灰色家族と育成契約 2
ユーリフォミア公爵家の兄弟姉妹はとても仲がいい。
嫡男は領主の補佐の仕事と、大きな事案が発生する時のみ王宮に招集される。
次男は王宮で若手官僚として、そつなく勤めている。
小さな弟と妹達が暖炉のそばで、王宮勤めで忙しく滅多に会えないギルバードにまとわりついていた。
「正統に継いだはずなのにルーベンス王の基盤は意外と弱い。そのことを十二分に理解しているからこそ、ああいう性格になってしまったんだろうが。」
嫡男は、弟妹達を見て和みながらも、話を進める。
「今、3大公家の内、ルーベンス王の後ろ盾と辛うじてなっているのは、ゼネフィスト家だけだ。前王が予期せぬことでお亡くなりになった時、ユーリフォミア家もクロムウェスト家も男児には恵まれたが、女児はいなかった。」
「だから現ルーベンスが王位を継いだ時、たまたま各家は有力な妃を送り込む事は出来なかった?」
次男ギルバードは、疑問形で話しかけた。
「たまたま正統な女児は生まれていなかったんだ。唯一ゼネフィスト家だけが直系でない第2正妃を送り込んだが、一歩引いた感じで様子を見ている様だね」
弟妹達は、おとなしく兄達の会話を聴いている。
「結局、中途半端な貴族達がルーベンス王に擦り寄り、政治は王のその日の気分で決裁される様になってきた。これから、きっと荒れるよ。」
渦中に入らない様、外側から見ているギルバードは、淡々と予測を告げる。
「そう言われても、父上達は政治的には動かない。領民や下の者達への影響を最大限に避ける為には動きそうだけど、何もしない予定らしい。」
「…見ているだけ?父上達が?」
嫡男は、ギルバードを見据えた。
「昨日の倶楽部でこう言っていた。お前達の世代になった。自分達でどうにかしなさい。と、公爵様達の意志だ。」
「退くの早すぎないですか?」
「それから、ギルが選んだ第4王弟、どう育てるのか楽しみだと言っていたよ。これから、忙しくなるね。」
嫡男は面白そうに微笑し、ギルバードは固まった。
「「「がんばってね、ギル兄さま」」」
弟妹達は、無邪気に応援した。




