表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碩学の無能力者  作者: 髙津 央
第04章.級友宅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/95

21.呼出し

 俺は、改めて(ともえ)家の台所を見回した。

 格調高い雰囲気の食器棚。食器も棚に相応(ふさわ)しい高そうな物ばかり。


 一番上のあれって、もしかして、銀の食器セットか?


 因みに我が家の食器で最高級品は、パン祭の白くて、やたら頑丈な皿だ。買えばかなり高価な外国のブランド物らしい。


 テーブルも、我が家のは六人掛け。

 ニタリで買った安物で、足がちょっとグラついている。

 ここのは、何て言うか、こう……格が違う。重厚な「食卓様」だ。


 だんだん、怖くなってきた……そろそろ帰りたい……


 「政晶(まさあき)さんとお友達の方、ご主人様がお呼びです」

 完全に自分の考えに入り込んでいた俺は、不意に声を掛けられて、飛び上がりそうなくらい驚いた。

 巴は怪訝(けげん)な顔で、いつの間にか台所にきていた黒江さんを見ている。


 恐る恐る巴に聞いてみた。

 「ご主人様って?」

 「もう一人の叔父さん」

 巴は標準語で答えて、立ち上がった。俺も立ち上がる。


 黒江さんのご主人様で、巴のもう一人の叔父さんって、あの巴先生だよな?


 俺は、感動と緊張で強張(こわば)る足を叱咤(しった)して、使い魔の黒江さんの後について行った。


 廊下の奥、中庭を挟んで玄関の向かい側にある階段を昇る。

 手すりを掴む手は、じっとりと汗をかいて、指の間がベタついた。


 「あっあああの、トッ……トイレ……」

 「二階にもあるよ」

 階段を降りようとした俺を、巴が呼びとめた。

 こんだけ広いと、トイレも一カ所だけじゃ、足りないんだな。


 二階のトイレは階段の左隣。お店みたいに男性の小用と洋式の個室がある。

 緊張し過ぎて洩れそうだったが、何とか間に合って一息ついた。

 冷たい水で手を洗い、汗のベタつきがなくなると、気持ちも少し落ち着いてきた。


 巴先生、俺たちに何の用だろう?


 一人で待っていた巴が先に立って歩き、階段右側、二つ目の部屋のドアをノックする。

 心臓が、百メートル全力ダッシュ直後のように暴れ出した。


 鎮まれ! 俺の心臓!


 「どうぞ」

 間髪入れず、小学生くらいの女の子の声が、返事をした。


 巴、妹がいるんだ。


 いよいよ、本物の魔法使いとの対面だ。緊張で頭がくらくらしてきた。

 巴がドアを開け、部屋に一歩足を踏み入れる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
用語は、大体ここで説明しています。

野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
【関連が強い話】
野茨の血族」 巴君のその後。
虚ろな器」 高校生になった友田君が登場。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ