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だって普通はそう思うじゃない❗

ヒーローはいつ出てくるのか…

《っ、やめてっ!こっちに来ないでっ!!!》


ひきつる喉に構わず出した言葉は、いつも使っている言葉ではなく


「竜」に対する条件反射で出たもの



「ガゥアア・・ああ???」

キキキッ---ってどころではない音があたりにこだまし

前足を突っ張ってお尻としっぽを使って地面を抉りながらブレーキをかける竜。

私の前ギリギリのところで、止まった姿を見て見開いた目をそっと閉じた。


頭の中を駆け巡る情景、そしてこの世界ではありえない景色が目に映っているかのように蘇り

私はそっと目を開ける


「・・・」どうやら倒れてしまっていたようだ、が目の前に大きな穴がある

フーフー

(いやいや、食われる・・・)

どうやら匂いを嗅いでるような竜

いつまでたってもその口に入れられることは無いと感じ


「あの・・・」待って、竜か・・・

≪・・・食べないでください≫


≪は?≫真ん丸に開かれた目がなぜか愛くるしく見えてくる。


≪あんた話せるのかい?≫

≪はい・・・話せます≫

≪こりゃ驚いた!こんなちっちゃな竜は見たことないよ!匂いも変だったから危うくぶつかっちまうところだった!≫

≪あ、あの私竜ではな・・・≫


≪おっと!ごめんね、今急いでんだ・・・ん?あんたそっれ!怪我してんのかい?こんなちっちゃなあんたをほおって置くのも・・・あんた咆哮はもうできるかい?≫

(咆哮?叫ぶってこと?)

≪え、えっと・・・≫私は竜ではない、がしかしここでそれを明かしてはたして無事でいられるだろうか・・・≪ま、まだできません≫


≪あーま、そうだろううね、ん、ちょっと待ってな!≫


ふと空を見上げるかのようにその鼻先を挙げた竜は

「クゥウウルルルル」

なんだか咆哮と聞いて想像した声ではない清んだ綺麗な音を出し始めた。


少しして

「キュアッキュアッキュアッ!」と甲高い音が遠くから返ってくる


≪ん、良かった誰か応えてくれたね!≫


≪え?応えた≫

≪あぁ、あんたはも少し我慢しな!今助けを呼んだから、事情は自分でちゃんというんだよ?あたしは・・・あの子を助けに行かなきゃだからさ!ごめんよ、誰かがくるまで持ちこたえな!≫


そう言うと竜は翼を広げ・・・走り去って行きました。


「ッ、はぁあああああ」

どうやら助かった様だ、二度も激昂している竜種に会い無事でいられたなんて奇跡に等しい

その奇跡を噛みしめ、ふと思う



すべてを・・・思いだしました


いや、絶妙のタイミングだった、これが危機一髪ってやつね


思い出したものそれは・・・前世の記憶の一部だ


私はこの世界じゃない場所で生きていた記憶がある


その世界では私はオーエルなる仕事につき、日々の生活を彩るのはゲームなる遊びであった


そのゲームはとても複雑な使用でロールプレイングでありながら、すべて音声認識で進める冒険ものであった、ゲームの中で必要になるモノそれは「言語」あのゲームの特徴は綺麗なグラフィックでもストーリーでもない、ゲームの中で使われる言語だ、あの世界でも色々な国での色々な言語があったが、一番の特徴は断トツ「竜語」だ。


なんせ「竜語」はストーリーを進めるにつれコンプリートされていき、最後には実際他国の言語のように話せるようになる仕様だった、

勿論、普段使っている言語とはまるっきり違い、あのゲームの中だけのオリジナルであった為

実在する国の言葉を使ったゲーム展開を英会話スクール替わりの感覚でやる人たちも多く使っていた中で

竜語だけはどこの国でも使えないと、不人気だったが・・・

一部のコアなヲタクがコンプリートを目指し白熱していたこともあった、そんなヲタクの一人が私だ。


完璧に話せるようになることは超難関であり、並大抵の努力では難しい・・・それを、成し遂げていたのが

、そう前世での私だ。


そう私は話せる、あの世界でのゲームの中で竜たちと会話する為にすべてを注いで覚えた「竜語」、ゲームでしか使いどころがなかったあの言語が、今この世界で私の命を救う事になるとは・・・



竜語、どこの国でも使えないと、不人気だったが・・・ここでは・・・

浸した足に水が冷たい・・・

「私、話せる」

この世界では竜の言語なんて感覚はなかった、ひたすら関わらない生き物

それが竜・・・


怖かった、けど、それ以上に今身体を震わすこの感覚は、興奮。

(竜と話せた!なんかおかあちゃん!って感じの雰囲気の竜だったけど・・・そう言えばあの子を助けなきゃとか言ってた・・・その前に出てきたあの男たちを追っていたように思う、あの気味の悪い男が担いでた袋、まさか・・・いやいやまさか、竜に手を出す人間なんて・・・でも、しつこいって言ってた、あれがあの竜の事だったら、いや、待って私生きてる!生きてるって素晴らしい!竜が頭弱いって本当だった!話せただけで明らか人種の私を竜って、私・・・竜と話せるんだ。)


まとまらない考えに集中してた私は

ドシンドシンと大地を揺するその足音に我に返る。

(まって、さっきの竜、誰かが来るまで持ちこたえなって言ってた?それその誰かって・・・)


バキバキと轟音を立てながら、さっきの竜がやってきた側の少し右の木々が倒される

現れたのは真っ黒でふさふさの毛皮をまとった赤い目をした




熊でした。

次回❗竜ってやっぱり…馬鹿なのか……

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