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碩学の無能力者  作者: 髙津 央
第08章.作戦

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57.姉帰還

 「起きてる?」

 ノックの音と姉ちゃんの声で目が覚めた。

 頭の脇にノーパソ。画面は真っ暗。スリープモードになっていた。


 窓の外も真っ暗だ。


 俺はベッドから出て箱を()け、鍵を開けた。

 スーパーのビニール袋と、エコバッグを持った姉ちゃんが入ってきた。鍵を掛け、箱を元に戻す。


 「今、家に二人きりだけど、念の為にね」

 姉ちゃんは、いつもの地味な恰好で言いながら、机にスーパーの弁当を置いた。

 パソコンのスリープモードを解除し、エコバッグからICレコーダとCD‐Rを出す。


 「写真はご飯食べながら見よう。半額のお弁当でごめんね」

 俺は机にパソコンを置き、自分の分の弁当を持って、椅子ごと姉ちゃんに近付いた。


 「姉ちゃん、変装は?」

 「したよ。バッチリ。友達が手伝ってくれた」

 「友達!?」

 思わず声が大きくなった。


 「高校に入ってからできた友達。妻鹿葵(めが あおい)さんって言うの。家が遠いし、学校や外で会う分には大丈夫。服とウィッグを貸してくれて、メイクもしてくれたの。葵さんちで着替えとメイク落としもさせてもらったから、すっかり遅くなっちゃった」


 姉ちゃんにも、赤穂(あこう)みたいな学校限定の友達が居るんだ。

 姉ちゃんも、孤独じゃなかった。

 しかもこんな、バレたら洒落にならないことに協力してくれるって、親友レベルじゃないか。


 「姉ちゃん、よかった。友達……できてよかった」

 「ん? うん。ふふっ。ウチの学校、部活強制だから一応、調理部に入ったの。葵さんは部活の友達。私はバイトで殆ど行けないけど、何か仲良くなってね」


 俺は胸が詰まって、言葉もなく(うなず)いた。

 校内限定の友達。そう言う良い縁もあるんだ。


 「葵さんち、両親がそれぞれ浮気して、小三の時に離婚したんだって。でも、どっちも子供要らないって押し付け合って……結局、母方の実家に引き取られて、今も、その家に居るの」


 ひでぇ……


 言葉を失う俺に構わず姉ちゃんは続けた。

 「葵さんに服貸してって言ったら、理由を聞かれて、説明したら、ノリノリで手伝ってくれて、尾行にもついて来てくれたの」

 「えぇっ!?」

 「多分、標的にはバレてないから、大丈夫。私達、観光客のフリして、葵さんのお祖父さんのカメラで、写真撮りまくったし」

 姉ちゃんはCD‐Rからパソコンにデータをコピーする間、嬉しそうにミッションの報告をしてくれた。

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用語は、大体ここで説明しています。

野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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