公爵令嬢と講義契約 3
グエル オースティンーこの前、アルバートの実母の墓前であった軍服男性から頼まれて、ウォルガは少年を連れてきた。
「お祖父様から、彼を連絡係と、アルの護身術の講師にと勧められた。」
グレーがかった茶髪の少年は、ニコッと笑う。
「ジンと申します。お見知りおきを。」
スラリとした体格に、人懐っこさと性格が読めない飄々とした少年。
アルバートは、好意も敵意も感じないジンという少年に対して、一瞬、どう対応すべきか悩んだ。
「よろしく。ジンと呼ばせてもらう。ところで、まだ、グエル殿に対する返事は考えていないのだが。」
「そこはかなりゆっくり返事いただければ大丈夫ですよ。それまでの間、護身術を教えさせていただきますので。城下にお出かけする際、ジェスタさんにお姫様のように手をつながれるのは嫌ですよねえ?」
お姫様発言をさらりとかました少年ジンに対し、アルバートは見られていたことに苦々しい表情を浮かべた。
「ぜひ、教えてくれ。」
ジンは臣下の礼をした。
「それでは、まずは基礎体力作りですね。課題を出させてもらいます。」
アルバートに挨拶を終えたジンはその足でレミリアの元に向かった。
「レミリア姉、軍部の方から接触しましたので、ご報告まで。あと、レミリア姉よりもよっぽどきちんとした妹が増えていまーす。アレです。ジェスタは港の数だけ妹が増えるってやつですねー。」
「煩いわね、ジン。女じゃないから良いのよ。そんな事より、三大公爵家の女性達の動きはあったかしら?」
「まだありませんが、側近達の方は動きがあります。後宮が落ち着いたら、次に狙われると思われますが。」
どうします?
ジンの促しにレミリアは口元を引き締めた。
「 準備を始めるわ。今回はイスタ王妃の侍女として王宮に入り込む予定。そこで、ジェスタの妹君と話し合ってみるわ。クロムウェスト公爵令嬢とね。」




