俺たちをどれだけ働かせるつもりですか、俺たちまだ子供ですよ。
王宮に呼ばれた、覚醒したヒロインが4人の逆ハーメンバーと共にいて、彼女たちも聖女ご一行として討伐に加わるそうだ。畏まりましたと頭を下げる俺たちの横でヒロインが俺たちと一緒に行動するといいだした。2手に分けたほうが効率がいいと説得する。そうしたらメンバーのうち誰かをよこせと言い出した。なにいってくれちゃってんだ。正気か。それをなんとか抑えると経験のある騎士が欲しいので、俺たちと同行した騎士の中から選んで連れて行きたいと。はい、顔の良い奴を選ぶんですね、子爵令嬢とも思えない仕業にもう言葉も出ない。陛下がこちらから選んで同行させようと言ってお終いにしてくれた。助かります陛下、上司がいいと楽だよな、ほんと。
そのあと王宮の殿下の部屋でお茶だ。疲れたよ、出てくる時に弟にはきつい眼差しで睨まれたしな。
殿下は逆ハーだ、本物を初めて見たと騒いでいる、久しぶりの乙女ゲームに興奮している。俺たちいままでRPGのバトルゲームだったもんな。あそこまで無礼でイケメン好きな女にくっついているとは魅了の魔法かそれともゲームの強制力かと首をひねっている殿下、閣僚どもとの折衝で溜まっているストレスをこれで少しでも晴らしてくれ。
「弟があそこまでアホだとは信じられません、スペックは良い筈なのですが。
候爵家のマナーもどこへ吹き飛んだのか。」
「私も殿下に話しを聞いていましたが、多少目に余るぐらいだと。
この目で見ても信じられませんよ、あんな女性がいるなんて。」
「だからこれだけ用心していたのです。
でも私たちの乙女ゲームはヒロインがお供を決めた段階で8割がたお終いです、ひやひやしましたが、 終わりよければすべてよしです。後は消化試合で残ったところの討伐と浄化です。
それも聖女が加わったら1ヶ月で済みます。
聖女さま、さま、ですね。
一ヵ月後には学園に戻ります。私たちはせいぜい聖女に感謝と激励を送ることにしましょう。」
「殿下、顔が笑っています。」
そんんなにニヤニヤしてなにが感謝だ。
「感謝の気持ちは本物なので、それで良しとしてください。」
「では聖女のいない今年の学園祭ではたこ焼きの屋台をやりませんか。
前に作って面白かったので。」
「おっ、いいな、あれは私も一度やってみたかったんだ。
くるくると回して楽しそうだよな、ついでにお料理ができるなんて意外とかいわれて、きゃっきゃ、うふふと」
「何わけのわからないこと話されているのですか」
「殿下、女の子、好きだったんですね、それこそ イ ガ イ !」
「青春のときめきの話をだな、少々。
私は環境に恵まれないだけで女性は好きだ。前世ではすでに経験していたのになんでまだ童て まあ、そういうわけだ。」
「あと一ヶ月か」
「残務もいれて3ヶ月は掛かるかな、それでも夏には間に合う。」
******************
フラグ、フラグたててる、盛大に。知らないからね




