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後宮と人質契約

半年後、第二王妃イスタが後宮へ居を移されることになり、王国は第一王妃オルフェアの天下となった。

噂によると、ルーベンス王は国政の全てを元オルフェアの有能な臣下に任し、後宮に籠り一歩も外に出ないらしい。

そんな王の代わりにオルフェア王妃は全てを手に入れた。国内の有力な貴族は沈黙しており、国内は力ない有象無象の新興貴族達に足をひっぱられ、オルフェアの意にかなわないものはうまく物事が運ばなくなっていた。

オルフェアはうっとおしい第二王妃イスタを国王の寵姫として後宮へ閉じ込め、政敵の愛するものを国王への忠誠という言葉でどんどん召し上げていった。

一度後宮へ入れてしまえば、中で何が行われていても、外部には漏れにくい。


後宮は大きく分けて三つの建物があり、ルーベンス王の居住している別邸と第二王妃や上級貴族階級の方々のいる邸宅と、その他がある。

その他の中には、全く気を使わなくていい人質を収監しておくための場所も存在している。

そんな中でも、かなり狭い独居房としか思えない場所に2日前からヴィラはいた。

ヴィラが後宮へ召し上げられてから、数年の年月が経っている。

「えっと、ヴィラ様だよねー。2年ぶりですね〜。こんな所に放り込まれるなんて、貴方って本当に才女なんで?」

「うるっさい。ジェスタお兄様の子分のくせに、うるさいわ。話を聞きに来たんでしょ?」

クロムウェスト公爵令嬢は、後宮の最も奥まった場所にふらっと現れた青年ジンに後宮の様子を淡々と話した。


国王への忠誠の証として、クロムウェスト公爵令嬢が後宮へ来たのは第二王妃イスタから3カ月遅れだった。

公爵令嬢で若く美しいヴィラは、周りも自分自身も国王に気に入られる可能性も考慮して後宮へ足を踏み入れた。考慮したところで、そうなったら避けることはできないのだから、その時に考えようと考えることをやめた。

挨拶のためイスタの元へ訪ねると、前国王の側妃達と和やかにお茶会をされていた。

「ヴィラちゃん、とうとうきちゃったのね。」

イスタはヴィラを招き入れると、席を一つ設けて、お茶を侍女に用意させた。

4人の元国王側妃たちは、みな美しく上品で柔らかい笑顔を見せていた。庭からの眺め、陽の光、豪奢な部屋、まるで天国のような空間。アルバートはこの方達の事をとても気にしていたのだが、大禍なくお過ごしになられていたのだろうと思った。

4人の側妃たちは、いきなり立ち上がるとヴィラの周りをかこみ、一人の女性がヴィラの手を握って訴えた。

「ヴィラ様、貴方の貞操は私たちが絶対に守ってあげるから、毒から私たちの生命を守っていただきたいの、お願い。」

「ええ〜っ。」

ウルウルした目で妙齢のご婦人がたから頼られ、断ることはできなかった。








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