女だけの世界21
かぐや:「それは可哀そうすぎるわ。話位は聞いてあげましょうか‥」ため息をつきながらも話を聞くことにした。
アデル:「ありがとうございます!あなたは本当にお優しい方ですね!ぜひ私の妻にしてください!」
アスカ:「私の方が先約です!」などと周りは騒がしいが男性は重い口を開き語り始めた。
話の内容はこうだ。男性は階段を上りこの世界にたどり着いた。しかしそのとたんに女性達から自分を求められ抱き着かれ有頂天になって舞い上がってしまった。
そして女性たちに求められるままに2~3日は浮れて遊んでいたが精気というか神人のエネルギーのようなものを吸い取られてる気がしたので遊びはやめて女性達を強引に振り払おうとしたんだが相手が綺麗な女性ばかりなので傷つけるのも気が引けできなかった。そうこうしているうちに女性達のためにと大量の自分自身の人形を作らされてしまいそこから真の地獄生活が始まった。女性たちに神人のエネルギーが分散してしまいこんな結界まで作られてしまった。それから3百年ちょっとこんな生活が続いてるんだ‥死のうとも思ったが肉体的にもそう簡単に死ねず怪我をしても女性達の回復能力で勝手に治療されてしまう。この世界にいる残りの男性7名も同じ状況下にあるという。
かぐや:「それでどうしてほしいの?」
男性:「結界を破壊し助けてくれないだろうか?」
かぐや:「具体的にどうすればいいの?」
男性:「それは解らない。ただ今の状況を打破したいのだ!」
羅夢:「なんで我らに頼む?」
かぐや:「そうよ。どうして私たちなの?他の誰かに頼めば良かったんじゃない?」
男性:「無理だ。神人の力は強い。常人には太刀打ちできないのだ。ましてやこの世界の住民達には……」
かぐや:「じゃあ、どうするっていうの?」
男性:「君たちしかいないんだ!」
羅夢:「……お前は最低な奴だな。自分で蒔いた種だろうが‥」
かぐや:「全くね。それくらい自分でなんとかしなさいよ!」
男性:「君たちは女性だからこの世界の誘惑が利かなかっただけなんだろう?男だったらこの世界を突破するなんて不可能に近い。だから女性の神人であるあなたしかいないんだ!」必死に懇願してくる。
しかも土下座してお願いする始末である。
かぐや:「仕方ないわね……」
羅夢:「おい、騙されるなよ!この男の甘言に付き合ってたら我らまで危なくなるぞ!」
かぐや:「解ってるわよ!」
男性:「君たちが来てくれて本当に救われたよ!さあ、結界を破って女達を殺してくれ!」
羅夢:「……お前は本当にろくでもない奴だな!さすがに殺すはだめだろ!」
かぐや:「慈悲深い言葉ってあんたに一番似合わないセリフね…」
羅夢:「わ、私にだって慈悲位あるわよ!人を鬼みたいにいうな!」
かぐや:「いやいや、実際地獄の鬼でしょうが」
羅夢:「そりゃそうなんだが‥それはさておきどうするつもりなのだ?」
かぐや:「……そうね。このまま見捨てて帰ろうかしら‥」
羅夢:「おい、それはさすがに残酷過ぎないか!?」
かぐや:「何言ってるの?自業自得じゃない!」
羅夢:「まあ、確かにそうかもしれないが……」
かぐや:「でもこれが時雄だったらと思うと同情するところもあるのよねー。時雄一人だったら間違いなく9人目の玩具状態になってたでしょうから‥」
羅夢:「でもお前と私がいれば問題ないな」
かぐや:「そうね‥」
男性:「君たちなら何とかしてくれる!お願いだ!助けてくれ!」
羅夢:「……かぐやはどうしたいんだ?」
かぐや:「助けたいのは山々なんだけど‥でもね、こんなヤツの為に動くのもなんだかね‥」
男性:「いやいや、それは違う!私の命がかかってるんだぞ!?」
羅夢:「さっきまで死にたくても死ねないって言ってたよな?」
男性:「それは、その‥」
羅夢:「それに女性たちを殺すという発言も気に入らない!」
かぐや:「そうよ。殺す必要はないわ。ただあなたが結界を解けばいいだけなんじゃないの?」
男性:「それは無理だ。僕の力ではとても及ばない。この結界は並大抵のものじゃない。ここにいる女性たち全員が作り出したものなんだ!」
かぐや:「え?どういうこと?」
男性:「つまり、ここにいる全ての女たちの力を合わせてこの結界を作り出したということだ」
かぐや:「それはまた難儀なものね‥」
羅夢:「……しかし、なぜそんなことを?」
男性:「それはわからない。ただ、女たちは皆幸せそうな顔をしているだろう?彼女たちは心から望んでこの世界で暮らしているんだ」
かぐや:「そりゃそうでしょうね。何しろお気に入りの相手と一緒に居られるんですものね」
男性:「いや、僕はこんな状況で喜んでるわけじゃない!」
羅夢:「そうは言っても周りを見てみろ!全員お前のことが大好きじゃないか?」
アスカ:「あなた様こそ私の最愛の人です!誰にも渡しません!」「私の神人様です!」
などと狂ったように叫び続けている。
かぐや:「……やっぱりやめましょうか」
羅夢:「同感だな」
かぐや:「じゃあ、そういうことで‥さようなら」
かぐやと羅夢は帰ろうとした。しかし男性が必死に呼び止める。
男性:「待ってくれ!頼む!なんでもするから助けて欲しい!この結界を壊してくれれば後は好きにしてもらって構わないから!お願いだ!なんでもするから!頼む!お願いします!」泣きながら訴えてくる。
羅夢:「お前はプライドというものがないのか?いくらなんでも無様すぎるぞ!」
かぐや:「……ねぇ、なんでそこまで私たちに依存するの?」
男性:「そ、それは……こんな結界を壊せるのは神人であるあなたしかいないからであって」
羅夢:「お前だって神人だろうが!」
かぐや:「ふうっ、解ったわ!結界を壊しちゃえばいい訳ね。『クリスタルロッド』のお礼としてそれ位はやってあげるわ。ただしそれ以上はしないからね!」
羅夢:「おい、大丈夫なのか?」
かぐや:「知らないわよ。力加減解らないからそこから離れてくれる!」
男性:「解りました。お願いします」女性を引きずりながら部屋の隅に移動。
かぐや:「久しぶりに全力でやってみますか…まあ時雄じゃないから周辺を壊滅なんて事にはならないでしょうけど」
両手をクロスさせ上に伸ばし集中し始めた…とんでもないエネルギーの塊になっていく。
あまりの迫力にアスカとアデルも硬直して見ている。
アスカ:「こ、この感じは……あの時の‥」
かぐや:「はああっ!」両手を結界に向かって伸ばすと、一気に閃光が走り結界を貫いた。轟音とともにガラスが弾け飛び粉々になった。あたり一面に煙が立ち込め視界が悪くなる。
だが、その威力は絶大だ。城の外にある木や建物はおろか少し離れた山の一部すら削り取ってしまった。
かぐや:「はあっ、はあっ‥久しぶりにやったから疲れたわ‥」
羅夢:「お前は無茶しすぎだ!もっと加減して使え!どうすんだよ、あの瓦礫の山‥」
アスカ:「す、すごいです!」
アデル:「こ、これが神人の力‥」
アスカ:「あ!大丈夫ですか?男性は‥」と心配そうに瓦礫の山を見て言う。
羅夢:「‥あれは死んだな‥」
かぐや:「大丈夫でしょ。男も神人なんだから……ほら生きてるわよ」
男性:「ゲホッ、ゴホッ、グッハァ……こ、殺す気か!?」
かぐや:「悪い悪い!結界の強度が解んないから手加減なしでやっちゃったから…」




